キューブ型の竹編み

竹キューブ


おっと、こりゃあ何ぜよ。そこの棚の奥のほうにチラリと見えちょった、この美人は。「びっと(少し)この棚から出してみるぞね?」薄暗い倉庫から明るい所に出してきてホコリをほらうと、こりゃあ、やっぱりベッピンさんじゃあ!


竹の表皮を薄くへいでキューブ型にしちゃある小物入れにもエイし、もしかしたら料理の演出も出来るし照明としても使えますろう。縦横の枠の部分も全部竹で作っちょりますき結構身の厚い竹も必要そうちや。けんど、軽いし、涼しげでもあるし、そう言うたら前に同じカタチのサイコロ型で人が入れる程の大きな竹編みの造形を見たことがあるがです。何かのイベントやったろうか?出入り口も付いていて、確か茶室として使われよりました。


竹は、まっこと(本当に)不思議やと思うがです。向こうまで透けて見えているのに薄い竹編み一枚で隔てるだけであちらの空間、こちらの空間としっかり意識の間仕切りをしてくれるきにゃあ。そんな事考えながらワシの机の上まで持ってきてあれこれ眺めよります。ううーーーん、とりあえず手元に置いちょくだけで心地エイ感じぜよ。

間伐材入荷

間伐材


「ええっ!?四代目、これも竹ですか!?」


中が空洞やないし妙に年輪もあるようぜよ、こりゃあ、変わった竹やにゃあ...。


いやいや、みなさん、なんぼ知らん言うたちコレは分かりますろう!これは地元の森林組合さんからいただいた間伐材ぞね。間伐材言うのは植林した、ある一定期間大きくした山で木を大きく成長させるために周りの木を間引いていくがですがその時に伐り出される材木の事ちや。


ええ、もちろん竹ばっかりですけんど木材も使いますぞね。ほんで、この木材は何に使うかといいますと、工場では虎竹袖垣など庭園用の商品も製造しちょります。そんな中で竹垣の間の柱を木で仕上げる商品があるのですがそんな竹垣に使用するのです。腐りにくく耐久性を増すためにガスバーナーで真っ黒になるまで焼いていきますが、表面をまんべんなく焼き上げた柱をタワシで擦りながら水洗いしてから使いますので焼き柱垣と呼ばれちょります。


けんど、まあ竹でも木でも同じ近くの山から伐りだしてきた自然のもの、こうやって輪切りの部分だけ見ても、なかなかエイもんちや。地元ならではの虎竹があって、こうやって間伐材もあって、まっこと(本当に)日本一の森林県の高知らしい仕事場ぜよ。


無尽蔵の竹資源

炭化竹


この黒い粒々は炭化加工された竹チップちや。炭化と言いますと、竹炭のように窯で完全に炭にするがではなくて圧力と高温で竹を蒸し焼き状態にしているものなのです。実はもう何年も前に、この炭化竹チップを使うた消臭材を研究されていた工場があってかなりの効果は実証されたと聞いちょりました。竹チップを手にとってみるとほのかに甘い香りが漂うてきますちや。竹は糖質の多い植物なので、こんなエイ香りがします。幼い頃から慣れ親しんだ懐かしい香りでもあるがです。


竹は毎年毎年どんどん生えて、たったの3ヶ月で親竹と同じ大きさにまで成長する、人をビックリさせるようなスピード力を持っちょります。あまり使われなくなった竹林が竹林以外の場所に広がっていくという事でこのパワーが今では生え過ぎで困っちゅうほど...。原材料という事で考えたら、おそらく無尽蔵と言うてもエイろうと思います。使うても使いきれないほどの天然資源としたらこういう有効活用もひとつあるという事ぜよ。


インターンシップ2011夏

インターンシップ


竹虎でインターンシップに取り組みだしたのは2001年の春からなので、もう結構前の事になりますぞね。最初はワシの所みたいな竹屋には、わざわざ大学の学生さんが来ても何の勉強にもならないし昔から何ちゃあ変わりばえせん時代遅れのことばっかりしゆうきに、とても自分たちが取り組むものやとは思うてもみませんでした。けんど、たまたま来てもらうことになって職人さんの仕事を見せたら、


「ええっ!?これ凄い!難しい!」


まっこと、こじゃんと驚いて感激しゆうがです。これには、ワシの方が驚いたちや、それで気づきました。自分らあが当たり前と思うちゅう事が若い人にとったら全く未知の世界!職人にとったら朝飯前の事が学生さんにとったら至難の技!そしたら、一番喜ぶのは何と職人さんながです。


「若さん、大学行きゆう若いしが、たまげちょったぞね」
(専務、大学行っている若者が驚いているよ)※当時ワシは専務やった。


あの時の職人さんの嬉しそうな顔を思い出すだけで涙がとまらんなるちや。


まっことワシは浅はかですろう?典型的な3Kの竹屋の仕事らあ何の役にもたたんと思いよりました。けんど、違う、それは逆やった。日本唯一の虎竹を製造しゆうワシらあの仕事は日本でここでした体験できない、かけがえのない最高のインターンシップながぜよ。初めて来られた高知大学の3名の学生さんたちの2週間のインターンシップを終えた感想を読んで改めてその事を確信したがです。


さて、今年もインターンシップの夏がやってきますぞね。今回参加していただく学生さんに集まってもらいました。しっかりした目的意識を持っちゅう方ばかりやき、きっとエイ成果をあげられるがやないかと楽しみにしちょります。


鰻うけの職人

うけ


先日は土用の丑の日でしたけんど皆さん鰻は食べましたろうか?もちろんワシも鰻は大好きやきに一杯食べましたぞね。「ひつまぶし」言うがですかね?お茶碗にいれてそのまま食べて、ネギや海苔などのせて食べて、お茶漬けにして食べて、最初は、お茶漬けかよ?と思いよりましたが結構いけますちや。


ほんでから、毎年この時期近くなるとジワリジワリとお問い合わせが多くなってくるのがこの鰻をとる、うなぎうけ(鰻筌)。子供の頃から見よう見真似で作るようになったこの道数十年の職人さんが運んできたウケはまっこと(本当に)良く出来ちょります。ワシらあが子供の頃に近くの川で使いよったウケそのままちや。


竹ひも


けんど、ワシが感激するがはウケもウケやけんど、そのウケを束ねている「竹ひも」。竹ひも言うたち、そんなモノがあるワケでは無いがぜよ。職人さんが竹ヒゴを取った残りの端材でササッと縛っちゅうがやき。昔の竹切り職人さんも竹を縛るのにロープなど使わんかった、全部竹で留めちょった。今では少なくなった職人さんの技、しびれるぜよ、カッコエイぜよ、渋いぜよ。あ~~~~~何とも言えんちや。


足長おじさんか?抱き枕

抱き枕


竹抱き枕はクーラーの無かった時代、暑くて寝苦しい夜にはこじゃんと喜ばれた竹細工ちや。「竹婦人」などと呼ばれることもあるけんど今でも東南アジアの国々では普通に使われゆうそうです。編み方や形などは様々あるようで竹虎にも白竹抱き枕ゴザ目いう抱き枕と写真の六ツ目編みの抱き枕があるがです。


竹のヒンヤリした感触や竹編みのバツグンの通気性で、まるで竹林にいるかのような清々しい気持ちでグッスリ快眠してもらいたいと思うてご紹介しちょりますが、はじめて手にした方からは、これほどきれいで、しっかりした作りとは想像以上ぜよ。(「ぜよ」とは言いませんけんど)とお褒めいただきよりますちや。


今回は、かなりのロングサイズの別注抱き枕を作らせてもらいましたぞね。普通のサイズと見比べたら、どうぞね?この通りちや。こりゃあ、これほどの長い竹抱き枕という事は外国の方やろうか?それとも、足の長い......そうじゃあ、足長おじさんか!なるほど。


虎竹クッキー

虎竹クッキー


竹虎は大阪で創業してから117年になるがです。もともと「竹亀」という屋号やったのが虎竹ばかり扱う竹屋という事で全国の竹屋さんから「竹虎」と呼ばれるようになったそうなけんど、いったい、いつの頃の事やろうか?第二次大戦の空襲で焼け野原になった大阪から日本唯一の生産地である虎竹の里に居を移して株式会社設立してから、ちょうど60年。今年は、ワシらあにとったらそんな節目の年になるがです。


感謝の気持ちにお客様に配らせていただこうと思うて用意したがは、なんとクッキー。なんで?クッキーながぜよ?話たら、びっとく長くなるきに関心のある方はこちらの創業117年感謝記念虎竹クッキーのページで見とうせや。虎竹をお菓子で表現するのはびっくと難かしかった面もありますけんど3000個焼いてもらいましたき、今回は3150円(税込み)以上のお買い物方全員に特別プレゼントさせていただいちょりますぞね!


職人の作業台

職人の作業台


竹職人と、いつもの話をしよります。山の事、人の事、明日の事...、ブーーーーーン、ブーーーーーン、暑いので工場は窓も出入り口も開けっ放しやき大きなスズメバチが入ってきたちや。職人さんは間髪入れず手元の新聞紙をまるめて追いかけて行きよります。


「これに刺されたら大変やきに」


おっと、ワシの方にハチが向かうて来たぞね。


「作務衣みたいな色の濃いものを着ちゅうと刺されるで」


職人さんが言います。


「だから、ワシらあ山に入る時には明るい上着を着るきに...」


なんでも黒っぽい暗い服やとスズメバチの天敵のクマと間違えて攻撃される事があるそうながです!


「ほりゃあ、イカンちや~」


職人さんに言われるまま別の作業部屋に避難したところで、ふと目を落としたら作業台の上に使い込んだノギスがひとつ。こりゃあ、かなり正確に測れるダイヤル式ノギスぞね、これで竹ヒゴを一本、一本測って竹編みしていくがやにゃあ、まっことキチンとした仕事をしてくれゆうちや、ありがたいにゃあ。道具ひとつからでも竹職人さんの心意気を感じるがやき、まっこと、ありがたいにゃあ。


風合いの増す虎竹下駄

虎竹下駄


自然素材のエイところは使えば使うほどに風合いが増してくるところぜよ。この虎竹右近下駄やあち、新品とはちっくと(少し)違うちゅうぞね。そうそう、新品の方が綺麗...いやいや、そうじゃ無くて、こうやって履いて使うた方が新品より虎の色つやがエイがやき。


実はこの虎竹下駄はお客様が、しばらくご愛用になられて底だけ張り替えて欲しいとの事でお預かりしちょった下駄ながです。張り替えが終わったところの写真やけんど本印伝の鼻緒は少々くたびれちょりますが虎模様は、よりクッキリして、こじゃんとエイぞね。こんな下駄があったら、これからの夏祭りや花火大会がますます楽しみにぜよ。竹ならではの足当たりも最高やし、たまにしか履かない下駄やきこそ、しかも足裏に隠れてしまう部分にこそ、こうやってキラリと光る逸品を使うちゅうががセンスやき。


夢の竹屋さん

竹かご


前に夢を見たことがあるがぜよ。かやぶき屋根の古びたお店の軒先には沢山の籠がつり下げられちゅう。思わず走りよって店内に入ろうとしたけんど、


「ありゃ、あれもある。これもある...」


「信じられん、これは良く出来ちゃある...」


店先に並んだ数々の面白そうな竹かごやら、竹ざるに目移りしてしもうてなかなか足を踏み入れることもできない程なのです。


「一体、こりゃあ、誰が作りゆうがぜよ!?」


素朴やけんど、まっこと(本当に)しっかりした作り、ぬくもりが手から伝わってくるような竹かごを持ったまま、敷居をまたいで店内へ飛び込んで目をこらして薄暗い店をキョロキョロと見回すと、あっちにも、こっちにも、こりゃあたまらん言うような竹ばっかりの楽園のような場所じゃ。


ありゃあ...?楽園ち、もしかして、あれが天国いう所やったがやろうか?向こうで黙って、もくもくと竹を編みゆう職人さんがおったけんど、あのおんちゃんに聞いてみたらよかったぜよ。まっこと楽しい夢やったちや。


竹になれ!

竹


は筍から、たったの3ヶ月で二十メートルもの親竹と同じ大きさまで成長するがです。伐採して製品に加工できるようなるまでもわずか3年から4年やき、数十年はゆっくりかかる木材に比べたら圧倒的に早いがです。


竹が継続利用が可能な唯一の天然資源と言われ環境意識の高まりの中、エコな素材として注目されちゅうのにはこんな理由があるがです。普通に考えたら、1日に1メートル以上も伸びる事があるほどの成長スピードやきに耐久性が低いのでは?そんな風に思われる方もおるかも知れませんけんど、実は竹は、こじゃんと強靱で、それでいてしなやかぜよ。


今日の高知は台風で大荒れのお天気になりそうちや。昔から台風銀座と言われて何度となく経験してきたけんど子供の頃から台風は怖かった。最近は有り難いことに、前に比べたら少なくなくなりましたけんど台風のたびに色々な被害があって、竹虎の会社でも合羽を着た大人達が走りまわり台風対策でピリピリしちょった。


今日の台風でも猛烈な風が吹くろう、けんど、そんな時、竹はどうするぜよ?天をめざして真っ直ぐに伸びる竹、強い風が来たら右へ左へ葉っぱを大きくゆらしながら、いなしていくがです。この、まっすぐ力強く伸びる姿勢と、柔軟なしなやかさ、どうですろう?竹になったらエイがじゃあないかよ。


しびれる

四万十ドラマさん


皆さん四万十川知っちょりますろう?虎竹の里から言うても高知県のかなり西の方という印象がありますけんど実はもともとの源流は安和の結構近くにあって、何と川の流れは196キロもゆったり流れて行っちゅう日本最後の清流とも言われちょります。そんな縁もあって竹虎も虎竹削り箸の収益の一部を四万十川基金に寄付させてもらいよります。まっこと恥ずかしいくらいの事しかできませんけんど、これは金額ではなくてやるか、やらないか、の違いやと自分を言い聞かせゆうかです(^^;)


まあ、それはおいちょいて、その四万十の流れを下り、川の中流域の四万十町にある「道の駅とおわ」、四万十ドラマさんという会社が運営しよりますけんど、まっこと(本当に)ここには田舎のお手本がいっはい詰まっちゅう気がするがです。ひとつ、ひとつの商品もそうやし、毎週水曜日に開かれゆう地元のおばちゃんたち手作りのランチパイキングもそうちや。ちょうどお伺いした日にやりよってイタドリやら椎茸やら地元の食材がいっぱいでこじゃんと美味しく、好きな物をお腹一杯食べれる、いやいや感激やったにゃあ。


これらあは、一言で表したら「自分」ぜよ。ワシらあやち、生まれた時から虎竹に囲まれて遊びよって安和の子供達にしたら虎模様のあるのが竹やったら当たり前やったけんど、これが別の土地にいったら見た事もないきにビックリされるがです。


これからの高知の行き先は、まず自分らあを知ることかも知れんちや。それから、お届けする先の事を考える、これを難しい言葉で「マーケティング」と言うらしいぞね。孫子の兵法に「敵を知り、己を知らば、百戦危うからず」というががありますきに、もしかしたら2500年前から人の営みは基本的に何ちゃあ変わっちゃあせん言う事ですうろか。


プラモデルの山


それにしたち、これからの高知は西方面がエイぜよ。この連休に足をのばされる方も多いも知れませんが、さっきの四万十とおわさんの近くに出来た海洋堂ホビー館四万十。あのフィギュアで有名な海洋堂さんが学校の体育館いっぱいに海洋堂ワールドを作り上げちょります。わざわざ行かないと一生行くことがないような細い山道をぬけるこじゃんと山の中やき、都会からの方は自然も満喫できて気持ちがエイと思うがです。


そして、ホビー館とは別にそこから車で15分ばあのところ、コンベンションホールきらら大正で開催されゆう宮脇修一プラモコレクションズ、これが凄い!会場中央に見たこともないようなプラモデルの巨大な山が築かれちょります。ええっ!?これが全部プラモデルの箱かえ~~~~~!まっこと圧倒されるしかないぜよ。これほど集める情熱、思い、なるほど、人を感じさせるがは何でもエイがぜよ。この、とことんさに、しびれるがやにゃあ。

菊炭マスゲーム

菊炭


オマンらあ、やりゆうかよっ!高知は海やないぜよ、鰹じゃ、黒潮じゃ、なんじゃ言うて海の印象があるけんど高知は山ばっかりやき。なんと森林率が日本一!山から元気にならんとイカンちや。日本唯一の虎竹が生えちゅうがも山じゃ、同じ山どうし仲良うしちゃってや。


さて、びっくと(少し)山へ向かうたら昔ながらの炭小屋があって、こんな菊炭を焼きゆう炭職人さんもおるがちや。お茶の世界で使われる炭と言いますけんど竹炭とは又違うた美しさがあるにゃあ。オマンらあ、ピラミッド組んでみいや、ありゃあ、こりゃあ凄い、凄い、早からオブジェぜよ。このまんま部屋に置けるちや。そう言うたら、お正月飾りでこんな菊炭を見たことがありますぞね。けんど、炭の持つ力やろうか?本物というものは何じゃあち、まっこと凄いもんちや。


月刊「石垣」掲載に思う

月刊石垣


5月25日のブログで月刊「石垣」の取材の方が来られちょった話を書きました。工場をはじめ、店舗など色々と見て写真を撮っていただきましたけんど、いよいよその本が発行されたがぞね!


それにしたち、さすがは日本商工会議所さんやにゃあ。この本は日本全国の会員のところにお届けされちゅうようで昨日、たまたま会うた県外の何人もの方からこの掲載記事を見たと嬉しいお声をかけていただいたがです。ワシみたいな田舎者が、しかも、虎竹という日本でここしかないような誰も知らない商材やのに、こんなに取り上げていただいて、まっこと(本当に)ありがたい事ちや、感謝するしかないがきに。


雑誌掲載


他にも最近掲載してもろうた雑誌で「Goods Press」には底の台が割れて履きやすい雪駄八割BLACK、「クーラーいらずの涼しい生活99の技」には国産天然竹の快眠マットがそれぞれ載せていただいちゅうがです。


そこで、改めてこの10年間の事を考えたら本の掲載が169冊、新聞・テレビ等には55回やと!毎年20回以上のメディアの方が来られゆうと言うことぜよ。そんなに取り上げていただける様な事は全くやっちょりませんし、そしたら一体何に注目していただいちゅうか言うたら、ひとえに初代宇三郎が注目して二代、三代と受け継ぎ、守り続けてきてくれたこの虎竹やと思うがです。


実はワシは、こう見えて、こじゃんと弱い男ぜよ。けんど、毎日なんとか虎竹の里でこうして真っ直ぐに立てちゅうのは受け継がれる思いだけやきに。早うワシも祖父達に負けんような仕事がしたい。それだけやき。


エビラのある古民家

梅干しざる


さて、梅雨も明けた高知県ぜよ。まだまだ100%スッキリしちゅうワケではありませんけんど、カッーーーーーと照りつける晴れ間を見て庭に梅干しを土用干しする人を見かけるようになりましたちや。そこで、梅干しざると言うたら竹虎でイチオシしゆうががコレぞね。高知ではエビラと呼ばれて農家さんに行ったら普通にある平編みのカゴながです。


たまたま訪ねた古い民家でまっさきに目についたのが、この使い込まれたエビラぜよ。一体何年使うちゃあるか知らんけんどまっこと(本当に)風格が出ちゅうにゃあ、ベテランの面構えやき!エビラは元々は蚕用として使われよったと聞きますがワシの知っちゅう限りでは蚕をやりゆう農家さんはあんまり無かったきに、竹ざるの代用品として野菜干しに使われているのを見る事が多かったがです。


けんどこのエビラ、なんぼか、色々な野菜を干したり、選別に使われたりして役立ってきたがやおにゃあ...。どうして分かるち?そりゃあ、大切に大切に使われてきたのがこのカゴから伝わってくるき分かるがよ。人の役にたって、喜んでもらえてこそ道具たちは嬉しいし精出して一所懸命作る職人も嬉しいがやき。こんな、エビラに出会えるち、高知県の、日本の田舎は凄いですろう?こじゃんと(とても)嬉しいにゃあ。


穂垣

竹


竹は、こじゃんとエイですぞね。1本の竹を伐ったら無駄にするところがないがやき。竹の桿、竹の枝、竹の葉、竹の根。使おうと思うたら、どこでも使えるがです。主に使うのは桿の部分。割ってヒゴにしたり、丸竹のまま使用したり、ご存じのように色々な竹細工や竹製品に製造できます。竹炭竹酢液にするのもこの部分やき竹の葉も竹虎では虎竹茶にしっかり使います。それでなくても近くの方や職人さんは家庭菜園用によく持ち帰って畑に使いよりました。竹の根もバックの持ち手やら、カトラリーなど使うことができますぞね。


穂垣


そして、竹の枝の部分、枝の部分は山で竹を伐採して山だしする際には邪魔になるのでその場で枝打ちしてきますけんど、後でその枝を全部集めてくるがです。細い竹の枝やきに繊細な細工に使えるがですが、主に使用されるのが庭垣やにゃあ。竹虎で製造しゆう袖垣にも飾りとして多用しちょりますし、枝垣というて、この竹の枝だけで作りあげる垣もあるがです。


木製の物や石垣などと違うて風通しが良い上に手軽な素材で目隠しの効果も高いですき穂垣などという長いものやったら数十メートルもあるような竹の枝でしつらえた竹垣もたまに見ることができますぞね。竹が、こじゃんとエイ言うのが分かりますろう?


孫の手では無いぜよ

竹フォーク


孫の手いうたら昔から馴染みがあって竹で作られてきた代表的なもののひとつかも知れませんちや。竹虎でも定番の竹曲がり孫の手や、虎竹孫の手らあがあって、ずっとご愛顧していただいちゅうがです。


けんど、この画像の商品は孫の手と間違える方もおられると思いますけんど孫の手のように見えて、実は孫の手ではないがです。ほいたら、一体何ながで?そう、確かに孫の手のようには見えますけんど、これは竹をそのまま、自然な風合いを活かして職人がつくつたフォークぜよ。


塗りも何ちゃあしていない天然竹の竹肌が心地エイし、手削りの刃物の跡にも味を感じるし、必要以上に手をいれすぎてない所が、こじゃんと気にいりましたちや。一回スパゲティでも食べてみたいと思いよりますが、もったいなくてまだ使うちゃあせんがです。もうしばらく、こうやって眺めて楽しんでそれから使うてみろうかにゃあ。


虎竹の目打ち

目打ち


竹には枝が出ちょります。その枝を切り落とすにはナタ等でウラ(竹の先端)方向から枝の付け根を切り取る方法と、反対に根元方向から切り取る方法があります。普通に考えたらウラから刃物を入れた方が付け根の部分も綺麗に切り取れると思われるがやないろうか?根元方向からやと枝の付け根部分はどうしも残ってしまう...。


けんど、実はこの残った付け根部分を後から、ひとつ、ひとつ鋸でひいて切れ目をいれ、この付け根部分を取り除いていく事を目打ちと言うがです。手間はかかりますけんど、逆にナタを使うたらせっかくの虎竹の模様のはいった美しい表皮も剥いでしまいます。虎竹は全部が全部きれいな竹ばっかりではないので少し色づきの悪いものなどは、手箒やブラシの柄として使われる事もありました。そんな柄として使われる竹も全部このように一本、一本手間のかかる作業があるがです。誰も気にも止めような事ですけんど、こんな小さな所こそ竹屋の仕事。


ワシの小さい頃はこの目打ち専門のおばちゃんが何人かおられて、いつ遊びに行っても座って目打ちをしよりました。鋸をいれる、鋸の背で竹の節をはらうリズミカルな音は今でも耳に残っちゅうちや。サイレンが鳴ってお昼休みになる、やれやれ...、竹のホコリがいっぱいついた前掛けをはたく、おばちゃん達の仕事場にはこの目打ちで取り除かれた竹の枝の付け根の部分が無数に散らばっちょったがぜよ。


おおの、今でも目にうかぶちや。工場の天井から差し込む日の光、竹の香り。おおの、懐かしい、おばちゃんらあの元気な笑い声が聞こえる遠い日に、びっくとでエイきに戻れたらにゃあ。


竹職人×蕎麦職人のコラボ

蕎麦ざる


こう暑い日が続いたら、やっぱりお昼はサラサラッと食べられるざる蕎麦が人気ではないですろうか?ほんでから、ざる蕎麦いうたら、なんと言うたち竹ざるやけんど(スミマセン普通は竹ざるは脇役やちや)この白竹そばざる高台付は、普通じゃあないぞね。お蕎麦屋さんでも、かなりこだわった、いやいや、こだわりだけじゃ無くて、もしかしたら、ある思いのようなモノがある方かも知れません。


職人にとったら別に高台付の竹ざるを製作する時だけが特別という事もないのですが、竹職人が、こじゃんと(とても)苦労して編み上げ、そして、その竹ざるに蕎麦職人が渾身のそばを盛る、そうやってお客様の前にようやく出されるお蕎麦は竹職人×蕎麦職人のコラボ作品とも言えるがやないろうか。ふと、そんな事を思うたら、ワシはこの「作品」を十分に堪能できちゃあせんにゃあ?一回、このお蕎麦屋さんを訪ねてみとうなったちや。


ほっとこうち

ほっとこうち


それぞれの地方に地元の情報満載の本があるかと思いますけんど高知にもありますぞね。高知を元気にする応援団、「ほっとこうち」ぜよ。ワシは田舎者やし、こんな情報誌をみても若いし向けの事ばっかりですろう?実はあんまり読んだ事もなかったがです。


ところが、いざ竹虎の取材にお越しいただく言う打ち合わせでその本を見せてもろうたら、なかなか、こじゃんと(とても)取材をやって驚くばあな充実ぶりながです。まこと、魅入ってしもうたちや。この情報誌「ほっとこうち」の中で地元の会社を訪ねて、そこの商品がどうやって製造されゆうか、分かりやすく取り上げちゅうコーナーがあるがですが、そこに竹虎の竹皮草履を掲載したいと担当の方は熱く語りますぞね。


そりゃあ、イヤとは言えんちや。地域の事やきに、高知の事は以外と高知の人は知らんがやき。いよいよ今日がカメラマンが来て取材してもろうて8月には販売されるそうなけんど、高知の事をみんなあ、もっと、もっと知ろうやいか!


スーパークールビズ

竹皮草履


みなさんの会社ではどんな格好で仕事されよりますか?この夏はスーパークールビズ言うてポロシャツなどで働く会社さんもおられるようですけんど足元はどうぜよ?デスクワーク中心の仕事やったら革靴やスニーカーは早うに脱ぎ捨てて1049件を越えるお客様からの嬉しい感謝の言葉をいただいちゅう竹虎自慢の上履き、竹皮草履を履いてみんかえ。


オフィスによってはこれ以上暑くなってきたら短パンにタンクトップにする、そんな所もあるようですけんど、まあ、いくらスーパークールビズ言うても、どこの会社でもそこまでラフな格好になるのはなかなか難しいと思うがです。けんど、竹皮草履をはいていつものパンツの裾を、びっくと(少し)ロールアップするだけで、通気性がこじゃんと(とても)良くなって足元からクールダウンぜよ!


ワシは夏は外でガンガン汗を流して真っ黒うなって働くのが似合うちゅう、そうそう、自称・タオルが高知県一似合う男やき、エアコンはあんまり好きなやいがです。けんど、南国土佐やきにゃあ、やっぱりエアコンの設定温度が28度ではびっと蒸し暑いろうか?と思うこともあるがです。


だから、この省エネ温度キープするためにも足元には竹皮草履をイチオシするがぜよ。一回履いたら、まっこと(本当に)納得ぞね。今まではご家庭で大活躍しよりました竹皮草履を本格的な夏を迎える仕事場でもお役にたててもらいたい、そんな思いながです。

スマートフォン対応

スマートフォン対応


最近はスマートフォンいうモノが増えてきて、これからは、そんな携帯ばっかりになるとも聞いちょります。なるほど、使うてみたら画面は大きいしフェィスブックなども、やりやすいし、ワシは、さっぱり使う事が出来ませんけんど色々なアプリいうもんが揃うちゅうきに使いこなす方にとったら、こじゃんと便利で楽しいろうにゃあ...


携帯ホルダー


そんな事を考えよりましたら、籐編み携帯ホルダーにスマートフォン用はないですか?と、お客様からのお問い合わせを頂いたがです。革のフタ部分の長さを伸ばしたら何とか対応できそうなきに、試作をしてみたら、おおっ!エイかも知れん!


お問い合わせ頂いたお客様もご満足いただけちゅうご様子やし、これは定番にさせていただく事にしましたぞね。いっつも竹虎は、お客様の声に助けてもろうちゅうちや


「竹を使って、あんな商品ないですか?」


「竹でこんなモノが出来ないだうろか?」


出来ない事も、こじゃんと多いのですが色々なアイデアを頂戴して、その時は、あまり形にする事ができないモノも遅い時には数年もたってから何らかの形になったりするもんやきに面白いもんながです。まっこと有り難いぜよ。おおきに、ありがとうございます!これからも皆様のお声を色々いただけるように、ワシ自身がもっともっと頑張らんとイカンぜよ、よろしゅうにお願いしますちや!


美味しい梅干しのすすめ

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昨夜は、こじゃんと(とても)雨が降りよったに朝は陽が照ってきた、まっこと(本当に)変な天気やけんど、梅雨明けはまだやろうか?梅雨明けしたら梅干しの天日干しをしちゃろう、そう思われゆう方も多いかも知れんちや。今の時期、天日干しした梅干しは色づきも良く、味もこじゃんと良くなると言う事ながです。


そしたら、その梅干しを干す竹ざるを探すのですが安価な輸入ざるでは、ちょっと...。そんな方が昔から作られよります国産竹ざるを求めて来られます。丸い竹ざるも、もちろんエイがですけんど竹虎の工場で仕上げに忙しい農家さんで使われよりましたエビラ(平かご)がオススメですぞね。


使われよった...というて何か過去の事みたいに言いましたが今でも農家さんの庭先でも畑でもビニールハウスでも野菜を干したりするのに普通に使われゆう干しざるの一つなのです。そうそう、野菜を干すと言うたら最近は、大根はじめナスやキュウリ、トマト、人参...色々な野菜を干して、干し野菜料理を楽しまれる方もおられてそんな方にもご愛用いただいちょります。野菜を干したら余分な水分が無くなって独特の歯ごたえと野菜本来の旨み、甘みが出てくる言いますので料理に関心のある方は一回チャレンジされても面白いぞね。


ただ、都会のご家庭やったら田舎のように広いスペースを取りづらいという事で通常サイズの半分の大きさのものを作っちょりますのでこちらが使いやすいかも知れません。マンションのベランダなどで干される方もおられるので紐で吊せるように両サイドに2つづつ穴を開けちゅうがです。エビラ(竹編み平かご)の小さいサイズで梅干し3キロは干すことができますちや。男性、女性問わず、これから手作りで色々な手作り料理をやってみたい方にはひとつあったら便利な竹かごぜよ。


幸せな山のお茶時間

山のお茶時間


曲がりくねった道を車で登ってきて、トンネルをいつか越して、まっこと(本当に)こうやって走ってくると高知は山やにゃあ。つくづく、山やにゃあ。そんな緑に囲まれた一軒のお宅にやってきましたぞね。車が何台もおける広いお庭には先日降った雨で増水した川の音がゴーゴーと豪快に聞こえゆう。


「まあ、お茶でも飲んで」


奥さんがコーヒーを出してくれたテーブルは、こりゃあ、渋い!!!石のテーブルぜよ!!!


「そう、これは近から皆で運んできたが」


山の職人さんはニコニコして話てくれます。


山桜


「この桜の木が最高ながやき」


石のテーブルのすぐ近くにある新緑に包まれた一本の桜の木を見ながら別の職人さんが言うがです。


「お花見はいっつもこのテーブルながよ」


山とともに生きてきた、おんちゃん達。目を細めて言うがを見ると、木を愛しちゅうがやにゃあ、妙に格好がエイにゃあ。


竹


今日は、竹炭の窯の事で訪ねてきたがやけんど、


「ああ、竹かよ?そこに割って干しちょらあえ」


そんな事よりもまず、この石のテーブルで一服しいや、おんちゃんらあは動こうとせんがです。シアトル系か何か知らんけんど都会で見かける様なコーヒーやないぜよ。こんな美味しいコーヒーは他では飲めないのです。山の仕事師は、こじゃんと贅沢なお茶の時間を知っちゅうちや。


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梅原真さん、畦地履正さんと


このお二人をご存じやろうか?真ん中の黒メガネのお方は前にブログでも話したことがありますきに知っちゅう人もおるかも知れませんが、梅原真さん。一次産業×デザイン=風景。うーーーん、これだけでは分かりにくいけんど、高知で「これは、面白いにゃあ。」とか「これ、凄いにゃあ、欲しいにゃあ、行きたいにゃあ」と思うモノやコトには、必ず言うてエイばあこの方が関わったりしちょります。ワシが勝手に思うにはデザインで世界を変えられる事を真剣に信じちゅう方ぜよ。


ほんで、もうお一人が四万十ドラマの畦地履正さん、四万十ドラマ言うたら田舎の星じゃ。日本唯一の虎竹の里からさらに西の方へ山道を1時間30分くらいは走らなあ行けんところにあるがちや。けんど、どんどん疲弊していきゆう地域を何とかせんとイカン、自分らあの道を探しゆう方にとったら、まっこと、こんなエイお手本は無いがやき。


ここの凄いところはモノを作りやあせんところ。いやいや、もちろん四万十ならではの商品開発力はこじゃんと(とても)バツグンながやけんど、そしたら何を作りゆうがぜよ?と聞いたら「考え方を作りゆう」まっこと、たまげたが違う。何にも無い、何にも無い...は実は「ある」がぜよ。それが「-1×-1=+1」という梅原真さんの考え方ながやろうか?たぶん、そうやろう。


ここ四万十ドラマさんも、この思いで今まで走ってこられて、これから更に大きく飛躍しようとしゆう。こりゃあ、高知の四万十ドラマどころや無いのう、日本の四万十ドラマやにゃあ。もしかしたら、畦地社長さんはもっと前から、そんな心意気かも分からんぜよ。まっこと、こんなお二人と同席させてもろうて幸せやけんど、どうしたち比べてしもうて、考えたらワシのやってきた事は、ちんまい、ちんまい(小さい)。


おんしゃあ!(お前)本気で誰の笑顔を見たいと思うちゅうがぜよ!トイレの鏡に映っちゃある男に怒鳴りとうなった。もっと、真っ直ぐに竹と向き合おうちょれ!おっと、真っ直ぐと言うたら、この動画じゃイカン、イカン、朝から見直して気合いの入れ直しぜよ。



若き職人

蕎麦


ワシが若き職人いうたら竹細工をしゆう人を指すことが多いですけんど今回は蕎麦職人さんながです。こじゃんと美味いお蕎麦が食べさせていただる言うことで昔ながらの民家のたち並ぶ田園風景が美しいこの村まで連れてきてもろうたがです。ワシは、この通り高知生まれの高知育ち、実は蕎麦よりも饂飩。どちらかと言うと蕎麦はあんまり食べんがぜよ


けんど、出していただいたそのお蕎麦は艶といい、盛り方といい、一目で、こりゃあ普通やないかも知れんちや、と思わせる、ただ者ならぬ雰囲気。実際食べてみたらあんまり美味しいきに、すぐにもう一枚お願いしたほどやった!


蕎麦ざる


けんど、お蕎麦の味もさることながらスルスルと食べてしもうた後に現れた使われちゅう竹ざるも技ありやったぞね。根曲がり竹で編み込まれちゅう竹ざるやけんど普通の竹ざるは平らか、もしくは中央がへこんでいるのですが、この竹ざるは反対に中央が盛り上がった形。お蕎麦の見栄えも良く、水切れもエイ。こんな竹ざるにこだわる料理人さんやき、美味しいのは当たり前かも知れませんちや。


さて、そう思うてお勘定すませて帰ろうとしたらご主人さんが挨拶に出てきてくれちょりました。えっ?若いちや、まだ30代半ばやろうか?蕎麦、店構え、接客、そして竹ざる。すべてに神経を使うて気持ちよくしてくれるお蕎麦屋さん。若いのに凄いにゃあ、見習わないイカンちや。根曲がり竹の蕎麦ざるにも感激したし、まっこと、嬉しい出会いがありましたぞね。