虎竹の里の事を説明させていただく時に、いつも申し上げる1.5キロの間口の谷間の話があるがです。太平洋に向かって半円形に手を広げたような形の高知県には、海沿いに国道56号線が一本東西に走っています。須崎の道の駅「かわうその里すさき」を過ぎてひと山越してトンネルを抜けたら虎竹の里。目の前の山々に見える竹林は既に虎竹ちや。このトンネルから久礼に続く焼坂のトンネルまでの間がだいたい1.5キロくらいあるのです。山の際から頂上まで竹林があって、峠を越えると不思議に竹がないというこの谷間の内側でしか成育しない虎竹。京都大学の学者の方が二回ほど調べにきましたけんど、どうして、ここの竹だけ虎模様がつくのかハッキリした原因は分からずじまいやったがです。
虎竹命名の父でもあられる世界的な植物学者、牧野富太郎博士は高知県のご出身ですので高知市は五台山に広々とした牧野植物園が作られちょります。町がみおろせる山の上にあって、天気の良い日などは、まっこと気持ちのエイ。風通しのよい森を散策しているような気分になる。素晴らしい植物園ですきに機会があったら皆様にも行ってもらいたいがです。
ここで展示物のひとつにある高知県の地質を見た時に、虎竹の里のだけ、この虎竹の里の谷間だけ、見事にクッキリと地質の色が他と違うのを見てゾクゾクっと鳥肌が立つ思いやったです!!!科学的な事は解明されちょりませんがおそらく、この地質の関係や特殊な細菌のお陰でこの里に虎竹が育つと言われます。
波の静かな早朝に眺めると昔から、ずっと続いてきた自然の景色。足元には土佐藩の時代に山内家に年貢として虎竹が献上されるため虎竹が船に積み込まれた浜が見えます。オニギリ食べて虎竹茶をゴクリ。そろそろ、上りの一番列車が来る頃ですろうか?