竹の世界に新しい風を吹きこまれゆう田辺小竹さんは世界的にも有名な竹芸家ながです。日本唯一の虎竹を使うて作品作りをして頂きよりますので、前々からずっと気になっちょりました。けんど代々の名門のご出身。若いながらメディアにも度々登場されるご高名な作家の方やし自分のような田舎者の竹屋が、お伺いしてもご迷惑やろう。そう思うて気後れしちょりました。何年かかるは知らんけんど、ご縁があったら、いつかお会いさせて頂けますろう、そう思うちょったがです。
この10月に大阪にある正木美術館を訪ねました。ここに、小竹さんが竹のインスタレーション「天と地」を創作されちゅうと聞いたからです。静かな日本庭園の見える和室に、それはありました。何も知らずに行ったがです。知らない方がエイろうと、思うて行きました。ドキドキしながら誰もいない部屋に入ったら、
なんとっ!!!言葉にならんかったです。
竹が向こうの縁側から伸びてきて、畳の間まで来て広がり、立ち上がり、まるで生き物のように伸びて天井にいっぱいに広がっちゅう。穏やかな午後、それからの予定も忘れて畳に腰をおろして、ひとり、のんびり、こじゃんと心地のエイ時間を過ごさせてもらいましたちや。包み込まれるような作品はすべて虎竹ぞね。あの天井が「天と地」の「天」ですろう。あの竹の合間から、いままで虎竹を守り育ててきた先人が、祖父が、もしかしたら今の自分たちを見てくれゆうろうか?
一本の竹が、人の手を経て、こんな形に変わる。
小竹さんは「つながり」という事を意識されちゅうと言います。ワシは、この時、この部屋で竹虎118年の歴史のつながりを感じ胸が熱うなりました。だから、燃えてもきましたぞね。明日への闘志がふつふつと湧いてきたがやきに。
けんど、床の間に鎮座する小竹さんの作品。その存在感というたら凄いにゃあ。あの口から飛び出してくるのは、一体何やろうか?
帰りがけ、後日、銀閣寺の花方であられる佐野珠寶さんとのコラボレーション企画がある事をしりました。これは絶対見たいにゃあ。受付の方に聞いたら、どうやら満席で入れんようぜよ。来月の企画やのに、さすが、これだけの競演。ご覧になられたい方も大勢おるがやにゃあ、困ったよ...。そんな事を思いながら帰途についたがです。
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