さてさて、一段落ついた頃、ちょうど山のふもとから聞こえてくるのは正午のサイレンぜよ。
よっしゃ、一息いれるちや。
いや、まっこと美味いぞね。
やっぱり、こうやって竹のサラサラという風の音を聞き、小鳥のさえずりを楽しみながら竹林の中で食べるオニギリは最高ですきに。腰を下ろして見上げたら、真っ青な空をバックに緑の竹の葉の揺れよります。
「お昼やにゃあ、美味しいかよ?」
虎竹たちが話しかけてくれるようちや。こんな竹林の爽やかな空気を、めいっぱい都会の人たちにも味わうていただきたいもんぜよ。けんど、今日のお昼が、いつもより美味しいのには、理由があるがです。
そうです、登ってきた小道の近く、車の通れる山道の脇に真新しい枕木が用意されちょりました。一体何やと思われますろうか?実は、これが山で伐採された虎竹を積み上げる場所になるがです。虎竹の里では、新竹の季節これからの山は、いつもより、ちっくとだけ賑やかになりますぞね。谷間にコン!コン!と竹を鉈で伐る音が響き、山だしの機械のエンジン音が聞こえてくる。
ああ、まっこと嬉しい季節やにゃあ。今年もやってきましたぜよ新しい枕木に、新しい出会いを感じて、わくわく、わくわく、そうじゃあ新入生が入ってくる感じに似ちょりますろうか。
竹虎では季節外れの新学期ぜよ。
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