牧野富太郎博士をご存じですろうか?
竹虎四代目のブログをずっとご購読いただき皆様にはお馴染みかも知れませんけんど、高知県出身の世界的な植物学者の方なのです。自らを「植物の精」と言うほど研究に打ち込んで、こじゃんと偉大な業績を残されちょります。新種や新品種など何と1500種類のもの植物の命名をされたそうですが、何を隠そう虎斑竹もその中のひとつ。牧野博士に命名いただいたのが1916年(大正5年)の事。土佐藩、山内家のお殿様に年貢として献上された歴史もありますので、もちろんそれまでも安和の虎竹の里には虎竹が自生していたと思うのですが、虎竹を広く世に知らしめたのは、牧野博士が初めてではないかと思うがです。
はちくの変種にして、高知県高岡郡新正村大字安和(現在の須崎市安和)に産す。凡の形状淡竹に等しきも、表面に多数の茶褐色なる虎斑状斑紋を有す。余は明治45年4月自園に移植し、目下試作中なるも未だ好成績を見るに得ず。
こう書かれていますように、虎竹は不思議な事に他の土地に移植しても虎斑状の模様が出ず普通の淡竹(はちく)になってしまうがです。虎竹と牧野博士の縁があるので、高知市五台山にある牧野植物園には、たまにお伺いします。広々とした素晴らしい園内の一角に、晩年の牧野博士の書斎を復元したコーナーがあるのですが。蝋人形の牧野博士のすぐ隣に何と虎竹製のゴミ箱が置かれちょります。今回、新しく虎竹ゴミ箱を製作してみました。虎竹の竹ひごの面取りも丁寧にして虎竹の手触りも最高ながです。牧野博士に見せたら何と言うろうか?
「ワシの、チリ籠と替えとうせや」
言うてくれますろうか。
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