竹の根っこも、昔から色々な竹細工として使われてちょります。皆さんご存じの物でしたら細い竹根は印鑑などに多用されますし、自分がずっと愛用している竹茶碗は大きな竹根を使います。今では、この竹茶碗も製造する職人がお一人しかいなくてこの方が作られなくなったら販売する事ができなくなる様な品ですが、同じ職人が作った竹根の菓子器などは竹根の形や大きさ、竹根ならではの風合いの面白さを活かした竹細工なのです。
竹の稈は空洞ですけんど竹根部分は身がつまっちょります。そこで、この竹根を半割して彫り込みをいれ竹根硯をこしらえています。これは結構珍しいがですが、ご愛用の方によりますと竹根の硯に入れた墨はずっと品質が変わらないと作った職人さんは言われちょりました。これは竹パワーですろうか?
通常は竹根で作品づくりをする場合には、竹根から伸びる細い根などは通常はカットしちょりますがその根を十二分に活用して作品にしたものもあるがです。それが、この竹根ひげ仙人。竹根は土の中にあって、あまり目にする事もないかと思いますが縦横無尽に竹林を駆けめぐり天然の鉄筋コンクリートと呼ばれる事もあるほどながです。細いひげのような根もご覧の通り!
そう言うたら以前は、このような竹細工も沢山ありましたちや。竹に彫刻をして絵を描いたり、文字を書いたり、人の顔や動物でもビックリするようなリアルな物があった事を思いだしますぞね。近年は、めっきり少なくなってますので、まっこと(本当に)久しぶりに拝見しましたちや。けんど、こんなに風格のある竹根ひげ仙人は見たことがないぜよ。きっと名のある方の作のような気がするにゃあ。
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