寿籃さんの世界 その2

寿籃作御所籠


昨日に続いて塩月寿籃さんのお話をさせてもらいますぞね。と、言うたちこの御所籠見たら、もう何も話しなどすることはないがです。そうですろう?


これは何で出来ちゅう御所籠やろうか?疑問に思う方もおられるかも知れませんけんど、この細い線、一本一本が竹ヒゴです。この細い竹ヒゴを、なんと正確に規則正しく縦横に並べては交差させちょります。美しい直線だけではなくて中央部分の波目模様の曲線が作品に変化をつけて、より面白味をだしてちゅうように思います。よくよくご覧いただいたら、所々に花に見立てた模様がちりばめられているのが分かります。遊び心を感じて、こじゃんと(とても)魅力的ぞね。


塩月寿籃


近づいて見たら、見るほど一体どうなっちゅうかと思うような御所籠。竹が、人の手を経て、こんな作品に昇華していくとは、まっこと竹の可能性を垣間見させて頂けますちや。祖父、竹虎二代目義治が40数年前にはじめて工場横に竹の展示場を建てた思いには、日本唯一の虎竹生産者の方々に、このような芸術的な作品も観てもらって竹世界の奥深さを感じてもらいたいと言う事があったそうぞね。


けんど、自分の言葉など別にどうという事もないように感じられるほど、存在感が大きい寿籃さんの逸品初めてご覧になられた職人さんたちも驚いた事ですろう。多くの人の魂をゆさぶってきた寿籃さんの御所籠は今日も棚に鎮座しちょります。作家と同じように凛として特別なオーラを放ち続けゆうがです。


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