究極のベット

渡辺竹清作万年筆入れ


はじめての方がおったらイカンきに、説明しちょきますけんど、ニューヨークの超有名宝石店T社に作品を提供しよった渡辺竹清先生いう方がおられます。世界にその技を認められた巨匠やけんど、こじゃんと(とても)気さくな方で、ワシも、たまに遊びに行かせてもらうがです。


祖父からのお付き合いやきに、行ったら色々教えてもろうたり、食事に誘うてもろうたり、本当に良くしていただいちょります。これも、祖父そして父と三代にわたる長いお付き合いがあるきやにゃ、感謝せなあイカンぜよ。ほんで、この間は、いつものように作品を出して拝見させていただくうちに、


「これ、もって帰り」


言うて、いただいたがは何と別誂えでこしらえた万年筆入れ。たった一つしかないものやったきに、恐縮してもらわんのが普通やけんど、先生がもって帰り言うがは、


(もって帰って、墓前のおじいさんに見せなさい)


という事やろう思うて、いっつも遠慮もなしに頂いてくるがです。


煤竹万年筆入れ


けんど、見れば見るばあエイちや。まっこと、この間らあ、見ゆうだけで何か知らんけんど、泣けてきたぜよ。さて、ベットの話じゃ、ベット言うたち人が寝るベットやないですきに。この万年筆入れには、先生の奥様お手製の座布団が入っちゃある!これが、万年筆のベットじゃ、ベット。この究極のベットに仕舞うペンいうたら...


虎竹ペンの究極のベット


これしかないぜよ。虎竹ペン


「オマン、どうぜよ、寝心地は?」


聞いてみたけんど、こりゃあ、メッタ(困った)。あんまり高級すぎて、虎竹ペンも緊張して寝れん言うがぜよ。


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