塩月寿籃さんは竹と漆をくみあわせたまったく独創的な寿籃ワールドとも言えるような、寿籃さんだけの世界観のある作品を次々に創られてきた作家さんぜよ。祖父の代から、こじゃんと仲良くさせてもろうちょりまして何度か当社にお越しいただいた事もあるしワシが工房にお邪魔したこともあるがです。
物静かで、ゆったりとした落ち着いた口調で少しづつ、けんど、まっこと(本当に)沢山の、いろいろと楽しい竹のことを話してくれたものちや。表には出さんけんど熱い、熱い、ハートがある竹芸士ぞね。土佐弁でいうたら「いごっそう」。竹で自分の道を切り開くことのできた幸せな方という事もできるかも知れんがです。
そんな先生の作品のひとつ、塩月寿籃さん名前の一文字「月」のと入った棗があるがですが、これがどういう訳か遠く海外の方の目にとまって日本を離れることになったぜよ。10数年以上も竹虎のガラスケースに鎮座して、たまに先生に会いとうなったらのぞきにくる...。そんな、ささやかな時間はもう無くなるがやにゃあ。寂しいけんど大切に大切にしてくれる、その方が、今度はそんな幸せな時を感じてくれるがやったら、まあ、それも仕方ないがぜよ。
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