竹の願い

高石先生


高知から高速道路をとばしてお隣の徳島県は徳島大学薬学部にやってきた時の事ぜよ。んんっ!?何処が悪かったがち......。クスリをもらいに行った訳ではないがやきににゃあ。いやいや、身体は健康そのものやきに。おっと、頭はさらに健康ちや。


ほいたら何しに来たかといいますと実は徳島大学薬学部には竹の研究で知られる高石先生がおられるがです。高石先生のことは、ずっと前から聞いちょって、一回お話を伺いたいと思いよりましたのでお会いさせてもろうただけで、まっこと感激やったがです。


ほんで、竹の話ばっかりさせてもらいましたが、竹と一口にいうても竹の機能性は色々な事が言われよりますし、この二十年は竹炭が注目されてきて、それと一緒に竹酢液も知られるようになり、実に様々な顔をもつ不思議で面白い「竹」のこじゃんと(とても)興味深いお話を聞かせてもろうたがぜよ。


誰でも、誰かの役にたって喜ばれたいと心から願うちゃあるもんです。それは、山に生える竹も同じことちや。たったの3ヶ月で親竹と同じ大きさに成長しますが、何ちゃあ使われる事もなく、必要とされる事もなく、竹林で朽ちていくがより何らかの形で人に役立つようになりたい。竹はずっと願うちゅうがぜよ。


まっこと高知

新荘川


豊かな新荘川の流れはゆったりと須崎湾に流れていきよります。ひと雨ごとに夏めいてくる南国土佐ですけんど、今日の日差しはいっそう、輝いてまぶしゅうに感じるがです。車をとめて窓をあけたら久しぶりの天気にウグイスも嬉しいがやろうか?あちら、こちらで鳴き遊びゆうちや。川岸には治水のために竹が植えられる事が多いですが、緑があざやかなこの季節ひときわ爽やかな薄緑の葉が風に揺れよります。


「おかえりなさい」「お疲れさま」


台風で帰ってこれなかった出張をまるで、ねぎろうてくれゆうようなちや。まっこと、竹がゆれる夏、まっこと、高知は最高ぜよ。

竹酢液は「ちくさくえき」と読みます。

竹酢液タンク


竹酢液は「ちくさくえき」と読みますぞね。まっこと、ワシらあは当たり前と思うちゅうけんど読み方が分かん言う方もやっぱりおるがです。漢字は難しいきんにゃあ。


まあ、それはさておいて、竹虎の竹酢液は排煙工の温度が80度から150度の間にしか摂取しちょりません。これは、温度が低いと有効成分が少ないし、逆に温度が高くなると有害物質が混入する割合が高くなるきです。品質の良い国産の孟宗竹を昔ながらの土窯を竹炭用に改良した専用窯で2週間という時間をかけて熟練の竹炭職人が焼き上げる竹炭。


アルミ煙突


その時の煙は緑の向こうにチラリと見えちゃあるアルミ製の十数メートルの長さの煙突でひやされて竹酢液が生まれるがちや。おっと、けんど、まだまだみなさんのお手元にお届けできるにはタンクを3回も替えながら1年以上も安置して、竹酢液のエイところだけボトルにいれてお送りさせてもろうちゅうがです。懐かしい、昔のお風呂の香りがすると嬉しいお便りをいただく安心の竹酢液ちや。


宮川征甫先生の仕事

宮川征甫先生


故・宮川征甫先生は祖父の代からのお付き合いの作家さんやったです。静かな面持ちの中にも熱い熱い情熱を秘めたところがあって、その作風は竹を細く割って編むという今までの竹細工の概念をくつがえしちょりました。竹を四角形や三角形に切り取り、張り付けて創作される調度品には度肝をぬかりましたちや。祖父の部屋にいくと今でも宮川先生の作品を何点も見ることができるがです。そして、そんな調度品に象眼細工をあしらうのも先生の得意な技法のひとつやったです。


つい先日、ひょんな所で見つけた先生の「河童」。写真では分かりづらいですけんど、細い溝を入れた白竹に彫り込みを作り、そこに虎竹をはめ込んで河童を描いちょります。こんな細かい細工...誰もやったことのない技への挑戦、道なき道を切り開いた竹工芸の天才。祖父のソファに深く腰掛けて一人おったら宮川先生も話しかけて来てくれるようなきに、この部屋で一人で過ごす時間は、まっこと大事ぜよ。


竹の教え

竹売台


とある商店に入ろうとしたら店先の販売台に目がいきましたぞね。いつも、地元でとれる農産物などを置いているそうやけんど今日は夕方という事もあって全部売れ切れちゅうとの事。けんど、注目するがは販売台に張り付けてある竹割やきに。色が枯れて、これは、これで、こじゃんと(とても)エイ風合いになっちょります。ワビ、サビの世界やろうか。


古い竹


ほんで、コチラは前にお伺いさせてもろうた古いお宅。中のお部屋は改築されちょって、この時にはギャラリーとして使われちょりました。ここの建物には二階にしつらえた竹が格好エイきに、しばらく外で眺めよりましたちや。竹は青々とした若竹の色合いは爽快で素晴らしいけんど、こうやって色が落ち着き時間の経過とともに変化していく事そのものを楽しめるがです。


古くなり、やがて朽ちていく、所々歯抜けのようになった竹にも趣があるようぞね。ずっと昔から繰り返されてきた、こんな大自然の法則を改めて教えてくれゆうがやろうか?ワシも、ただ歳を重ねるばっかりではなくて、こんな竹のように渋く変わらなイカン。そう諭してくれゆうがやにゃあ。


月刊「石垣」

月刊「石垣」取材


日本商工会議所さんが発刊しゆうと言う月刊誌「石垣」をご存じですろうか?
石垣......?何を隠そうワシも大の石垣ファンやきに。なるほど、こんな本を読んで、「おおっ!この野面積みは立派やにゃあ」とか「切込み接ぎ(きりこみはぎ)が、たまらんぜよ 」などとマニアックな事を言いゆう訳ではないですぞね。


話は四百数十年前、戦国時代最強と恐れられた武田信玄は、


「人は城、人は石垣、人は堀」


と言うて生涯、天守閣のあるお城を持たなかったそうちや。それっぱあ人が大事いう事ぜよ。ほんで、これは何ちゃあ戦国時代の事ばかりではなくて今の時代にも全く同じ事やと。この雑誌「石垣」という誌名は教えてくれちょります。何というたち日本商工会議所さんの発行やきにゃあ


日本商工会議所発刊「石垣」


さて、この雑誌「石垣」に再来月の7月に掲載される事になりました!東京から、こんな田舎まで取材の方がわざわざお越しになられて、まっこと(本当に)ありがたい事ちや、嬉しいちや。どんな記事になっちゃあるろうか?黒竹玄関すのこ竹皮スリッパを製造しゆうところなど、あちこち撮して、お話もさせてもらいましたきに、実は今からこじゃんと(とても)楽しみにしちゅうがです。


竹スプーン

竹スプーン


竹スプーンは持った感触に温もりがあり口あたりも優しいがですが、厚みのある竹から切り出した時はこんな感じながです。スプーンの形はしてますものの、繊維が毛羽立って表面もザラザラながです。


竹スプーンを削るグラインダー


これを、ひとつ、ひとつグラインダーを使うて表面をなぞり、仕上げていくがです。見よりましたら、イチニイサン、イチニイサン、リズミカルにグラインダーでなぞり反対むけて、また、イチニイサン、イチニイサン。


竹スプーン


職人さんの手の感覚ち、まっこと凄いちや、見ゆう間に次々と竹スプーンがスベスベ美人になっていくがやき。このスピード感、しばらく見よりましたが何とも気持ちがエイ。機械の音が響く工場の中、じっと一点を見つめて集中しちゅう職人さん、新しい製品が続々生まれていく...。びっくと神聖な場所のようにも思えてくるがぜよ。


牧野植物園、パワースポット?

牧野植物園


世界的な植物学者の牧野富太郎博士はご自身「草木の精」と言われていたほど植物が好きで、その足跡をたどる事のできる高知市五台山での牧野植物園では驚くような博士の様々な功績を見ることができるがです。実は、何を隠そう虎竹の里の虎斑竹(とらふだけ)は1916年(大正5年)に、高知県生まれの牧野博士が命名してくれちょります。


そんな縁があって、もう10数年前の牧野植物園リニューアルの際には虎竹が園内に移植されましたし、6倍に広くなった敷地は元々の美しい山並みや景観を残しつつ、まっこと、季節を感じならがのんびりと散策するには最高の場所となっちゅうので、月に数回お伺いする事もある大好きな所の一つとなっちゅうがです。ええっ?どんな風に行きゆうがち?そりゃあ、普通に行きよますが、まあ一応こんな風に行きゆうと言うのを「虎竹命名の父、牧野博士を訪ねる」というページでご紹介しちょります。


さて、どれっぱあここの植物園が素晴らしいかと言うと、田舎に暮らして何度も何度も足を運ぶ機会のあるワシらあより、都会からお越しの方がこじゃんと感動されるのは当たり前と言うたら、当たり前の事かも知れませんけんど、ワシは県外の方に、


「高知の見所はどこが一番いいですか?」


と聞かれましたら必ず、ここ牧野植物園をお教えする事にしちゅうがぜよ。ほいたら、前に東京からのお客様などは後から電話をかけてこられて、植物園にあまりに感激されて、何と飛行機の便を最終便に変更してまで、朝から夕刻までずっと植物園を歩きよったと言われます。それほど、人を魅了する所ながです。今の季節も緑が綺麗で、ベンチに座って風に吹かれるだけでなんか元気になってくる、もしかしたら、流行のパワースポットかも知れんちや。


不思議な虎竹長財布

虎竹財布


スッーを天をさして、ただ真っ直ぐに伸びていく竹、その姿は清々しゅうて美しいと思うがですけんど竹はそれだけやないがです。しなやかで、強靱で、さらに虎竹には独特の虎のような模様が付いちょります。どうして、このような虎模様が付くのか?地元の古老たちは、


「冬に霜がおりたら色がくるがよ」


とか、


「この潮風が色づきに関係しちゃあるわえ」


などと言うのですが、今まで大学の先生が研究来られた事もありますけんど原因は分からずじまい...。


高知県出身の世界的な植物学者、牧野富太郎博士がこの虎竹の命名をされたのが1916年の事です。そんな縁があって高知市五台山にある広大な牧野植物園に実はこの虎竹を植えちゅう場所があるのですが、虎模様は他の所に植え替えても、どうしてか色付かないのです。まっこと不思議な竹やちや。イギリスBBC放送の方もこじゃんと不思議な顔しちょった。


ほんで、この虎竹を長財布にしちゅうがぜよ。不思議な虎竹やけんど、ある日突然、財布の中に札束があふれるような不思議な事は起こりませんきにどうぞ安心しとうせや。



色彩の宇宙

染色作家西峯久美さん


「これ、凄い!色の宇宙みたいっ!」


こう言うて黒竹万華鏡を手放さんなったがは虎竹染めハンカチなどでもお世話になりゆう、高知は土佐山田町の染色作家、西峯久美さんぜよ。とにかく、のぞき込んだまま万華鏡を動かしたり手をとめたり、


「凄いっ!凄いっ!」


と偉くお気に召した様子じゃあ。まっこと、色を扱うお仕事をずっとされゆうきやろうか?


黒竹万華鏡


ワシもこの万華鏡見た時には今まで見たこともない模様の変化に「ドキリ」とはしたものの、ここまで感動して声をあげることは無かったぜよ。もともとはステンドグラスの作家の方が竹虎の黒竹を使うて面白いものを創作しゆうと聞いて見せて頂いたものが本体に竹虎の黒竹を使うた、この万華鏡やったがです。


西峯久美さん


しかし、何か、目を離したち、まだその世界に入りこんじゅう余韻がある表情。ううん...この万華鏡は、タダものや無いかも知れんちや。

家庭画報さん掲載!竹の快眠マット

家庭画報


昨夜は月がそれはそれは美しく風も涼しゅうて寝やすかったですが、少し前に雨も降ってから何日か続けてムシムシ、ジメジメして、こじゃんと(とても)寝苦しい夜がありました。「こりゃあ、まっこと(本当に)夏が思いやられる」そんな事思いつつお風呂から出ていつものように青竹踏みをしながらウチワを取り出してパタパタ...けんど、扇いでも、扇いでも、汗がひとつも引かんかったがです。


南国土佐と言われる土地柄やきに、とにかく高知の夏は暑いちや。降水量も昨年は日本一、つまり湿度も高いがです。高温多湿の典型的な、日本の夏、これを乗り切るには当然クーラーやけんど今年は電力不足の事もありますろう?びっと(少し)でも節電したい。


そもそもワシは冷房が苦手でやき、自然な涼でゆっくり安眠したいがです。さて、そこでです、雑誌「家庭画報」さんにも掲載いただいた国産天然竹の快眠マット。竹のヒンヤリと心地のよい肌触りを知っちょりますか?昔から夏の暑い時には、竹の寝ゴザは広く使われてきたものですが、竹虎の快眠マットは国産にこだわって製法にもこだわったスグレモノぜよ。この夏は日本の先人の知恵で節電しながら快適に過ごしてみませんろうか。


虎竹の里はどこにある?

虎竹の里


オマンらあ、虎竹の里はどこにあるか知っちょりますか?そうじゃあ、そうじゃあ、ここ、ここ、ここやき。おっと、そうじゃないがぜよ。Googleマップで見たら誰やち分かるちや。もちろん、日本でここにしか成育せん虎竹の生える山はそこやにゃあ。


けんど、どうぜよ?虎竹の里は、場所の事だけかえ?まっことオマンらあ何を言いゆう。


竹虎四代目


ここ、ここ!虎竹の里は、ここにあるがぜよ。


ここの事を虎竹の里と言うがぜよ。ワシの命のある限り。ワシが父親や、義治じいちゃん、宇三郎ひじいちゃんと竹虎天国店で営業する日がやってきたら、また、この虎竹の里の魂は、誰かが受け継いで続いていくがぜよ。ずっと、ずっと、ずっと。

竹スタンドライトの逸品

竹照明


もう十数年前になりますが、ニューヨークのバンブークラフトの作家さんのところに5日間ほどお世話になった事があるがです。大学教授をされゆうご主人さんと会社で働きはじめたばかりの息子さん、そして、竹に魅せられて創作活動をされゆうご本人さん、三人家族のご自宅やったです。


息子さんのお部屋を借りさせてもろうて過ごさせてもらいましたきに、いろいろ新鮮な体験がありましたけんど、まず一番感じたのは、部屋の明るさについてやったです。日本の住宅はそれぞれの部屋の天井に備え付けの電灯があるのが普通ではないかと思いますけんど、そこのお宅には天井の灯りは無くて、部屋のアチコチに置かれたスタンドライトがあり、ソファに座って新聞読むときには横の灯りをつけるデスクで仕事をする時には卓上の灯りをつけるという具合にしちょりました。


だから、はじめて部屋に通された時には何かアメリカの家は全体的に薄暗いにゃと、感じたものです。けんど、2日目からはもう慣れて、むしろ落ち着いてリラックスできるなあと思うたがです。最近、日本では「節電」という事がいわれますけんど、もしかしたらびっくと(少し)明るさを控えて、こんな竹のスタンドライトで過ごされるがもエイかも知れませんぞね。


竹の小枝


まあ、このスタンドライトは職人さんが凝りに凝って創作した一点ものの逸品やき、灯りを点けたり消したりする引き紐じゃあち、この通り、竹の小枝を使うちゃある。まっこと(本当に)職人さんのセンスと遊び心を感じるがぜよ。けんど高額なものやし、もっと普通に使えて、こだわりを感じさせてくれる日本唯一の虎竹を使うた灯りやったら虎竹スタンドライト(丸傘)がありますちや。スモール点灯もできて竹と和紙の組み合わせにホッとすること間違いなしやき。


棕櫚箒

棕櫚箒(シュロほうき)


棕櫚箒などと言うても何と読むのかも分からない方もおられるかも知れませんちや。棕櫚と書いて「しゅろ」と読みます。そうそう、皆さんが良く知っているものやったら束子(たわし)ちや。束子も、この棕櫚を使うて作られよります。一度、束子の製造工程を職人さんに見せてもらいましたけんど、さすがに昔から作られているだけあって棕櫚の特性を活かしながら、ひとつひとつ仕上げていく伝統の技に、まっこと(本当に)驚きましたちや。


棕櫚ほうき


今は電気掃除機になってしもうちょりますけんど、ワシの小さい頃にはどこの家庭にもこんな棕櫚箒があったがです。棕櫚箒は、まず畳のお部屋に使うて、古くなったら板の間で使い、さらに古くなったら土間を掃いて、最後の最後には庭掃き箒として使われよりました。だいたい1本の棕櫚箒が20年から30年はゆっくり愛用できたと地元のお年寄りも言いよりますけんど、お嫁入りした時にお母さんから譲られた箒をずっとずっと使っていた話も聞いたことがありますきに棕櫚の耐久性というは、まっこと(本当に)凄いのです。


竹虎でも袖垣や枝折り戸などにこの棕櫚の繊維を縄にあみこんだ棕櫚縄というものをずっと使いよりますが水にも強くて、雨ざらしの室外でも、棕櫚の丈夫さは他の天然素材では見られんものです。棕櫚皮を採る職人さんはご高齢でおられなくなってしもうちゅうようです。けんど、日本の箒作りの職人さんは細々とではありますが、まだまだ頑張られちゅうがです!


電気を使わずエコでもあるし、マンション等の場合、夜遅くに帰宅して手短にササッとお掃除される時は音を気にしなくていい事が人気の秘密ちや。ワシらあには懐かしゅう見える棕櫚箒が、ひょっとしたら若い方には初めて出会う、新しいお掃除グッズに見えちゃあせんろうか?まさに古くて新しい箒ぜよ。



食べて大満足の蕎麦ざる

虎竹蕎麦ざる


蕎麦ざるも日本唯一の虎竹で編み込んだらこの通り、どうですろうか?ちょっと違いますぜよ。饂飩、蕎麦と並んで言われる事が多いですけんど、どういうワケか、饂飩と違うて蕎麦は妙に高級感というか値段も高めやし、店構えも気軽に入ることのできる饂飩屋さんとはびっくと違うお店さんが多い...そんな感じを受けませんろうか?


初めて訪れる土地で山深い道に迷いそうになって、雨もふりだして、昼間というのに辺りは薄暗くなってくる中、ようやく淡い灯りのついた庵にたどりついたらそこはお蕎麦屋さんやったがです。水車の音の聞こえる茅葺き屋根で大きな天然木のテーブルがあるちや。物静かな店主が一人でやりよって筆文字で書かれたメニューには盛り蕎麦しかないきにそれを頼みます。


しばらくして黙って出されたお蕎麦は竹ざるいっぱいに薄く盛り付けされちゅう!盛り方からびっくと(少し)変わっちゃあるにゃあ、けんど、こりゃあ見た目にもツヤがあってからしっとりして上手そうぜよ。一口食べたらもう止まらん。ズルズル...ズルズルズル...あっと言う間に食べてしもうたちや。


キリリと冷えてまっこと美味い蕎麦やったけんど、こんな世界観のある蕎麦やったら、この虎竹ざるに盛られちょったら、麺を食べ終わってでてくる虎模様の美しさ、竹編みの巧みさ、お客様も目でも楽しめるがやき。食べて満足、食べ終わってからも大満足。さぞ、尚の事、エイがやけんどにゃあ。


草履なら

八割草履


「んんっ?草履ですか」


これからの季節に草履やったら色々とオススメはありますけんど八割BLACK(ブラック)はご存じないかと思います。カランコロン音をたてて歩く下駄はワシも大好きで、日本の夏の音やと思うちょりますが、木製下駄は底の木の台が一枚なので底が柔軟に曲がるゴム底の靴などに比べると歩きにいくがです。


そこで、一昔まえには底の木部に切れ込みをいれてより歩きやすくした八割(やつわれ)という履物がありました。片方の下駄を4つに割っていたので、両足そろえて「八割」ながです。今はほとんど見かける事はないと思いますけんど、その昔はこじゃんと(とても)人気で、職人さんが言われるには、今は亡きき某銀幕スターも映画のワンシーンで履いちょったそうです。


まあ、根強い愛好者の方もおられて細々と続いている履き物ちや。この八割草履を底編みの部分、木製の台の部分まで黒にこだわりオリジナルで作ったのが八割BLACK(ブラック)。歩き心地は普通の下駄とは格段に違います。写真の商品はお客様のご依頼で鼻緒を別誂えにしたもので通常は黒の鼻緒しかありませんけんど、鼻緒の履き物ファンの方は試してみとうせ。


虎竹ゴールド

うちわ


虎竹ゴールドとはなんぜよ?実は、これ土佐和紙メーカーの方が言うた言葉ながです。高知県は綺麗な水が豊富で昔から和紙の産地として知られちょりますけんど、この、せっかくの和紙漉きの技術がありますので、高知ならではの素材、虎竹を高知ならではの技術、和紙漉きで何とか一つの形にしてもらおうと思うて虎竹和紙を作ってもろうたがです。


ほいたら、ほいたら、ぜよ、この和紙がなんともエイ風合いの黄金色に輝きゆうやいか!それを見て、この和紙を漉いてもろうた会社の方が、


「ああ、これは、虎竹ゴールドね!!!」


と、こう叫んだというワケながです。さて、その虎竹ゴールドを黒竹団扇というびっくと贅沢な商品にしてみましたぞね、黒竹うちわと団扇立てのセットぜよ。今年の夏は出来るだけ電気を使わず節電を心がけて自然な涼を楽しむチャンスかも知れませんちや。


知られざる経歴

油田採掘


実は20代の頃、竹を伐るより石油で一山当てたいと思ってネバタ州の採掘現場で2年間働いていた。日本から遠く離れた見知らぬ土地、汗と油にまみれる暮らしの中で知り合った中にアミラという名の女性がいた。ボクの帰国後どこかの富豪の妻となり、ドバイで大きな商売をしていることは風の便りに聞いていたのだが、ある日突然、そんな彼女から連絡がきた。


インターネットで竹虎の商品が目にとまり世界中の自分たちの店舗で取り扱いたいとの商談だ。ああ、そういえば昨年の秋イスラエルから来たという商店主を思いだした。何の連絡もなく、ふらりと会社にやってきて、虎竹の事、竹細工の事をあれこれ調べて帰っていったので不思議に思っていたのだが、彼は下調べのエージェントだったのかも知れない。


彼女の会社の役員の方たちとは東京のホテルで会った。田舎の小さな竹屋としては、目玉が飛び出しそうな破格の金額を提示される。


「サインはここです。」


当然のようの差し出された契約書に目を落としてから作務衣のポケットをまさぐりペイズリー柄のハンカチを取り出した。20数年前、祖父が亡くなった時、遺志を引き継きたいと思って棺から髪の毛を1本とりだし、このハンカチにはさんで、ずっと大事に持っている。ゆっくりと席をたって言った。


「100年の歴史は、お金やないきに。...そうやろう、おじいちゃん」


そのまま羽田に向かい飛行機に乗った。"ドスン"。高知龍馬空港に着陸する衝撃でいつも目が覚める。今日は目覚めたら、自宅のベットだった。


母の買い物かご

白竹八ツ目手提げかご


真っ青な空に白い雲が浮かんじゅう初夏の風が吹き抜ける季節は、暑くもない、寒くもない、若葉も綺麗で、まっこと気持ちがエイが違うちや。いつもやったら車で行く道やけんど、今日はびっくと歩いてみたいにゃあ。別に何ちゃあ無いけんど少しだけ心が弾んだりしますきに五月は嬉しいぜよ。


ほんで、こんな日に持って行くやったらこじゃんと(とても)丁寧な仕事をする、熟練の竹編み職人がつくる白竹八ツ目手提げかご。涼しげな表情は、見ゆうだけでウキウキしてくる、美しい竹肌をさわったら心が豊かになるようちや。


けんど見てくれだけや無いのが凄いところ。20年、30年と使える丈夫さ、白竹独特の飴色に変わっていく、母から子へ受け継いで親子二代で愛用できる。ワシも若いときには、この何にも勝る価値に気づかんとおったけんど、今は違うぜよ。母が使うて古くなった、この買い物かごが実は宝物やと知っちゅうがぜよ。


国産天然竹の快眠マット

国産天然竹の快眠マット


竹林に入って竹に触れたことはありますろうか?「ヒヤリ」。竹の表皮は、硬く、冷たく、清々しいがです。虎竹の古里、焼坂の山で竹を積み込み、汗が流れる身体をスッーーーとクールダウンさせてくれる竹。暑くて寝苦しい夏に、心地よい快眠にいざなう国産天然竹の快眠マットはこんな竹の自然な清涼感を活かしちゅうがです。


襖や障子を開け放し涼しい風のとおる畳の部屋で、チリンチリンという風鈴の音を聞きながら団扇片手にゴロリと昼寝、蚊取り線香の煙がゆっくりただよう様な夏の一日。そう言うたら子供の頃のお昼寝は冷房らあは無かったけんど、心地良く寝れたにゃあ。もちろん、現代と一昔前とでは住宅環境は全然違いますけんど。今年は例年にもまして「昔からの日本人の知恵」を見直してもらえる夏になるかも知れんちや。


竹皮スリッパ作り

竹皮スリッパ


「これは綺麗な仕事しているね。」


もう何年前の事になりますろうか?竹皮スリッパを手に取ってこう言うて褒めて頂いたのは、あるサンダルメーカーの社長さんでした。竹皮スリッパのEVAスポンジは機械で型抜きしちゅう訳ではなく、こうやって一足一足、竹皮に合わせて削りゆうがです。けんど、この削り出した作業が丁寧で、手削りしたとは思えないと社長さんは言うてくれたのです。


実は最初の頃の試作はワシがやりよりました。不器用なもんやきに何度やっても上手く削れず失敗の山やったにゃあ...。けんど、最初の一足が仕上がった時には、今のような完成度の竹皮スリッパでは無かったけんど、嬉しくて、嬉しくて、皆に見せてまわったもんぜよ。集塵機などの設備も無いし、ホコリが工場に舞うという事で外でしろと言われ、夜になり、コカコーラの自動販売機の灯りの下で真夜中まで、何度も何度も削りよった事も今は、まっこと懐かしく思いだされるがです。


「これは綺麗な仕事しているね。」あの社長さんの言葉は今でもハッキリ覚えちゅう。まっこと、ありがたい言葉やちや。



竹炭INラスベガス

竹炭


なんとアメリカのラスベガスで竹炭ぞね!ラスベガスというたら大都市で、ギンギラギンのホテルが建ち並び、カジノがあって、不夜城のような明るさで...そんなイメージしかありませんでしたが、なんと、なんと、竹虎の飲料水用竹炭を愛用いただくお客様がおりますぞね!


まっこと(本当に)嬉しいち、何ち、感激しますぜよ。行った事もないでので、どんな所かも知りませんけんど、もうすぐ30度を越える気温になるそうです。浄水器を付けられちゅう言う事でしたが、水分補給が欠かせない土地柄やき美味しい水を飲みたくて、わざわざ日本からの竹炭を愛用いただいているのです。送ってもろうた写真のポットには、なみなみと水が入っちゃある。さすが、日本ではあまり見かけないポットですけんど、後ろに写る家並みはラスベガスと言われないと分からないような静かな住宅街ちや。


けんど、こうやって太平洋をはさんで遠く離れた異国の地で竹炭が役立ちゆうとは...!日本の竹にこだわり、土窯にこだわり、高温にこだわり、銀色に輝く最高級の竹炭をこれからもご提供続けていきたいと、改めて、こじゃんと(とても)やる気になってきましたぞね!!!ありがとうございます!


Tシャツアート展

Tシャツアート展


今は町が合併して黒潮町と言いますけんど、ワシらあにとったら、やっぱり大方町の方が通りがエイがですが。この大方町には素晴らしく美しく広大な砂浜があるがです。サーファーたちのメッカのようになっていて、たまに行くと全国各地のナンバーの車がズラリと並んでいて、いつも感心するほどやき。


さて、この砂浜でゴールデンウィークに恒例となっちゅう一大イベントがTシャツアート展ぜよ!何ちゃあ無い砂浜を、美術館に見立てたまっこと奇想天外な、何ちゃあ無いからこそ生まれた、そう、高知県みたいな所やきに出来る最高のパフォーマンスかも知れんちや。砂浜を裸足で歩く、座る、寝る、潮風を感じて、ただそこに居るだけで身体も心もスッーと透明になっていけそうじゃあ。まっこと(本当に)自然の力ち、偉大ぜよ。


ピクニックバスケット


五月の連休も、あと少し。海もエイ、山もエイ。いつもの街を離れて大自然と寄り添う静かな時間やったら持っていく道具にも大人のこだわりがあってもエイですろう?ワシがイチオシするのはこんな竹のピクニックバスケット。いやいや、まあ、この弁当箱を提げて芝生に座ってちや。いつもの景色とは全然違う、本当のおまんが見えるかも知れませんぞね。


草履ペアルック

草履


いよいよ草履がエイ季節になりました。竹虎で草履いうたら竹皮草履ですけんど、国産の竹皮草履は、活用されていない里山の竹を昔のように皆様の生活に役立てる事にもなりますし、ベタつかない夏場の足の気持ち良さや抗菌性などの機能性がありますきに、自然にも人にもやさしい最高の室内スリッパやと思うがです。


だから、びっと(少し)でも沢山の方に知ってほしい、日本の素晴らしい伝統の履き物をお伝えするのがワシの使命と言うてもエイがです。この親子を見とうせちや!これは、竹皮草履にUVAスポンジ底をつけた竹皮スリッパですけんど、仲良うに履いてポーズを取ってくれちゃある。まっこと(本当に)ワシらにとったら嬉しい親子連れサポーターさんぜよ。


築130年の古民家とモダンな竹スツール

虎竹スツール


築130年という雰囲気の、まっこと(本当に)エイ古民家に虎竹スツールを持って行ったがです。もともと板の間や月見台があるので、そちらに置いてみたら、周りの感じにもマッチして、この虎竹スツールの良さがでるろうか?そんな事を思うちょりました。


けんど、竹ち凄いちや。げに、まっこと凄いがです。畳の和室に運び入れたところ、


「ありゃあ...、こりゃあ...、しっくりくるぜよ!」


思わず声に出てしまいました。日本の家は木と紙で出来ちゅうと聞いたことがありますが、何を隠そう竹も天井から、壁の中から、床の間など、いろいろと多用されてきましたきに、スツールという現代風のモダンな形になった「竹」も素材の力があるがですぞね。畳の上に置いただけで、そうじゃあ、そこにあるだけで存在感あるオブジェのような輝きを増すがです。


月見台の虎竹スツール


今度は外の月見台に運んでみました。心地のよい日差しの中、こんな虎竹スツールに座ったら自然と笑顔になってきて、話は勝手に弾みだしますぞね。

作務衣の黄金週間

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さて、皆さんは会社では何を着ちょりますか?まあ、スーツが一番多いろうにゃあ。それから、工場らあやったら作業着とか、職場によったらユニフォーム、制服があるかと思います。ワシのように作務衣で会社に行って一日すごす方は、あんまりいないかも知れんません。そう、だからお寺の住職さんに良く間違えられるがです。あと、蕎麦職人...。


けんど、シャツにネクタイして革靴履いて言うたら今年の夏からは冷房の温度を上げるとか、より一層の節電が言われちょりますきに、暑うて、暑いて仕事の効率が落ちることないろうか?いっそう、みんなあ作務衣にしたらどうぜよ(笑)ほいたら涼しきに、履き物も革靴やめて代わりに竹虎の竹皮男下駄で電車に乗りませんかえ...。まあ、無理やろにゃあ。


ほいたらじゃ、せめて休みの日はどうやろう。こうやってワシのように作務衣を着て、心地よい五月の風を感じながら若葉の中を歩きませんか?いつもの疲れもスッーーーと飛んできますぜよ。お父さん、オマンに言いゆうがぞね。