白竹は、真竹を湯抜きと言うて竹の油分を取り去り、表皮を拭きあげて天日で晒すことにより、竹の美しさと強さを引き出した竹細工には広く使われる素材です。天気の良い日に太陽に晒すので「晒し竹」(さらしだけ)とも呼ばれよります。
小さい頃、祖父に連れられていった自動車旅行で、広い田んぼ一面に、この白竹が並べられ、天日干しされていた風景を覚えていたがですが、それが京都の取引先の竹屋さんだったと後で知ってビックリぜよ。どうしてち?今、訪ねてみたらそんな田畑は全くなくなって、マンションやら駐車場やらになってしもうちゅうがです。昔はあちらこちらで見られていた冬の風物詩のような光景も、時代の流れとともに変わってしもうたと言う事かにゃあ。
さて、そんな白竹ですがこだわって作ろうとしたらその製造は考えるより、まっこと(本当に)大変な事ばっかり。急な山からの切り出し、運搬、晒しの加工まで竹の美しい表皮を損なわないように注意して作業するため、こじゃんと手間と時間がかかるがです。この山の職人さんの技術こそ、これから継続していく事が一番難しゅうて竹細工の世界では非常に大切な部分ではないかと思うがです。
そして、けんどまだ凄いのは、こうやって製竹された白竹をキズや色別に何種類にも選り分けゆう職人魂ですちや。自然の竹なので色が多少違うとか、小さなキズなど当たり前に付いちょります。けんど、それを妥協せず一つの竹籠を編んでゆく。モノ作りの、こだわりと言うかプライドというか...こんな職人さんが、まだまだ健在やきにやっぱり竹の世界は面白いがぜよ。