虎竹を模倣した竹?

竹


虎竹やったら、どんな竹でも売れよった」


以前、お年寄りの職人さんから、こんに事を聞いちょりました。けんど正直、本当に竹がそんなに売れたがやろうか?素直に聞く事ができないと言うか、やはり実際に体験した事がない、見たことがないので実感として自分たちの竹が飛ぶように売れよったと言う事を、なかなか理解する事ができずにおりました。ところが、高知の虎竹の里から遠く離れた関東の地で、かっては虎竹を模倣して薬品で色づけした竹もあったと教えてもらい、まさにその実物の一本の竹を見せてもろうたがです。
 

「まっこと、こりゃあビックリしたちや」


驚く自分に、竹を持って来られた職人さんも満足気ぞね。ああ、そうか、これなら納得できますちや合点がいきましたぞね。あっち、こっち全国から注文がドンドンあって虎竹が足りなくて、それこそ、旬の時期に伐った竹なら山道に伐り捨ててあるものでも全部集めて運んでいったそんな伝説のような話しが分かるような気がするがです。けんどそれにしても、こじゃんと(とても)面白い時代があったもんやにゃあ...。もう今からの時代はとてもそんな事はないですろう。竹など自然素材に代わるプラスチック製品等は、あふれ効率化や利便性が追求されてくる中で昔からの道具達は次々と姿を消していきました。
 

近年では、ようやく日本の伝統の良さにも光が当たりはじめましたけんど、以前のような量産はできなくなっちょります。その代わりに、本物を残していくこと、 進化する事が必要やと思うちょります。竹と日本人との付き合いは古く、長い、そしてその関係は今までも変わり続けてきたようにこれからも変化を続けますろう。日本唯一の虎竹の歴史と先人のたどって来た道のりを虎竹を真似て作られたという一本の竹から振り返りこれからの行く道を思うてみるがです。


コメント(2)

fugiena 返信

こんばんは。
所謂、「ばったもの」ですね。なるほど、写真だけではこれが贋物(虎竹ではない)とは分かりませんね。
人がプラスチック製品を開発してから随分と長い年月が経ち、便利なもの安価なものへと意識がシフトし、本物よりも「本物らしく見えるにせもの」に値打ちがあるという風潮になっていったように思えます。
でも、やはり「本物」は違います。私は便利なものよりもなぜか昔からあるものに魅力を感じ、いろいろな道具も家電も古いタイプが好みなのです。昔のものって、長持ちするものが多いです。長く使うことによって愛着も湧きますし・・・。
大量生産よりも愛情生産、心を込めた職人さんの一品がこれからも続いていきますように。

竹虎四代目 返信

fugiena 様

コメントありがとうございます。
言葉として、あまり好きではないこともありますけんど
今となりましては虎竹を模倣した、この竹も
歴史の生き証人でもあり、愛着を感じちょります。

これからも皆様に本物と思っていただけるように
ずっとやって来たことを大切に
ただ、それだけやと思うちょります。

今後とも何卒よろしくお願いいたします。

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