今年も白竹の湯抜き作業が始まりましたちや。筒状の長い釜でお湯を沸かしちょいて、そこに真竹を入れて竹の油分を取り除いていくがです。そうですぞね。竹虎いうたら何と言うたち虎斑竹だけやけんど、こうやって湯抜きして白竹も製竹するがですきに。湯気がもうもうと立ち込めるなか声がかかります。
「おーーーい、もうびっくと(少し)沸かしとうせや」
一人の職人が釜の焚き口に降りていって、工場で出来た竹の切れ端を放り込みます。こんな竹の端材が、こじゃんとありますきに、こうやって釜にくべるがには困らんがぜよ。
おっと、沸いてきた!沸いてきたちや!あんまり沸きすぎないように調節もしながら、頃合いをみて釜から竹を一本、一本出していきます。おおの、エイ香りやにゃあ。沸き立つ湯気に竹特有の甘い香りがするがぞね。ほんでから、釜から出した真竹を布で綺麗に拭きあげていきますと、何とも淡く、やさしい若草色になるがです。
そうぜよ、そうぜよ。湯抜きしたばっかりは、こんな色目をしちゅう竹が、天日干しをしゆううちに色が落ち着き、皆さんが見たことのある白竹の色に変わっていくがです。外で天日や風に晒して作る竹やきに、白竹の事を晒し竹(さらしだけ)と言う事もあるがです。
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