箕


竹細工はもともと農作業になくてはならない道具やったがです。先月、東北学院大学と国立民族学博物館の先生が鰻うけの作り方を調べに来られていたましたけんど、似たような竹細工でも、その地方、その地方で形や作り方が微妙に違うて興味深いと言うちょりました。骨董品屋さんなどで古い竹細工をみつけては集めらているとの事やったですが、その形や編み方で、どこで作られた竹細工か分かるそうです。


ワシも、そこそこは分かるつもりでしたけんど、別の大学の先生の本を見せてもろうた時に、箕だけでもいったいいつの時代のものやろうか?言うような物の含めて数十種類ならべられていて、さすがに舌を巻いたことがありましたちや。


さて、高知で作られる箕(手箕)の特徴言うたらこの持ち手部分の棕櫚巻きぜよ。竹の縁をワラと棕櫚で補強して丈夫で使いやすいようにしちょります。棕櫚は、棕櫚箒や束子に使われちゅうように、水にも強くて耐久性のある自然素材やき、昔はこじゃんと(とても)重宝されたと思うがです。今は真新しいこの手箕も、いずれ渋い飴色となって役目を終えた後は、もしかしたら、どこかの資料館らあに飾られる日が来るかも知れんちや。


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