玉入れ籠の職人

玉入れ籠


「まあ、運動会で子供らあの元気な姿を見たいばいの事よ...。」


玉入れかごを編む手を休める事なく職人さんが言います。ラジオを聴きながらこちらを見て話もしながら、それでも手は、別の誰かが動かしゆうかと思うばあサッサカ、サッサカと動きよります。最近は竹製以外のものも色々とあるようですけんど、そりゃあやっぱり玉入れ競技は本物の竹篭ぞね。どんどん移り変わっていく事はエイ事かも分からんけんどいつまでも変わらん事も大切やないですろうか?


「いやいや、若い時みたいにはイカンけんど」


運ばれてきた1本の竹が大きく割られ、小さく割られ竹ヒゴとなり、竹籠となる。当たり前のようにずっと続けてきた伝統の技が、これからもずっと見ることができたらエイにゃあ。竹に新しい命が吹き込まれる作業場でひたむきに竹と向き合う職人さんを見ながら思うがです。


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