「日本唯一の虎竹を発信したい」それだけ。

竹虎四代目


ずっと前から、「インターネットは地方に光りを当ててくれた」いつも、こう言いよります。けんど、地方というのは、地理的な地方とか田舎という事だけじゃあないがです。小さな「こだわり」という意味あいもあるがやき。


自分たちの思いのこもった大事な商品ではあるけれど、マスコミに告知して沢山の方に知っていただくような事は、お金がかかるので経済的にとても出来ない。だから、今までは同じ価値観をもった全国のお客様にもなかなか届けることのできなかったモノがあります。これがインターネットの出現により、知って頂くチャンスが、思いっきり、こじゃんと広がったがです。まさに、マスコミから口コミへの転換やと思うちょります。


「高知の素晴らしい産品を東京に輸出する」


e商人養成塾でイージー岸本塾長がいつも言われている言葉。この新春に開催した大講演会では尾崎高知県知事も来てくれちょって、田舎者の自分が緊張してしもうて上手く伝えらえなかった事、インターネットに取り組む多くの方を代表して言いたかった事、ただ、シンプルにこれだけながです。


虎竹の里から、ここにしかない竹を発信する」ただ、これだけながです。



涼しげな青竹そばざる

青竹ざる


まっこと暑うなってきましたちや。喫茶店に入ったらホットコーヒーよりアイスコーヒーを注文しとうなってきた。食卓にも涼しい食べもの恋しくなってくる。そしたら、そろそろ、こんな青竹そばざるが活躍する季節ぞね。この青竹ざるは渦巻き状に編み込まれているのが特徴ですけんど、編みはじめの網代編みから渦巻きみたいに横に竹ヒゴが流れるように編み出すところが熟練の職人さんでも一番難しいところやと言います。


見とれてしまうほど美しい青竹ざるですが、青々とした表皮の色合いは時間とともに色あせて使うごとに落ち着いて、またひと味もふた味もある竹ざるに変わっていくのです。竹は表皮の部分が一番丈夫で長持ちしますけんど、この竹表皮部分を使うて編み込んでいますので、この竹ざるはこじゃんと強い。大事に使うたら何十年とご家庭でご愛用いただける逸品やきに、そう考えたら匠の技で作られた竹ざる竹籠とは、決して高価ではないと、いっつも思うがです。


虎竹の竹林整備

竹林整備


「地震の時には竹藪に逃げろ」


こう教わった方もおられるのではないですろうか?竹は地下茎を四方八方にめぐらせちょりますので、天然の鉄筋コンクリートと言われる事もあるほど。だから、地面がしっかりとしているので地震にも強いという訳ながです。地下茎をどんどん伸ばして増えていって、その上、たったの3ヶ月で親竹と同じ十数メートルの大きさに成長するスピードは驚くばかり。いくら伐っても、伐っても次々と新しい命が育つ環境に優しいエコ素材などと注目も浴びちょります。けんど、それだけに手入れをしなくなった竹林は竹が密集して風通しも悪くなりがちなのです。


虎竹林


そこで、今回は山の職人さんに代わって、近くの虎竹の林を手入れする事にしました。夏場に竹林に入る時には蚊除けの竹酢液をスプレーしますけんど、この時にはまだ少し早かったですきに、蚊除けの必要もなく、暑くも寒くもない最高のコンディション。古竹や、風で曲がってしまった竹などは伐り倒し、山道の方にむかって滑り落としていきます。1本、また1本と竹を伐り倒すたび、少しづつ明るい日差しが入りやすいようになってくるがです。


小さな樹木も伐りながら、草刈り機で下草の手入れをしたら、手入れをする前とは、まっこと見違えるような美しい竹林が広がります。おおの、深呼吸したくなるぜよ!!!風にゆれる虎竹たちも、ゆらゆら揺らいで気持ち良さそうですが、山仕事で流す汗も、こじゃんと気持ちがエイもんです。


初夏の洗濯籠

洗濯かご


初夏の心地よい風にのって出来あがりましたぞね。このメゴ笹洗濯かごは、一時期職人の技が途切れた事があって「幻の籠」と言われて事もある竹かごながです。伝統の技や技術は、その糸がきれたらほとんど復活することなく消えていくものですけんど、このメゴ笹洗濯かごは、まっこと(本当に)奇跡的に出来るようになり、お陰様で全国の沢山の方に喜んでいただいているのです。実は、全国各地には全く同じ竹ではなくても、同じような竹で、同じような編み方をした竹かごは幾つかあったようながです。そっくな古い古い竹籠が農家で使われていたりします。


メゴ笹洗濯かご


数十年前であったなら、何人もの職人さんが当たり前のよにうして毎日編んでいた洗濯籠今年も当たり前のように日だまりで笑う竹籠たちですけんど、こんな当たり前が来年もその次の年も、その次の年もずっと続いていけるように、青々とした若い籠たちと一緒にそう願う日本唯一の虎竹の里の午後ぜよ。


筍料理「うお嘉」さん

焼き筍


京都という所は、まっこと歴史のある街やにゃあ。竹虎も創業明治27年、古いという事やったらなかなか負けんと思いよりましたけんど、ここ京都の筍料理の「うお嘉」さんは創業明治5年やと!今年で140年の歴史を誇る老舗ながです。


うお嘉


こちらにお伺いする事になったのは、現在常務で五代目の小松嘉展さんが虎竹の里に遊びにいらした事がそもそものはじまりながです。勉強熱心な小松さんは、虎竹の事を見学にお越しになられちょりましたが、その時のお土産でいただいた筍の佃煮。これが、こじゃんと(とても)美味しくて、これは筍の季節になった絶対に来店させていただくと固く心に誓うちょったがです。


筍田楽


今回、運良く念願が叶うことになったがですが、まっこと、さすがに京都の料理。田舎者の自分は最初から最後まで言葉にならないほど感激してしもうたがです。昔からある煮付け、焼き筍、揚げ物、田楽、木の芽和え、どれもこれも食べた事のないような上品な味わい。


筍生ハム


伝統だけではなく、筍の生ハム巻きなど、新しい料理にも取り組まれ進化し続けられているところが、長い間、多くのお客様に愛されてきた理由のひとつかも知れんちや。


黒竹玄関すのこ


味と格式のあるお店に圧倒された一日やったけんど、なんと明治から建つ趣のある館の縁側に見慣れた黒竹玄関すのこが置かれちょりました。こんな京都の老舗でこうやってご愛用いただいている事が心から嬉しゅうて、美味しい筍と共に大満足の一日となったがです。けんど、竹は食べ物として人を喜ばせることができて、こうやって玄関すのことして役立ち目を楽しませる、心をなごませる、こんな素晴らしい「者」は、ほかにはなかなか有りませんぞね。


竹皮草履で素足が笑う!

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さあさあ、素足の季節が到来ぞね!!!厚い靴下を脱ぎすてたら今年の夏こそ、竹皮草履生活をはじめてみませんろうか!?竹虎の竹皮草履のエイところは色々あってから、すべて国産の竹皮を使うて昔ながらの熟練の職人さんが手作りしゆう事、竹皮に天然の抗菌性、消臭性がある事、フローリング履きとして竹皮の刺激が足裏に最高の心地良さという事、鼻緒の履き物が足の健康に役立つ事、耐久性と、屑が少ない事などなど...。けんど、とにかくご愛用の皆様の沢山のお声が凄いがやき、なんと、なんと1525通ぞね!!!


まっこと(本当に)ひとつ、ひとつ読んでいきよったら目頭が熱うなってくるちや。こんなに一杯喜んでもらえちゅうとはこれぞ、竹職人冥利につきると言うもんちや。これっぱあ愛され、お役に立て続けてこれちゅうフローリング履きを、節電の夏で、汗をかきながら頑張るであろう日本中の皆様にもっと、もっとお伝えせんとイカンぜよ。裸足になったら気持ちがエイだけやなくて、心まで妙に軽くなるがです。足の指が解放される同時に、心までパーッと開かれるようながやきに。そしたら、自然と笑顔になって気が付いたら、いつものおまんになっちょりますぞね。


ああ、虎竹飯かご

虎竹飯籠


竹籠は色々とありますけんど、この虎竹飯かご。これは、是非竹虎のページをご覧いただきたい籠のひとつながです。炊飯ジャーなどがなかった時代には、こんな飯かごは全てのご家庭にあったと思うがです。もちろん家族の人数も多くて、毎日、毎日使う実用品でしたので虎竹で編まれたものは少なくて、マダケなど比較的、全国どこでも手に入りやすい竹で、もっと大きなサイズで作られる事が多かったがです。


小学校の頃、近くの農家の友達の家にいくと、軒先に手付きの竹籠が吊されちょりました。日当たりのよい庭の片隅にはエビラに魚のひらきを干して金網をかぶせちょった。まっこと懐かしいセピア色の光景ですけんど、この虎竹飯かごは原色そのまま、美しい虎模様を輝かせて、この手の中にあるがですちや。まっこと、ああ、虎竹飯かご。


飯かごや、ああ飯かごや、飯かごや。(松尾芭蕉ではないっ!)


嬉しい竹虎見学

竹虎見学


先日は高知大学付属の学校関係の皆様が、わざわざ竹虎の工場見学にお越しになられちょりました。学校の授業の中で木材を使うたコースがあるようで、まあ、木と竹は親戚みたいなものですきに。なかなか関心があられる方が多かったようながです。虎竹をガスバーナーで油抜きする行程では、熱で見る見るうちに虎模様が浮き上がる様子をご覧いただき、その虎竹が袖垣縁台など、竹製品に製造されていく工程などもご説明させていただきます。


竹虎工場


どこでも同じかと思いますけんど、竹屋で使う機械は全てがオリジナルの別注の機械です。元々このような機械がある訳ではありませんので、自社で設計して製造メーカーさんと相談しながら作るがです。この竹割り機械も、ずいぶん前に県外の工作機械メーカーさんで何度かやり取りして作ってもらったもの。今回の見学だけではないですが、日本唯一の虎竹の事、工場の竹割機械の事などだけでなく、虎竹の里の地域の事、後継者など含めた将来の事などもご質問などもいだたくことによって、反対に自分たちが気づくことや学びがあります。だから、こういう見学は、まっこと(本当に)嬉しいがです。


竹酢液お試し用が新登場

竹酢液お試し用


竹酢液(ちくさくえき)は、ご存じのように竹炭窯から、もうもうと立ち上る煙の中の有効成分を冷却して、取り出し長期間安置したものながですが、一番多い利用方法としてはやはり入浴剤としてご愛用の方が多いのです。竹酢液特有の燻したような何とも言えない香りが、お風呂の湯気と共にたちのぼりバスルームに充満しますので、お好きな方は、まっこと幸せな気分になる事ができますし、どうしても好きになれないという方もおりれるがです。


まあ、好き嫌いがハッキリ分かれる入浴剤ですちや。そこで、竹虎では1回分の小さな竹酢液ミニボトルをご用意しちょりましたが、やっぱり1回ではどうも分かりにくい...。そんなお声を度々頂くようになりましたので、もう少し大きい竹酢液150ミリリットル入りのお試しサイズを新しく登場させましたぞね。だいたい入浴回数にして約4回分ほどありますので、何回がお試しいただき、その効果や好き嫌いなど確かめていただけると思うちゅうがです。自分の場合やったらこれからの暑い季節にはシャワーですます事も多いですきに、お風呂用としては竹酢液の活躍は少なくなりますものの、竹林での蚊除けには、こじゃんと(とても)頼りにしちゅうがぜよ。


割竹の積み込み

割竹


皆さんは壁竹をご存じですろうか?今のハウスメーカーさんの住宅ばっかり見よったら分かりませんが、昔の日本の家は土壁が使われちょりました。自分の小さい頃には家を建てると言うと、大工さんが柱を削って立てたり赤土を練ったりするのが普通の光景やったですが、この土を練る作業が土壁づくりの仕事の一つながです。


そして、その土壁の骨組みと言うか芯にするのに、割った竹を格子に組んで使っていましたので、割竹は、こじゃんと需要のある竹材やったです。虎竹と言うても全ての竹に虎模様がある訳ではなく、模様の出ていない竹も結構多いのです。そういう竹は虎竹といいながらも選別作業の段階ではじかれて、残念ながら細工に使うことが出来ず、こういった建材用として製造にまわされよりました。


毎日、毎日、3メートル程度の長さの竹を専用の竹割機械で縦割りにして束にくくる作業。思い出したら竹虎の工場には、いっつも、この竹割機械の元気な大きな音が響きよりました。そして、小山のようになった割竹の束を職人さん総出で汗をかきかき10トントラックに積み込んで出荷しよりました。毎週、毎週運ばれていきよりましたので、当時は、まだまだ土壁の家が建ちよったがやにゃあ。そんな事を今、思うがです。


先日は久しぶりにこの割竹用の竹を小さなトラックに積み込みました。そんなに沢山の竹材ではないのに、遠く県外からわざわざ高速道路を走らせて来られるのは、お客様の近くではもう割竹などが手に入らないから。積み込む作業をながめながら時代は移り変わるにゃあと、しみじみするがです。

足立美術館

竹の通路


足立美術館をご存じですろうか?美術館と聞くと絵画やオブジェなどをまず思い浮かべますけんど、ここの美術館はびっくと(少し)違うがです。ええ、もちろん横山大観などという自分でも名前を聞いたことのある、巨匠とよばれる蒼々たる方々の素晴らしい作品が数多く収蔵されちょりまして目が回るばあです。


けんど、とにかく自分が行ってビックリ仰天して驚いたのは、神々しささえ感じるような日本庭園!!!これは凄いですぞね。やはり、日本に暮らすみなさんには、是非ご覧いただきたいと思うがです。日本庭園など今ひとつピンと来ない...。そうお思いの方こそ、これぞ日本庭園という足立美術館の庭園をゆっくり眺めていただきたいと思うちょります。なんと、アメリカの「ジャーナル・オブ・ジャパニーズ・ガーデニング」という専門誌で5年連続第1位という世界ナンバーワンの日本庭園ぞね。


そう言えば、もうすぐゴールデンウィークでもありますきに予定のないかたは是非!ああ、場所は少し遠いですが島根県安来市ちや。あのドジョウすくいで有名な安来節はココが発祥のようです。近くに安来節を鑑賞(?)できる大きな施設もあったにゃあ。


さて、そんな足立美術館でワシの一番の見所というと、途中の屋根付き通路にある柱ぜよ。中に芯が入っちゅうのではないかと思いますが、太い孟宗竹が使われちゅうがやきに、両側を竹に見守られながら歩いていける。この勝手に命名「竹の通路」が一番のイチオシじゃあ。


レベンソンさん来社の一日

竹の選別


レベンソンさんの真剣な眼差しを見よったらなにやら祖父を思い出したぞね。向こうの工場の入り口から、愛犬やったシェパード「アトマ」が尾をふりながら走ってきそうぜよ。一心不乱に竹を選る姿がびっくと(少し)雰囲気が似た瞬間があったきやろうか?それとも、いつまで経ってもやっぱり心配ばっかりかけゆう弱いワシを、近くで見守ってくれゆうがやろうか。


竹虎四代目


今、日本で竹とこんなに向き合うちゅう人はどれだけ居るろう。都会とか田舎とか関係なく、竹は日本人には身近すぎて現代人からは少し遠い存在になっちゅうがではないろうか?遠い海外から見た時のほうが、竹が良く理解できるとは少し皮肉のような気もしますけんど、そしたら自分のできる事は何やろう?レベンソンさんの来社される一日は、これからの自分たちの進む方向を思う一日でもあったがです。


「竹の明日は自分たちが作っていく」


こんな小さな何ちゃあ出来ない竹屋が笑われそうなけんどワシは真剣ながです。



今年も、尺八作家レベンソン(Monty H. Levenson)さん

レベンソンさんご家族(Monty H. Levenson)


今年もレベンソンさんがご家族と共にお越しくださいました。レベンソンさんはカリフォルニアで尺八作家として活躍されよります。材料は竹虎の竹を使うていただきよりますので、こうやって年に一回程度わざわざ来社されるがです。日本人の奥様のご家族と一緒に仲良く来られますが、ご家族みなさん色々な創作や新しい事への取り組みをされ続けよりますので、まっこと若い、元気ながです。


竹虎工場


手先を使う物作りをされゆう事もひとつ。それと皆さん、よく笑う。笑顔が素晴らしいところも元気と活力の源かも知れませんちや。自分たちの工場の竹がレベンソンさんの手で尺八(shakuhachi・Bamboo Flute)となり、アメリカ、ヨーロッパはじめ、オーストラリアやインド、最近では中国などでも人気と言いますので、何やら聞きゆうだけでワクワクしてくるがです。


尺八作家レベンソンさん(Monty H. Levenson)


さて、レベンソンさん、


「火星探査で誰か住んでいる事がわかったら火星からも注文あるよ」


とアメリカンジョークを飛ばしていますが、いったん竹を触りだすと表情は一変。プロの竹職人の顔になるがぜよ。いや、格好がエイがちがう。


竹の百面相

竹


竹は丸竹のまま使ったり、細く竹ヒゴにしたものを竹編みにして形にしたり、まっこと(本当に)考えたら色々な形に姿を自由に変える変幻自在の百面相ぜよ。丸い事、中が空洞な事、節がある事、竹根や竹枝がある事...面白い特徴もいっぱいありますきに、縦にわって並べてみたら竹の繊維の模様、節のでっぱりなど独特の雰囲気をもった一枚の壁ができあがりますちや。


竹は1本として真っ直ぐな竹など無いがです。全て曲がりがあり、おまけに楕円形などあって、綺麗な丸型でも無い。竹の種類により色はとりどりですし、おなじ種の竹でも、別の種類やろうか?と思うほど違う事もある。けんど、どの竹が一番という事でもないですろう。それぞれの個性があって、それぞれが輝くというのは竹も人も同じかも知れんと思うがです。


黒竹箒は踊る

黒竹箒


自分が働き始めた頃には、まだまだ国産の竹箒というのが沢山製造されよりました。3人がチームとなって作業をするがです。一人が馬と呼びゆう台にのせた竹を本数を数え、あとの2人が両端をヒモで縛ってくいのですが、ちょっとしたコツがあってから、縛る前に束の中心の数本を竹の元方向にずらしておきます。こうした後に縛って、中心の竹数本を木槌で打ち込んだら竹は元の方が太くなっちょりますので、こじゃんと(とても)ヒモが絞まるのです。


当時を思うたら、こうやって束にした箒の柄を10トントラックに満載して運んでいきよりました。あれだけの数の箒が製造されていたと思うたら、まっこと凄いことやにゃあと今でも考えます。輸入の竹箒におされて今では、ほとんど作られることのなくなった国産の竹箒。


けんど、この箒作りの火を少しでも長く灯し続けたい。そう思うて作った黒竹箒。地元産の黒竹を竹柄に使い、四万十カズラで縛っちゅう特別仕様の箒ぞね。昔とは比べようもないくらい少ない数ではありますけんど、そして、たかが竹箒と思われるかも知れませんけんど、時代の流れをずっと肌で感じてきた自分にとったら、まっこと出来上がった新品の竹箒は毎回、毎回、感慨深いものがあるがです。思わず持って踊り出すのは、ごくごく自然なこと、当然のことやきに。


快足戦士!竹皮草履ジャー

草履


全国に武将隊などが次々に誕生して、高知にも「おもてなし勤王党」なるご当地アイドルが出来ちょります。坂本龍馬はじめ武市半平太、中岡慎太郎などそうそうたる幕末の有名人たちのユニットです。そもそも地方に、こういうローカルアイドルができたのは沖縄の琉神(りゅうじん)マブヤー、秋田の超人ネイガー等ご当地ヒーローが先駆けのような気がしよりますが、なんと、なんとこの虎竹の里にもついに登場しましたぞね。


その名も、ご当地ヒーロー「快足戦士!竹皮草履ジャー」だいたいヒーロー言うもんは、誰か困っちゅう人がいると遠くから駆けつけて来て助けるというパターンながですが。「ええっ?そしたら竹皮草履ジャーは誰を助けてくれるの?」おっと、よくぞ聞いてくれました!


竹皮草履(ぞうり)は何というてもその足のサラサラ感が素晴らしいのです。そこで、この夏、節電でムシムシするご家庭でオフィスで、高温多湿の日本中で暑さに苦しむ皆様をお救いするがです!!!そして、竹皮草履の天然の抗菌キック、消臭パンチは足クサ(?)、水虫に苦しむ皆様にために。鼻緒ビームの効能は外反母趾の恐怖にふるえる、かよわき女性のために。おおっ!!!こうやって想像しよったら竹皮草履ジャーに後光が差して見えてきまたぞね(^^)想像というより、妄想かにゃあ。


竹炭カートリッジ

竹炭カートリッジ


竹炭のパワーを活用した空気清浄機があるがです。その名も「竹風」そうそう、竹林の中を吹き抜けてくるあの清々しく心地よい風を皆様のお部屋にお届けできんろうか?そう思って、こんなネーミングにしちょります。


本体は竹の集成材を使うちょりますので、独特の竹繊維の模様が面白いがです。竹は結構重量があり質感も独特のものなので、ご愛用いただくお客様には喜んでいただけちゅうと思うがです。けんど、何というても大切な機能的な所は、ボディの中。しっかりした段ボールで作られたカートリッジの中に、高温で焼かれた土窯づくりの最高級竹炭粒を約2.5キロ入れちょります。


シックハウスの原因と言われよります。ホルムアルデヒドはじめお部屋の空気中のニオイや微粉塵などの除去に役立ちますので、竹炭カートリッジは半年の一回程度交換しながら、ずっとご愛用いただきたい空気清浄機「竹風」ながです。


サムライのマイ箸

渡辺竹清作マイ煤竹箸


竹のマイ箸(携帯箸)は、竹虎にも色々とありますけんど、この携帯箸はちょっと別格中の別格!見た目の迫力が違いますろう?それもそのはず、まず素材は煤竹と言うてご存じの方もおられるかも知れませんが、昔の囲炉裏のある民家の天井裏で100年、150年という長い間、煙に燻され、自然にこのような深みのある飴色に変色した貴重な竹。箸筒の胴体に、虎模様のように濃淡があるのがお分かりですろうか?なんと、あの色の薄い所は、ちょうどヒモが巻かれていた部分。煙の当たりが少ないので色が薄く残っちゅうのです。いやいや、こんな風合いの煤竹を贅沢に使うたマイ箸。モチーフは何かと言うと「サムライの刀」お箸を刀に見立てて創作されちゅうがです。


けんど、凄いのはこれから。しびれるのは、これからですぞね。製作された方が凄い!煤竹を使うた作品作りを通して「100年経った竹に新たな100年の命を吹き込む」そんな思いで仕事を続けて来られた渡辺竹清先生。自分の祖父の代からのお付き合いのある竹作家の方ながです。渡辺先生の創作される煤竹波網代バックをご覧くださいちや。まっこと(本当に)言葉が無くなりますぞね。


ニューヨークの超有名宝石店T社にも、その腕前は認められ作品作りをされていた時期もあるというまさに竹の道では日本の頂点を極められたお一人やと思うちょります。「まあ、一つもって帰り」自分のような田舎の竹屋にこうやって気軽にお声をかけていただき、こんな貴重な素晴らしい作品をお譲りいただけるがも、祖父、そして父と代々お世話になってきたお陰でですろう。まっこと(本当に)感謝、感謝ながです。


箸筒から煤竹箸を出してみる。おっと、これも特別仕様ぜよ...。肉厚で持ちごたえもバツグンの男箸!!!いくら見ても見飽きることのない煤竹の光沢。たまらんような質感。少し金属音にも近いような軽やかな箸音。まっこと、こんな竹箸があるがやにゃあ......。ツバは箸置きに早変わり。こりゃあ、外での食事が10倍楽しゅうになるがぜよ。



極上の竹スプーン

竹スプーン


長い間、カレーライスを竹のスプーンで食べてみたかったがです。いえいえ、もちろん普通の竹スプーンやったら色々あるがです。けんど、心から「こりゃあ、エイちや」持ってしみじみ感じながら、顔をニコニコさせながら食べたかったがです。そんな極上の竹スプーンが、もうすぐできあがりますぞね。表皮を薄く薄く削った竹を均等な幅に割って、その上にスプーンの形を手書きしちょります。


今度、発売を予定している、こじゃんと(とても)楽しみな竹カトラリーは、1本、1本こうやって丁寧に製造されゆうがです。なるほど、2ヶ月や3ヶ月かかるはずやにゃあ。黙々と作業する職人さんとズラリとならんだ竹素材をながめながら思うがです。


竹カトラリー職人


最終的な形を整えるのも職人の手業。竹スプーンや竹フォークの微妙なラインを、手の感触だけを頼りに仕上げていきよります。真剣な眼差しと、軽やかなタッチとこうやって手をかけて、愛情をかけて生み出される竹カトラリー。考えてみたら幸せ者たちやにゃあ。そして、使う人はもっとハッピーになるような気がしちょります。


白×黒=饂飩×竹炭

竹炭天かす


竹炭パウダー(微粉末)なるモノを知っちょりますろうか?竹炭は細かいパウダー状にして、こじゃんと(とても)沢山の食品に使われよります。最近、特にデドックス効果などと言うことで人気があるがです。竹虎にも竹炭豆や竹炭寒天、竹炭飴、竹炭かりんとう、竹炭せんべい等、竹炭入りのお菓子があって、お陰様で沢山のお客様にご愛顧いただきよります。ところが、これはちょっと知りませんでした。愛知県の饂飩屋さんが、はるばる来店されていて見せて頂いたのですが、何と!?竹炭天かす?


ビニール袋にいれられた真っ黒い天かすを手にとってみます。ううん、色は確かに黒いけんど、確かに、確かに天かすぜよ。ひとつまみ口にいれてみたら、おおおっ!?エビの風味がビンビンに効いて、これは旨いちや!そう言うたら愛知県は確かエビが特産やなかったろうか!?何か関係あるろうか?まあ、それはさておき白い饂飩の麺のうえに黒い竹炭天かす。白×黒の色合いのコントラスとも想像するだけで見事やし、ああ、竹炭天かす入り饂飩。あの日から、ずっと食べてみたいがぞね。


竹は、いぶし銀の名脇役

竹編みの陶器


竹虎にあります白竹広口瓶をご存じでしょうか?保存用の瓶なのですが、台所が少しでも明るくなればと思って瓶の底から側面にかけては白竹の編み込みをかぶせちょります。何の変哲のない普通のガラス瓶なんですが、竹編みをしつらえる事でこりゃあ、たまるか!?ビックリしたぜよ!こじゃんと(とても)暖かみがあって、グッとお洒落に、使うのが楽しくなってきそうな「マイガラス瓶」とでも言いたくなるほど大変身するがです。


名脇役の竹


先日、思いがけないところで出していただいた陶器の器にも、おなじような竹編みの工夫がされちょりました。温かい飲み物を入れた場合にも直接手が熱くなることもないですし、やはり、竹と合わせる事で、普通の器が何ともいえない趣のある食器になってもともと素晴らしい料理が、さらにワンランクもツーランクも美味しく感じてしまうがです。竹は主役としたら、こんな頼りになるモノはおりませんけんど、脇役としても、いぶし銀のように主役を引き立てて輝かせるきに、まっこと(本当に)知れば知るほどに素晴らしいちや。


春の嵐

虎竹林


どうしてやろうか?ワシは何かあったら、いっつもここに来よった。全寮制の中学、高校やったきに、その頃は来ることは出来なかったけれど、そう、高校卒業した後の進路について考えたとき、なぜか知らんけんど自然に足が向いたがです。それから、何度ここに来たろうか?ここに座って竹林の中を通り抜けてくる風に吹かれたろうか?


今日は、春の嵐ぜよ。ゴーーーーーーーーーーー!!!!!地鳴りのような音とともに山の上から吹きおろす。激しく吹き荒れる風。ザザザザザザザーーーーー!!!!!普段あまり聞かないような葉音をたてて、虎竹は右に左に大きく大きく揺さぶられよります。けんど、どんな強い風が吹いたとしても、竹は決して折れる事はないがです。


逆らうことなく、しなやかに、強靱に風をいなしゆう。腰を曲げ、じっと耐えしのびゆう。ザザザザザザザーーーーー!!!!!風にあおられ勢いよく擦れあう竹の葉音も、よく聞いたら皆んなあで笑いあいゆうようにも思えてくる。春の嵐さえ楽しむ、そんな大きさまて感じさせてくれる。嵐が通りすぎたら見てみいや。日本唯一の虎竹の竹林には、春のあたたかい日差しの木漏れ日であふれちゅうがぜよ。



今年も竹皮草履でクールビズ

竹皮草履


竹皮草履を見て、飾りか何かと間違えられちょった方がおりました。確かあれは、十数年前の東京のデパートさんでやったろうか?当時は、伝統展や職人展といった全国のデパートさんに売り出しにも行かせてもらいよりましたので、いろいろ面白い事もいっぱいあったちや。あの当時の都会のお客様との会話が今でも役立っちゅう事もあります。


ご存じない方が竹皮草履をはじめてご覧になられたら、それが自分たちが世界一のフローリング履きと自信を持つ上履きだとしても、もしかしたら居酒屋に飾るディスプレイと思われるかも知れん。自分の父や祖父の時代には、普通に子供達が小学校などで愛用していた履き物とは誰もご存じないかも知れない。だから、この竹皮草履の病みつきになる心地のよい足ざわり、サラリと涼しい感触、自然の竹皮のもつ抗菌性、消臭性など、なんども、なんどもお伝えしたいと思うちゅうがです。


暑い夏がやってきますけんど、今年も節電が大きな課題となるがではないですろうか?それなら、オフィスでも、ご家庭でも足元から竹皮草履でクールビズをされませんか!?オフィスでは無理......?いえいえ、さすがに営業には履いていけませんが、革靴で外回りをして来た後はデスクで竹皮草履に履きかえたらエイのではないですか?ズボンの裾も少しまくったら、そりゃあ、もうエアコンの設定温度そのままで、スッーーーーーーーーーーーとクールダウンちや!!!


竹の踊り太鼓がやって来た

竹の踊り太鼓


まるで大きな太鼓の音まで聞こえてきそうなちや。かがり火が赤々と燃えてドンドンドン...!!!皆で気合いを入れて息をあわせて、身体全身を力いっぱい使うてバチをふるう躍動感がダイレクトに響いてくる。妙に血が騒ぎだすような、そんな竹人形ぜよ。


竹のトンボ


そして、こちらは美しい静かな川の流れと緑の葉っぱの小さな揺らぎまで見えてくるような、羽をやすめる二匹のトンボ。竹のトンボと言うても、虎竹トンボとは違いますぞね。本物をじっくり観察して精巧に作りあげた竹細工。同じ竹を使うてはいますが踊り太鼓とは対照的に「動」と「静」をこじゃんと上手く表現しちょります。竹は根があり幹の部分があり、枝、葉があり、細工のしやすさから作り手の思いどうりに様々な表情に変化してくれる凄い素材やにゃあ。まっこと改めてふたつを見比べて、しみじみそう思うがです。


競い合い、磨きあった竹の技

竹職人


竹だけと真っ直ぐに向き合ってきた職人さん。竹籠が日本人の生活の一部として普通に使われていた時代。作っても、作っても籠が足りなくて早朝から深夜まで、ずっと竹編みを続けていた。そういう今から思うと、考えられない時代があったがです。


竹の工房


だから、竹籠作りは早さとの戦い、竹編みを仲間の職人と競い合い、技を磨き合うて数十年、竹が人々の暮らしから遠のいてしもうた今でも長年培ってきた熟練の手業は、ひとつも衰える事がないがです。いったん竹ひごを手に取ると、職人さんの表情がスッと変わります。仕事人の顔になった竹職人さんは凄いぜよ。その迫力、スピード、流れるような手さばきに感動と驚きと尊敬と、そして、こんな竹と真剣にかかわる大先輩とこの工房に一緒にいられると言う今という時間の喜びをかみしめます。いやいや、まっこと(本当に)職人さんの数だけ、それぞれの「竹」がある。いつまでたっても知らないことばかりちや。どこまでいつても終わりのない世界やにゃあ。