何か新しい事をはじめる時には、どうしてもしたい事やったら自分のお金も、時間も惜しみなく使うことがあると思うがです。「これをやり遂げたい」、強く思う信念は最初は小さな小さな火であっても強く、強く思い続けることによって飛び火し大きく燃えあがるがですろう。
竹皮スリッパを、どうにかして形にしたいと思いよりました。今では五本指ソックスは、すっかり定着していますが、昔は、自分の記憶が正しければ、あまり普及しておらず、水虫の方など一部の方が履くような意識やったと思います。だから、冬場はどうしても鼻緒のスリッパより、ソックスのまま履けるベルト式の方がお客様にオススメしやすい、ずっと、そう考えちょりました。竹皮編みの職人さんとの、やり取り、ベルト部分の芯の素材や生地、縫製の職人さん探し、鉄工所での機械づくり、EVAスポンジ底、接着剤、加工方法など、いつもの竹細工とは、まったく違う素材や技術を当時の自分が、誰にも相談できず手探りでやったきに、こじゃんと(とても)遠回りしたかも知れませんぞね。
結果が出ないうちは周りは冷ややかなものは分かっちょります。特に竹虎は古い歴史のある、職人気質の会社。今日、いつく作って幾ら、どれだけ、上手に作って幾ら。だから、通常の営業時間には勝手な製造は許されません。試作スリッパのEVAスポンジ部分の削りだしは、会社が終わってから機械を一人で外に運び出し工場横に隣接しちゅう本店の前にあったコカ・コーラの自動販売機の灯りの下でやりよりました。夜道を行く人が、
「あの竹虎の長男さんは、変わった事ばっかりしゆうよ...」
ちっくと哀れむような目で振り返ります。ワシは、こんな男ですきに何ちゃあ構わんけんどああ、あのおばちゃんは、お母さんの知りあいぜよ。お母さんまで、変に思われたらイヤやにゃあ。そんな事を思うたまま、頭にタオルを巻いたままの顔でゴーゴー回る機械を前にうつむいちょったがです。
竹皮スリッパが少しづつ売れるようになった、ある日。あるデパート売り場の下駄屋さんが商品をご覧になられて
「このスポンジ部分は、打ち抜きですか?」
と、聞かれますので
「当社の職人が、一足一足手削りしよります」
と、お答えしたら、目をまん丸くして驚かれました。この時も、商品の完成度の高さが認められたようで、まっこと(本当に)嬉しかったがです。竹虎の竹皮スリッパは竹皮部分を型押しせず、職人の手仕事だけで形を整えちょりますのですべて微妙に違うがです。とても、機械で大量生産するような打ち抜きは出来ません。
さて本日、こんなお葉書をいただきました
「とっても大好きなスリッパ 3足目...かな?」
こうやって作ってきた自分たちの竹皮スリッパに嬉しい、嬉しいメッセージ、何ちゃあありませんぞね。ただの、竹皮で出来たスリッパです。けんど、あの寒かった夜の「ひとりぼっち」が吹き飛ぶ思いぜよ。
ゴンタのご主人 返信
熱意のすごさに圧倒される。
でも、ブログの語彙が多すぎて、読み切れない?
4代目自身が、自分で更新してるのかなぁ?
竹虎四代目 返信
ゴンタのご主人様
竹虎四代目です。
いつもご購読ありがとうございます!
このブログは自分が30年間毎日更新すると
社員とお客様にお約束しちょりますきに
ずっと続けていきますぞね~(^^)
来月末で、ちょうどまる7年となりまけんど
これからもどうか、お付き合い何卒よろしくお願いいたします。
もちろん自分が更新しよりますぞね
自分でないと書くこと出来ませんきに
ありがとうございます!