虎竹の古里、焼坂の山道を行きよったら、道端に、こうやって丸太を無造作に寝かした箇所がいくつかあります。そうちや、年柄年中こうやって同じ場所に丸太が横たわっちょります。まあ知らんかったらあんまり気になることも無いかも知れませんけんど、これが虎竹の伐採シーズンになったら竹林から伐り出されたばっかりの虎竹を積み込んでおく場所になるがです。だいたい2トントラックに一車分ばあ出たら連絡が入って山出しにでかけます。
ワシが現場で入社したばっかりの頃は、毎日、毎日、トラックに揺られて山道を登っていっては竹を積み込んでは、土場に戻ってきて下ろすゆう作業の繰り返しで、虎竹の里の山から山へ一日中駆けずり回りよりました。寒い時やきに、こじゃんと(とても)厚着しちゅうがやけんど、竹の積み込みは大変な重労働やきに汗が噴き出してきて、一車積み込んだ頃にはいっつもTシャツ一枚になっちょった。
積み込んだ竹の山に腰をおろして社員のおんちゃんらあと一服しよったら、どこからとも無く小鳥の鳴く声が聞こえてきて「お疲れさん、お疲れさん」、すぐそこの小枝で言うてくれゆう気がしたちや。通りかかった農家のおばちゃんから頂いたミカン、今思いだしても、あんな美味いミカンは無いちや。冷とうて、みずみずしくて、甘かった...。一休みが終わって山の麓にある虎竹選別用の土場や稲を刈り取った田んぼに竹を下ろしたら、今度はまた山の職人さんの出番じゃあ。1本、1本、色合い、太さ別に選り分ける作業が始まるがぜよ。
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