竹かごの縁巻き若竹

若竹


竹は成長が早いものですので、たったの3ヶ月で親竹と同じ大きさになってしまうがです。けんど、大きさは同じになっても、身の硬さ、色目などやはり少しづつ成熟されるものもあってから、3年から4年くらいの竹でないと竹細工には使えないのです。日本唯一の虎竹なども1年、2年の若い時には虎模様の色付きが良くなくて、3年目あたりから渋い色合いが出て伐採に適してくるがです。


そんな竹ですが例外的に1年生の若い竹を伐る事があります。その年に生えた竹を地方によって違いますが、秋から冬くらいに伐採して特別に置いちょきます。若竹など一体何に使うのだろう?竹の世界を知らない頃には不思議に思いよりましたが、竹ざる竹かご等の口の部分をグルグル竹で巻いちゅうのを、ご覧になった事はありますろう。「縁巻き」と呼びよりますが、この縁巻きには柔らかく、しなやかな若い竹が適しているという事ながです。


この若竹も、丸竹のまま置いておくと半年くらいで使えなくなるそうながです。そこで、どうするかと言うと、こうやって半割にして風通しのよい場所に保管しちょきます。どうやら湿気の関係ですろうか。若竹を一年通して使える工夫も長い間の竹職人の知恵の一つぞね。


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