100年続く感銘

渡辺竹清作竹皿


たまにガラスケースから出して眺めてみる竹皿があるがです。祖父の代からずっと懇意にさせてもろうちょってワシも近くに行ったら必ず工房にお邪魔させてもらう竹工芸家、渡辺竹清先生の作品ながです。


いっつも言いゆう事ですけんど渡辺先生は何とあのニューヨークにある超有名宝石店T社に竹のパーティーバックを提供しよった事で有名な巨匠ぜよ。この竹皿やち、じっくりご覧いただいたら分かりますけんど細かい竹の編み目が、まるで波模様になっちょりますろう?さざ波のようにも見えて何とも繊細で美しく見れば見るほど魅了され引き込まれそうになる、そう、こじゃんと(とても)幻想的でさえあるがです。


前にお話をうかがった事がありますが渡辺先生は作品を創る前に、この網代編みの模様が頭の中にハッキリとイメージされちゅうそうです。だから、紙に書いたりする事もなく編み込んでいって完成したら自分の考えた通りの模様が表れると言います。まっこと(本当に)こんな複雑な模様やに凄いの一言ちや。


先生が好んで使われる竹は煤竹というて昔の囲炉裏の煙で燻された100年も150年も前の竹。茶華道でも珍重される素材で、これから年々少なくなってきますきに竹自体にも価値がありがぞね。竹に縛った縄目の跡が濃淡として現れ表情となっちゅう、この高級感あふれる渋い風合いは煤竹ならではのモノぜよ。


日本の風土と時間が生み出した最高級の竹素材と渡辺竹清先生の世界が認める匠の技との共演、そしてそこから生み出される一つ一つの作品達は、煤竹が屋根裏で100年、150年と人々の生活を支えて見守ってきたと同じように、これから先、ずっとずっと受け継がれていき多くの人に感銘を与えていくがです。


コメント(3)

黒澤 操 返信

実際には高竹の小さな林があったのを思い出します。
ひんやりとした竹の感触懐かしいです。今はもうありませんですけど。
洋風の部屋でも竹製品があるとホットしますね。

黒澤 操 返信

実家の裏に小さな妄想竹の林がありました。
毎年春になると朝から晩までたけのこづくし・・・
嫌になるほど食べさせられて、でも今思えばなつかしい。
その妄想竹で作ったものは物干し竿だった。
こんなすてきな竹製品が我が家にもあるといいな!

竹虎四代目 返信

黒澤操様

竹は昔から日本にあって暮らしの中にとけ込んできましたきに
ちょっとした竹が家の中にあるだけで
こじゃんと安心感もあり癒しを感じるがです。

筍づくしの季節があったとは
本当にすばらしいご体験やと思います
竹は衣食住すべてにおいて人に寄り添うちゅうことを
改めて感じました、ありがとうございます。

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