時間という「職人」

竹籠


この竹かごは一目でエイと思うたちや。まあ、近くに行って、持って、触って、なでて、けんど遠くから一目見た時から気に入っちょりました。人も最初の何秒かで、ほとんどの印象が決まるそうやけんど竹かごも同じやにゃあ。


何に使うち?何でもエイがちや。洗濯かごにもエイし、野菜かごでも、マガジンラックでも、けんどいずれにしてもこのサイズやったら超の付く大家族か、運動部の合宿所でもいけるろうかにゃあ...?この竹かごは磨きと言うて竹の表皮を薄く削いだ竹ヒゴを使うちょります。これが、又エイがぜよ。


磨き竹かご


磨きの竹細工は使いゆうごとに、まるで成長しゆうみたいぞね。竹の色合いが徐々に濃ゆく赤らんでくるがやき、この竹かごやちもう何年前に作られたものかも分かりませんけんど最初の青々とした竹ひごの時と比べモノにならんような存在感、古くなっちゅうにかえって価値があるちや。ワインか、骨董品みたいやにゃあ。けんど、ホンマやきに


古い竹籠


さらに、一体いつの籠が分かりませんけんど古いお家で使われよった言う竹かご。実はワシが大事に持っちゅう竹細工の一つぜよ。昔々のものみたいですが、まだまだ使える程しっかりしちょります。この縁巻きなどご覧ください、赤茶になって輝きよりますろう?何か塗料でも塗って磨いちゅうワケではありませんぞね!時間という「職人」が自然がこんなツヤを出しちゅうがですきに、触ったらツルツルしちょります。


一体どんな家で使われよったろうか?どんな方が使われよったろうか?ツヤツヤと飴色の輝きを放ちだすモノを言わん竹籠、けんどオマンを見たら分かるぜよ。大切に、大切に使われてきたがやろう、嬉しかったろう、楽しかったろう。


幸せもんが、ここにおるがぜよ。


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