竹筆作りの第一人者であられる釈迦院時雄先生に、日本唯一の虎竹を使うて製作いただいた虎竹筆。これが、実はなかなか曲者ぜよ。最初は虎竹やきと思うて、これからは虎竹筆しか使うことはないろう。そんな風にも思いよりましたが、これが、なかなか使いこなすのが難しいがです。自分のような自己流で好きなように書いてきた者にとっては基礎がないからですろうか?どうも、上手く書く事が出来ないがです。
竹虎では毎月、毎月、竹虎通信というミニ情報と言うか、何と言うか分かりませんけんど作りよります。おっと、これも2002年の9月からスタートしちょりますので、かれこれ10年やり続ける事が出来ちょります。けんど、虎竹筆でチャレンジしてみようと試してみたらいつもと全然違う感じになってしまうがぞね。それでも自分のイメージしちゅうモノやったらエイですけんど、思うた通りの線にはなりませんきに、まっこと困っちょります。そこで、あまりの扱いの大変さに遂に降参ぜよ。年内の竹虎通信は今まで通りの筆に戻って書くことにしちゅうがです。
けんど、先日ふと釈迦院先生の所にお伺いした時の事を思い出しよりました。先生は「一期一会」という言葉を書いて自分を待ちよってくれたぞね。一期一会と言うたら一生の内で一回きりの出会いだと思いなさいと言う事ですろう。昨日も、一昨日も一回しか無いような出会いをさせて頂きましたきに、今日は余計に、この言葉が身にしみますちや。
ああ、イカン。
それやったらイカン、イカン、イカンぜよ。
最後に手する筆と思えば、ワシが手にするのは日本唯一の虎竹筆しかないがやき。それは、この世に、ひとつしかないがやきに。
コメントする