月見台

竹の月見台


お寺とか、古い建物に入ると景色のよい庭を一望できるような箇所に月見台と呼ばれる外に張り出したようなスペースがあるがです。昔流行った何とかいうディスコのお立ち台やないぞね。月見台やき、間違ごうたらイカンぜよ。(誰も間違えんきに)


日本の建築物の素晴らしいところは、こういう自然との融和を考えちゅうところではないろうか?秋の月の美しい頃にあんな月見台に寝ころんで......と憧れますけんど、虫の音でも聞こえよったらまっこと(本当に)風流なもんやにゃあ。


ここの古い平屋に入ったら廊下にびっくとだけ張り出した、こんな月見台かも知れませんし、そうでないかも知れない、一見、何のためのものか無駄なような気がしないでもない、そんなスペースがあったがです。けんど、これが竹でしつらえちゅう。なかなか年期が入って渋い感じで悪くないがぜよ。座布団を置いたら丁度くらいの奥行きで、狭いというたちここに腰をおろして、ゆったりと時間を過ごし自然と親しむいうのは同じですろう。


無駄な気がする、と言いましたけんど実は全然無駄でも何でもないちや。ここの竹の並びがどれっぱあ、ここに暮らした人たちを和ませてきたろう。今日の紅葉が一段と素晴らしく感じるがはここのお陰やと思うがです。


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