メゴ笹洗濯かごは、水気に強い竹籠として食器籠にも多用されています。先日も山間にあるお宅を訪ねたら、庭先にお昼ごはんに食べた食器類を洗って入れておいてありました。自分の小さい頃にはもっと大きな大きなメゴ笹洗濯籠や竹編みの籠に食器やら、湯飲み、お箸など、どんどん入れて日当たりの良い縁側などに置いてあるのが普通の光景やったです。久しぶりに昔を思い出させてくれる懐かしい籠にお礼を言いながら、しばらく眺めさせてもらいましたぞね。
さて、けんど、まだまだ少ないとは言うても高知などではこうやって毎日の生活に使われているメゴ笹洗濯かご、実は偶然見かける機会があったのは高知からずっと離れた滋賀県の古い商家。年期が入った面構えは、長い間働いてきた誇りのようなものも感じさせる渋い色合いになっていました。現在では展示物として飾られていて実際には使われていないのですが。
見比べて、どうですろうか?同じような女竹(めんちく)系の竹を使いまっこと(本当に)同じような編み方をしているではないですか!?四国から遠い所でも、こうやって同じような形、編み方の竹籠があるという事を考えてみたら現代の日本では、ほとんど見られなくなり、竹虎でも一時は幻の竹籠とまで言われよった竹籠が、実は一昔前には全国各地で作られて日々の暮らしに当たり前のように役立っていたという証やと思うがです。
地元高知の資料館にも昔の生活雑貨のひとつとして展示される事もある、このメゴ笹洗濯かご。こうやって季節になって青々とした新品が編まれてくると自分たちも今は普通に扱っている竹籠ではありますが、本当は貴重な資料にもなるような籠であることを忘れてはイカンと思うがです。そして、新米の籠たちに言います。
「オマンらあも、何十年たって、あんな格好のエイ籠になりよ」
その道一筋に歩んできた職人さんがシワだらけの顔で、イキイキと魅力的なように新しい籠たちにも一筋に働いて数十年後が楽しみなように成長して欲しいがです。
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