車エビ籠

車エビ籠


竹籠にも色々ありますけんど、こんな形の籠はあまり見た事がありませんでしたちや。この大きな籠、一体何に使うと思われますろうか?こじゃんとゴツイ竹を使うて編み上げて、竹のタガで補強しているという念の入りようこりゃあ、ビックリするほど頑丈に作られた竹籠ちや。


とある展示室で見つけた竹籠。係の方に写真の許可をいただいてから説明を見たら「車エビ籠」と小さく書かれてありました。なるほど、昔は海で漁師さんたちが使いよった籠なのです。高さが1メートル50センチほどもありましたろうか?こんな大きい籠やったら、一体どれくらいの車エビが入れられよったがやろう。フタまで付いちゅうのは、エビがピチピチ跳ねて外に飛び出さないようにやろう。毎日の漁に使う竹かごなら、それは堅牢に作られているのも納得ぜよ。


竹ひご


近寄って横編みの竹ヒゴを見て、またまたビックリ、この厚みはどうですろうか?薄く剥いだ竹ヒゴを3枚も重ねて編み込んでいるのです。それなら、最初から3枚分の厚みのある竹ヒゴで作ったらと思わかれる方もいるかも知れませんけんど、1枚の竹ヒゴですととても堅くて編み込む事ができないのです。3枚に剥いだ竹ヒゴにする事によって柔らかく、しなやかで、しかも強度もガッチリとした竹ヒゴになり大きく強い竹籠を編むことができるがぜよ。


しかし、どんな職人さんが作ったカゴやろう。目をとじたらネジリ鉢巻きに汗をかきながらテキパキと竹を扱う職人さんの姿が思い浮かぶようちや。作る人がおって、使う人もおる。昔のカゴには数え切れないくらいのストーリーを感じるので、まっこと(本当に)飽る事がないがです。


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