「出しとうせや~」
竹籠の中にワシが入っちゅうのが分かりますろうか?こんな竹編みの籠で悪人が運ばれて行くシーンを時代劇などでご覧になった事があるかと思います。当時このような籠は唐丸籠(とうまるかご)と呼ばれよったそうですけんど、ワシが入っちゃある竹籠は唐丸籠とは違いますぞね。実はお客様からご注文をいただいた特別サイズの竹籠ちや。直径70センチ、深さ50センチもある体格のエイ大人がゆっくり入れる程の大きさながです。
大きな竹籠と言うて思い出すのはワシの小さい頃、近くの須崎港にも沢山あって、よく隠れんぼして遊んだ鰯かごがありますけんど最近では大きな竹籠いうのは、漁業用としても農業用としても、あまり必要とされちょりませんし、太く厚みもある竹ヒゴを使うて、かなりの体力も必要とされるため年々高齢化して少なくなる竹細工職人には大きな籠をつくる技術がほとんど残っちゃあしません。
この竹籠は背負い籠を、びっくと大きくしただけやきに竹ヒゴ取りなど大変ではあるもののそこまで難しい仕事ではないがですが、ますます少なくなる竹職人。日本から、のうなる(無くなる)伝統の技を改めて考える機会になったがです。えっ?そうそう、そうですちや。この竹編み籠の中に正座して考えたぞね。日頃の反省もかねて...。(笑)
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