竹屋の血が騒ぐ竹籠

農家さんの籠


若い方にも竹の良さや、竹の事をもっと知ってもらいたいと思うちゅうがです。なんせ、日本のお米は世界一美味しいと言われちょります。お米と竹が何の関係がと思うかも知れませんが竹はイネ科ぞね!竹の花は60年に一回しか咲かんと言われちゅうけんど、その花はまるで稲穂ぜよ。そっくりながやき。なので世界一美味しいお米の実る四季の美しいこの国は世界に胸を張れる竹の国やとワシは思うちょります。


ほんで、びっくと(少し)話をさせてもらいますけんど竹は、もともと農家さんなどでも実用品として広く使われちょりました。戦後、プラスチックや安価な海外製品におされて段々と職人さんが少なくなり、かっての日本の台所いうたら竹笊やら竹籠など竹細工がいっぱいやったのに、今のご家庭で台所用の竹製品が一体どれくらいありますろうか?ワシくの母親の家らあは、食卓にも流しの上にも食器棚にも竹がいっぱいですけんど普通のご家庭では竹製品らあはほとんど見当たらないのでは?と思います。


日本人と竹とのつきあいは古くワシの祖父の代あたりまでやったらどんな小さい村に行っても竹細工をやっている職人さんは一人くらいはおって農家さんや、漁師さんの使う道具を製作したり直したりしよったそうです。


最近、農家さんから竹籠が持ち込まれる事が多くなってきました。古くなった竹籠を、新しくしたいという相談ながです。近くの職人さんが編めなくなったというのが一番の理由やそうですけんど、何ちゃあ、今の時代、プラスチックじゃあちありますろう?


「けんど、やっぱり竹がエイですきに」


そう言うてくれる農家の方には、出来るかどうか分からん籠でもとにかく全力で取り組ませてもらうがです。そりゃあ、嬉しいですきに。手間がかかって儲けという事で考えたら全くソロバン勘定の合わない事ばっかりですけんどこんな事を言うて頂いて大事に可愛がられて年をとってヨボヨボになってきた竹を見せてもろうたら竹屋の血が騒ぐですろう。


コメント(2)

浅野みずき 返信

竹の繊維の真っ直ぐしたところが、私はとても好きです。最初に四角い竹ざるに出会い、その転がっていかないシャンとした感じに惚れて以来、キッチン関係の品をほんの少しずつ竹虎製品に変えています。こないだ買った白竹のかごも、経年とともに色合いが変わってくるのが楽しみです。自分が死ぬまで一緒に長生きしたいなと思います。

竹虎四代目 返信

浅野みずき様

竹製品の良さに気づいていただいて
キッチンで少しづつ竹ざる等を増やしていただきゆうち
まっこと(本当に)嬉しいコメントをありがとうございます。

大事に使うたら竹細工は長く長く使えます
自分の家にも祖父との思い出の竹製品がいっぱいながです
これからも何卒よろしくお願いいたします。

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