80歳を過ぎてもますますお元気な竹筆仙人のような釈迦院時雄さん。しかし、竹筆のお話をはじめると、さらに熱が入り饒舌になるがです。何と言うても笑顔が魅力的。好きな事に打ち込まれちゅうのがビンビン伝わってくるがぜよ。
能登半島の先端近くにある工房の前には海が広がり、天気のエイ日には立山連峰が美しく見えて、まっこと(本当に)絶景やそう。夜通し竹筆と格闘し、ついに明け方、差し込んできた黄金のような朝日の中で完成した1本の竹筆の事など、こんな情熱はどこから来るがやろうか?普通の人がみたら不思議に思ってしまうくらいやけんど、自分には、何となく分かる気がするがです。竹とは、それだけ魅入られる深いものがあるがですきに。
竹筆と一言で言うても実にさまざまな形や大きさがあって、小筆くらいのものから畳数畳分くらいの大きさの字が書けそうな両腕で抱えないと持てないほどの太いものまであるがです。大きなものは製作に2年かかると言われますきに、まっことスケールが違うぜよ。竹筆は、子供が生まれた時の命名の際にずっと使われていたそうぜよ。竹はスクスクと育ち一年中青々として成長力、生命力の象徴みたいな植物やき、昔から健やかな成長を祈って書く文字には竹筆やったがですろう。なるほど、そう言われたら竹は、たった3ヶ月で親竹と同じにまで大きくなる不思議なパワーがありますきに、まっこと納得するがです。
自分が訪問させていただく事を知って、京都の古いお寺の襖紙に「一期一会 蘭愛知己」と竹筆で書いたものを用意してくれちょりました。しげしげと見ていたら言葉の意味を説明してくれます。「蘭の花はどうして美しく咲くのか?」虫たちのために花を開くのではないかと思いよりましたが、
「自分を知るために咲くのですよ」
ドキリ......!ああ、まっことそうちや、そうながやきに!自分の事を、自分の進む道を教えてくれゆうがやと思うて嬉しゅうなってくる。釈迦院さんが、こうやって竹筆を作り字を書くのも自分が誰か知るためながやろう。これだけの竹筆の作品を創作された今でもまだまだ目は遠く遠くを見ちゅうような気がしたがです。
ki-yo 返信
こんにちは!
こんな近くに住んでいながら知らなかった私
地元の大切なものを教えていただいて感謝いたします
ありがとうございました
竹虎四代目 返信
ki-yo様
コメントありがとうございます。
お近くにお住まいなのでしょうか?
海が美しゅうて魚が美味しく、まっことエイところですちや。
釈迦院さんの工房も竹筆展示のお部屋もありますので
機会がありましたら是非お訪ねされてみてください
本当に素晴らしい書や見たこともない筆に圧倒されますぞね。
何卒よろしくお願いいたします。