昔はお米を研ぐというたら竹ざるやったがです。お米を入れるので編み目から小さな米粒が飛び出ないように細かい編み目にしないといけないし、素手でお米を洗うので手に優しいように毛羽立ちなどない、美しい仕上げにしないといけない。竹ざるの中でも小さな米研ぎざるは実はかなり難度の高い笊で、満足するようなざるはなかなか無いがです。
おっと、けんどこの竹ざるは、なかなかエイちや。若手の職人さんが丁寧に編み込んだだけはあるがです。底にむかってシュッと萎んだ形も現代的にやし、口の籐まきも少し粗いものキッチリしちょって丈夫そう。一番の気に入っちゅうところは外縁で口部分ギリギリまで、横編みの竹ヒゴを入れちゅうところやろうか?お米を洗うて炊飯器に移す時にも目詰まりしたり、外にこぼれないようにと考えての事やと言います。
そうか、そうか、そしたら一度使うてみて、使い心地を試してみようか...。そう思いながら、すでに何ヶ月経ったですろうか。見れば、見るほどシャープな形がモダンに気に入って結局、米研ぎには使えずにおりますぞね。
「見るためのものじゃねえ、使うためのものじゃ」
一度お会いさせて頂いた事のある現代の名工。圧倒的な存在感のある竹細工師であられる廣島一夫さんの言葉を思い出したりします。けんど、使い心地の良い籠は、見ても美しいし、美しい竹籠は、使いやすく丈夫なものながです。
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