ゴーゴーゴーと音をたてゆう。竹の甘い香りが漂いゆう。虎竹の油抜き加工をしゆう工場は、ワシを子供の頃に戻してくれるきに大好きながです。積み上げられた虎竹に手の平を当ててみる。おお、まだ温い、温い。独特の虎模様は、細かい柄、大きい柄、色の濃いもの、薄いもの。いっぱい模様のあるもの、少ないもの。まっこと自然の創り出すものやきに千差万別ぜよ。
この虎竹も日本唯一の虎竹の古里、ここの焼坂の山のてっぺん。この峠が境になっちゅうがちや。ここから先は竹が無いきにゃあ。
「どうして?」
ほとんどの人が、そう聞くがですけんど、おまん大学の先生が調べにきて分からんかったもんがワシに分かると思うちゅうかよ?
「本当や、その通りだね」
いやいや、そんなに簡単に納得せんとってちや。土質の特殊な細菌のせいとも言われるし、海風の関係とも言われちょりますが、ハッキリした事は何ちゃあ分かっちゃあせんがです。まあ、不思議でロマンいっぱいの虎竹言うことぜよ。
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