生姜の生産量は実は高知県が日本一ながです。虎竹の里から車で30分くらい西に走った地域でも沢山の農地があり、収穫シーズンともなったら生姜を満載したトラックが走ります。今は高速道路も出来ましたのでそうでもないですが、以前は夕方の国道が毎日のように混雑し生姜ラッシュと呼んでいた程なのです。
ちなみにミョウガの生産量は地元須崎市が日本一らしく、どうも、生姜とかミョウガなど名脇役に縁のある高知県ぞね。そんな土地柄なので生姜を製品化したものは結構多くて、色々ありますし生姜は自分も好きなので色々試した事がありますが、ここのような生姜糖は、まっこと(本当に)はじめてでした。来間屋生姜糖本舗さんというお店ですが、最初は「生姜飴」と聞いちょりましたのでてっきり、透明ないわゆる飴色の固い粒状のものを想像しちょりました。
なんせ、創業300年の老舗のお店です。しかも、昔と変わらない素材と製法を守りつづられゆうとの事で、こじゃんと(とても)期待をしながら訪ねて行ったがです。手作りで作られゆうと言うしどんなものかと思うておりましたら、まっこと(本当に)これは、現代の飴というより落雁をもっともっと固くしたような感じの食感。原料は砂糖と生姜だけですが、ただ甘いだけでなく、こじゃんと後を引くがぜよ。長い間続いて来たというのが納得の生姜糖やったです。
抹茶味の抹茶糖というのもあり、これは最近、抹茶が流行っちゅうきにバリエーションで作ったろうか?などと失礼なことを思うたらとんでもないぞねっ!!!製造はじめたのは約150年前と言いますちや。松江藩主の松平不味という大名茶人の生誕百周年を記念したそうなき、驚くしかないがです。
さて、この生姜糖をとにかく気に入って、今日も一袋完食してしもうたがですけんど、どうして、これほど好きになっちゅうかと言いますと、なんと使われちゅう生姜は出西(しゅっさい)生姜と言うてここ島根県出雲市日斐川町出西地区でしか成育しないからです。400年の歴史のある出西生姜ですが繊維が少なく、風味、香りがよく独特の辛味がある生姜。不思議なことに他の地域で栽培したら、ここの出西生姜として育つことがないというので、
「ええっ!?そりゃあ、日本唯一の虎竹と同じやいか?」
と、思わず声に出たがです。虎竹も何度か他の場所に植え替えた事がありますけんど、虎竹としては育つことはありません。本当に植物と言うか、自然のものはこういう微妙な事があるがです。そして、この出西生姜にこだわり、この生姜だけでつくる来間屋生姜糖本舗さんの生姜糖。この生姜を生産される農家の方々と共に進んでいくという姿勢も、竹虎とまったく同じスタンス。竹虎は118年、こちらのお店のように300年続くためにはいったい何をしていったらエイろうか?生姜糖を又ひとつ口に入れて考えてみるがです。おおの、それにしたち紅茶と良く合う...。
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