竹に長年向き合うて来られた職人さんのこだわりには、まっこと感動する事が多々あるがです。実は、その度まだまだ自分の竹の知識の足らなさや、竹への思いの浅はかさを思い知る事にはなりますけんど、感動させていただける事や、新しい事を教えていただける事の喜びがはるかに大きくて、いつも、毎回、どきどきワクワクしよります。この時も、田舎の未舗装の狭い道に慣れちゅう自分でも、こりゃあ、大丈夫やろうか?と思うてしまうような細い細い曲がりくねった急斜面の道を登っていきました。けんど、心はこじゃんと(とても)ときめいちょりましたぞね!
出会った、白竹で堅牢に編まれた竹かごは全体が輝いていましたが、ひときわ美しくキラリと光っちゃあるのが底の足部分。足の部分を籐で巻くのは、普通にある竹細工なのですが、「長年の使う内に竹は平気だけれど籐が傷んで切れる事もある」。そこで、この竹職人さんが工夫したのは足部分の籐が直に接地面に触れないようにと竹ヒゴを幅広く取ったカバーを付けたこと。これは、素晴らしいアイデアちや。もともと丈夫な籐にさらにカバーをするとは、凄い。機能的に優れたものですが、結果的に見た目にもモダンで、新鮮な印象をうけるがです。けんど、カバーか......?なんかしっくり来ませんきに「スカート」と呼ぶ事にしましたぞね。「スカートをはかせた竹籠」なかなかエイですろう?
自分の竹籠を何年も何年も愛用してもらいたいと言う使う方への心使いも感じますし、手間のかかる仕事を普通に、黙々とされる姿に竹職人のプライドと、確かな自信を感じる。そして、何より竹への愛情を感じる。竹の世界はこんな出会いがあるきにゃあ、素晴らしいがぜよ。
コメントする