オベンターも弁当男子も

ウィスキーの基礎知識


まっこと、ありがたい事に、最近、また雑誌にとりあげてもうろたがです。ひとつはエイ出版社さん「ウィスキーの基礎知識」いう本ちや。基礎知識いうたち、こじゃんと詳しゅうにウィスキーのことを解説しちゃある。ウィスキーの種類はもちろんやけんど、歴史から製法、たずさわる人々まで、なかなかディープな世界を垣間見せてくれる面白い本ぜよ。バーテンダーさんも読みそうな、本格的なプロ用の本ながです。そんな、この本で竹虎の竹の水割りセットを掲載してもろうちょります。


お弁当日和


それから、もう一冊。これが、又なかなか楽しゅうて主婦の方だけやのうて、最近言われゆうオベンター、弁当男子、みんなあ泣いて喜びそうな本。イカロス出版さん「まいにちお弁当日和」ぜよ!ワシもペラペラと、びっと(少し)だけ見るつもりが、あんまりカラフルな弁当の世界に引き込まれてしもうてから、しばらく時間を忘れちょりました。作り方らあは、さっぱり分からんけんど、あの、小さいお弁当の枠の中にはあなどれんような、未知のワールドが広がっちゅう言うことは分かりましたぞね。


けんど嬉しいがは、お弁当をこれだけ、こだわって紹介しちゅう本に、竹細工の弁当箱が4個も掲載してもろうた事ですちや。白竹二段ミニ弁当箱 ピクニックバスケット白竹ランチボックス虎竹六ツ目弁当箱。それぞれ竹編みが、かすんで見えるような、美味しそうで、うきうきしてくるお弁当ばっかりぜよ。お弁当ひとつで心が弾むがやきに、朝の忙しいときに頑張って作る甲斐があるいうもんじゃ。まっこと、まっこと。


炭塗料の実験

実験室


今日は又変わったところに来ちゃあせんかよ。そうながです、竹屋のワシには全く似合わん部屋に来てしもうたちや。学生時代にやった覚えが微かにある理科の実験以来。見たこともないようなビーカーやら、訳の分からんフラスコやら。まっこと(本当に)一体なんやろうか言う薬品も置いちゃあるし...。けんど、今日ここに来たがは実は炭の実験のためながぜよ。


炭の効能はシックハウス対策とか消臭効果とか色々と言われちょりますが、どれくらいの効果なのか?もちろん立派な機関で実験したデータもありますけんど、やっぱり、一回はワシ自身の目で見てしっかり検証したいと思うちょったがです。そこで今回、沢山の方に協力いただいて、一つの実験をすることになりました。


炭塗装ガラス板


詳しい説明は後日ページにも記載しますきに、こじゃんと(とても)簡単にご説明しますと、ガラス板に炭塗料を塗って乾燥させたものを用意します。


ホルムアルデヒド


密閉された空間に炭とホルムアルデヒドをいれて、時間の経過を計りながら、容器の中の濃度を測定していくがです。


吸引


時間がきたら検知管を取り付けた吸引機で空気を採取していくがですけんど、この機械を引くのが、まっこと骨がおれる。とにかく、重いがです。ワシくの女性社員やったら二人がかりでやりよりました。


検知管


この測定に使う検知管には低い濃度用のものと、高濃度用と2種類がやけんど、色がハッキリ変化して今の濃度を教えてくれます。今やったら、ちょうど2ppm言う事ぜよ。


ブランク試験いうてから、炭を入れずに、まったく同じ環境、同じ時間、同じ間隔で測定したり、まだまだ実験途中やけんど、ホルムアルデヒドの吸着には指導してくださった職員の方も、びっくと驚くばあの良い成績やったきに、ワシも、「やっぱり」と納得すると共にまっこと嬉しかったちや。竹炭も、もっともっと家の中でお役にたてる事があるにゃあ。ある、ある。まっこと、あるぜよ。


年賀状25年

職人さんの手


ワシは地元の明徳中学、明徳高校やったがですけんど、全寮制いうこともあってから全国から生徒が集まっちょりました。それから、大阪の大学に行きましたけんど、大学じゃあち、いつまでも自分が大阪におる訳やない。地方から来ちゅう友達もいっぱいおったがです。ほやき、中学時代から大学までの友人は結構日本全国各地に散らばっちょって、なかなか会う機会もないきに、年に一回近況報告もかねて写真入り年賀状を作ることにしたがです。ちなみに、これが今年、寅年に出した年賀状ぜよ。


虎年


一番最初の写真入り年賀状は大学4回生の時やき、もう、25年も前のことながです。そんな年賀状の中で、何年前やったろうか内職のおばちゃんの手がエイにゃあと思うて、一枚写真を撮らせてもらいました。


手


「宝。」


この時の年賀状に印刷した言葉です。ずっとこの道一筋、同じ仕事を続けてきた人の手。竹を自由自在にあやつる働き者の手。「手ち、人やにゃあ。」竹の香りに包まれた作業場で思うちょります。


大きな塗り脱衣かご

塗り脱衣かご


塗り脱衣かごで、びっくと(少し)サイズの大きなものが出来んろうか?浴衣でも、寝間着らあでも二人分ばあは、ゆっくり入れられるものがエイにゃあ。そう思いながらも実は竹の素材等の関係で、なかなか上手いことイカンかったですけんど、なんとかご紹介できるばあ製作できるようになったがです。


やっぱり、これくらいのサイズがあったほうが使い勝手がいい事が多いかも知れんちや。結構厚みのある竹を使うちゃあるせいか、重さもあってなかなかガッチリ、しっかりエイ脱衣かごになっちょります。


謎のビニールパイプ

ビニールパイプ


職人さんの仕事場に行くと、長いビニールパイプが置かれているがです。そういえば、前に別の工場に行った時にも気になっちょった...。5~6メートルばあはあるろうか?一体何に使うパイプかずっと疑問に思うちょったがです。


そこで聞いてみると、なんと、長いひごを使うて竹かごを編む時に、乾燥を防ぐためにビニールパイプに竹ひごを入れておくそうです。編み込む竹細工によっては、これっぱあ(これほど)長い竹ひごを使う事もある言うことながです。謎と言うばあの事もないけんど、おおの、びっくと(少し)スッキリしたちや。

虎竹スツール

虎竹スツール


「どうで、エイろうがえ?」


工場長が試しに座ってみているのは、新しく出来た虎竹スツール。竹を編んだもので、これくらいの大きさになったら、さすがに、それだけでも存在感があるちや。ましてや、虎竹。その風格たるや、まっこと、まっこと、工場長や無くても座ってみとうなるがぜよ。


下がシュッとしぼまったリンゴみたいな、まるみのある優しい形といい、おおの、こじゃんと気にいった。びっくと(少し)広めの部屋やオフィスでもエイけんど、ひとつ、ふたつ、こんなスツールがあったらそりゃあ、たまらんぜよ。日頃、竹細工はイヤ言うばあ見て、触りゆう店員も、ビックリして近寄って興味津々ながです。


苔むした竹

苔をむした竹


おおの、まっこと(本当に)しんどいちや。この山道いうたら、曲がりくねって、坂はきつうて、周りは、うっそうとした木々が生い茂っちゃある。おまけに、荷物は重い。まいった、こりゃあ、汗が流れ落ちるちや。


と、そんな時、フッと目の前に表れる水飲み場。まっこと、ありがたいちや。おおっ!こりゃあ冷とうて気持ちがエイが違う。こじゃんと(とても)生き返るぜよ。砂漠でオアシスに出会うたような感じ。谷間の冷たい水を引くホースを竹に通して飾るだけで、これだけ受ける印象や心地よさが違うがはワシだけやろうか?これが黒いビニールのホースだけやったら、どうじゃろうか?かなり前にしつらえた様で竹には苔がむしちゃある。若い青竹やった時には、それは、清々しい感じやったろうと思うがです。


けんど、年月を重ねたら、重ねたで、竹ならではの古び方があるがぜよ。まっこと竹には、人を引きつける不思議な魅力があるがやにゃあ。こんな人が、竹みたいな人が、おまさんらあ(あなたたち)の周りにもおらあせんですか(いるのではないですか)?


虎竹照明

虎竹照明


照明はやっぱり灯りが入ったら本領発揮やにゃあ。けんど、どうぜよこの虎竹照明丸傘ライトは?電気が灯って無くても竹のライン。エイですろう?なんせ、虎竹ですぞね。それに土佐和紙職人さんに厚めに、しかもコウゾの繊維を粗めに残して手漉きしてもろうた土佐和紙を貼っちゅうきに、まさに、高知の特産品ながちや。


竹の灯り


灯りがついたら、やさしい雰囲気がお部屋を包むようちや。和紙の陰影もこじゃんとエイ。


竹照明丸筒ライト


虎竹照明丸筒ライトはクリア球がついちゅうけんど、電気を入れたら、この通り。


竹照明の影


天井に竹編み模様が浮かびあがるがちや。こりゃあ、最近は日の暮れが早うなりましたし、まっこと早うに家に帰りとうなる竹照明ぜよ。


宝船

雨模様虎竹の里


今日の虎竹の里は今にも泣き出しそうな空模様ぜよ。チロリアンハット言うがやろうか、コーデュロイの帽子をいっつもかぶっちょった。今でも目をとじたら、あの土場で竹を選りゆう姿がうかんでくるちや。虎竹の里の名士みたいな、おんちゃんやった。小さい頃から身内みたいに、


「ヨシヒロよ......。」


呼び捨てにしてくれる最後の山の職人やった。祖父とは仲が良うて、山仕事がない時らあはいっつも店で座っちょった。お別れ言うて靴を履きよったら、壁に丸窓があるやいか...。色あせて、こじゃんと(とても)古そうやちや。


「この家を新築の時、おじいさんから頂いたがみたいちや」


お家の方の言葉。分かっちゅうきに、その通りぜよ。今はもう、こんな凝った作りの出来る職人さんもおらんけんど、同じ、波を切ってすすむ船出の丸窓はワシくにもあるきに。


竹の宝船


けんど、この船は、ただの船や無いぜよ。宝船やちや。それも全部竹で出来た宝船じゃ。おんちゃんにピッタリやろう、どんな宝の土産話を積んで逝ったろう。今ごろ空の上で祖父と久しぶりに笑うて話ゆうろう。


宝


そんな事思いながら会社に帰りついたら、社員の初孫が遊びに来ちゃあるやいか。まっこと(本当に)可愛いぜよ。


「宝やにゃあ......。」


受け継がれていく生命。受け継がれてきた虎竹の里で116年の歴史。どうやって次の世代に残していくのか、ワシに何ができるのか。おんちゃんよ、おじいちゃんと日向ぼっこでもしながら、ゆっくり見よっとうせや。ワシはこれから、竹虎四代目になるがぜよ。


イスラエルのお客様

イスラエルのお客様


「日本の手仕事の店をやりたいのです。」


流ちょうな日本語でオフェルさんは話かけてくるがです。なんと、話を聞きよったら、はるばるイスラエルから来た言うじゃいか。「まっこと、ホンマかよ、たまげるちや。」ちょうどテレビ局の方が来て取材の最中やったけんど、遠くから来られて、


「虎竹の模様が素晴らしい」


言うてくれるもんやきに、ついつい話こんでしもうたがです。横でカメラも回りよったみたいなきに、こりゃあ、オフェルさんも番組に出るがやないろうか?


竹編み取材


竹かごを編みゆうところを見てみたい言いますきに、取材の方らあと一緒に、あれこれ見学もできて、はるばる来られたかいはあったと思いますぜよ。それにしたち日本語が巧いちや。


「日本に何年か住んでいました」


なるほど、ほんでかえ。けんど、話はそこそこ出来るがですけんど、虎竹和紙をどうしても理解できんみたいやったきに、テレビ局のカメラマンと音声さんがそれぞれフランス語と英語がペラペラじゃ言うきに話てもろうたちや。虎竹を割って溶かして細い繊維にして手漉きにする、土佐和紙の伝統のある高知ならではやけんど、う~ん、まあ、分かりにいくろうにゃあ。ところで漢字が読めん言いよりましたが、唯一覚えた文字があるとのこと。聞いてみたら、


「竹」


まっこと、オフェルさん、凄いぜよ!


青竹箸

青竹箸


青竹の色を付けたようなお箸は、あんまり好きやないがです。けんど、この青竹箸はいままでの竹の表皮に塗りをするといがではなく、薄く表皮をはいで塗りを施しちゃある、耐久性を考えた職人さんのこだわりを感じたがです。ご存じの方もおられる様に、青竹は、切ったばっかりの時には青々しい。すぐに色が悪くなって使えなくなるがです。


そりゃあ、本当は自然の若い青竹を切ってきて使うのが一番ぜよ。お箸だけでは無うて、お猪口や、酒器などに作ったら、まっことエイもんやけんどまっこと(本当に)短い期間しか使えない贅沢な容器ちや。前にお伺いしよったホテルの料理長さんも、青竹は大きな冷蔵庫に保管して変色を気にしよった。けんど、それでも、やっぱり色合いは日ごとに悪うなるがです。


まあ、裏山に竹林があるようなお宅やったらエイけんど、今の日本はそんなご家庭はほとんど無いぜよ。ほんで、この青竹箸は繰り返し使えるように、塗りにしちゃある。色合いも、それほど不自然やないきに、お正月や、清々しさを演出したい食卓で気軽に使えると思うちょります。


昔の弁当箱

昔の弁当箱


最近はお弁当を自分で作る男の人がおる言うけんど、こんな話を聞きますと、まっこと、世の中は変化を続けゆうよ、と思うがです。この前も虎竹ランチボックスを、男性の学生さんが見に来られちょったけんど、自分で使いたい言いよりましたぞね。


まあ、ワシの若い頃は、あんまり自分で自分の弁当を作るいう感覚はなかったです。お弁当自体あんまり持つこともなかったきかも知れんちや。さて、本店の棚の奥には、こんな網代弁当箱があるがですちや。結構古い時代のもんやけんど、なんと中には金属製の容器が入っちゃあるきに、こじゃんと実用的に作られたものながです。


弁当箱の取手


紐を通す金具が又何ともエイちや。子供の頃、家にあったタンスの取手みたいぜよ。懐かしゅうて、格好がエイ、昔からずっと続く形いうもんは、やっぱり永遠やにゃあ。


ハエ叩き

ハエ叩き


棕櫚(しゅろ)箒は、みなさんご存じやと思います。棕櫚からはタワシなども作られよりますし、竹虎では枝折り戸作ったりするのには棕櫚縄と言うて棕櫚から作った縄を使うがです。ほいたら、棕櫚とはどんな植物が知っちょりますか?


もともと暖かい地方の植物のようなので、あまり寒い所や高い山には少ないかも知れませんけんど、高知らあではどこの里山に行っても普通に生えちゅう木です。葉っぱが、ちょうど手の平を広げたような形をしちょります。先日職人さんの仕事場にお邪魔したときに、


「これ、持って帰り」


言うて、お手製のハエ叩きを頂いたがですけんど、実は、このハエ叩きが実は棕櫚の葉で出来ちょりました。ずっと昔は、棕櫚も色々な製品に加工されていて、ハエ叩きも、いっぱい製造された事があるようですが、今ではこんな味のある逸品にはお目にかかれんちや。使うには、あまりにももったいないきに、飾りとして大事に置いちょきますぞね。


竹炭シューズキーパー

竹炭シューズキーパー


新しく作った竹炭シューズキーパーにはベロが付いちゅう。ベロとは靴のカカトの所に見えゆうビロビロの事ぜよ。シューズキーパーを取り出しやすい工夫ながです。今年の夏は暑かったきに、ムレムレの連続で、靴も、こじゃんとダレちゅうちや(とても疲れている)。消臭も、じめじめも、竹炭シューズキーパーに任せちょいてや。


都会で出会うた竹林

もぐら庵さん


もぐら庵の先生と出会ったのは、もうだいぶ前の事やにゃあ。あれは東京やったけんど、ぶらぶら歩きよったら偶然に通りがかって、まず、目に飛び込んできたがは、清々しい竹林。ぬくもりのある笑顔。こじゃんと(とても)楽しそうながちや。観ているうちにグイグイと引き込まれてしもうたぜよ。優しくて、ユーモラスで、懐かしゅうて、エエにゃあと思うて、お願いして一枚、描いてもらうことにしたがです。


竹林の虎


半年ばあ経ってから、もぐら先生から届いた絵は、ワシの思うた通りの絵になっちょった。竹林に虎で竹虎、そのまんまじゃあ。


「感謝の気持ちを忘れないように、ありがとうの言葉をいっぱい入れちゅう」


なんちゃあ無い、いつもと変わらん毎日に、心から感謝したいと思うちょります。先生、まっこと(本当に)ありがとうございます。


究極のベット

渡辺竹清作万年筆入れ


はじめての方がおったらイカンきに、説明しちょきますけんど、ニューヨークの超有名宝石店T社に作品を提供しよった渡辺竹清先生いう方がおられます。世界にその技を認められた巨匠やけんど、こじゃんと(とても)気さくな方で、ワシも、たまに遊びに行かせてもらうがです。


祖父からのお付き合いやきに、行ったら色々教えてもろうたり、食事に誘うてもろうたり、本当に良くしていただいちょります。これも、祖父そして父と三代にわたる長いお付き合いがあるきやにゃ、感謝せなあイカンぜよ。ほんで、この間は、いつものように作品を出して拝見させていただくうちに、


「これ、もって帰り」


言うて、いただいたがは何と別誂えでこしらえた万年筆入れ。たった一つしかないものやったきに、恐縮してもらわんのが普通やけんど、先生がもって帰り言うがは、


(もって帰って、墓前のおじいさんに見せなさい)


という事やろう思うて、いっつも遠慮もなしに頂いてくるがです。


煤竹万年筆入れ


けんど、見れば見るばあエイちや。まっこと、この間らあ、見ゆうだけで何か知らんけんど、泣けてきたぜよ。さて、ベットの話じゃ、ベット言うたち人が寝るベットやないですきに。この万年筆入れには、先生の奥様お手製の座布団が入っちゃある!これが、万年筆のベットじゃ、ベット。この究極のベットに仕舞うペンいうたら...


虎竹ペンの究極のベット


これしかないぜよ。虎竹ペン


「オマン、どうぜよ、寝心地は?」


聞いてみたけんど、こりゃあ、メッタ(困った)。あんまり高級すぎて、虎竹ペンも緊張して寝れん言うがぜよ。


豆腐かご

豆腐かご


「前は、こんな籠はいくらでも作りよった」


職人さんはソファーにつくろぎながら、昔を懐かしむように、いつも、そんな話を聞かせてくれるがです。今はお豆腐と言うとスーパーに買いにいくものですが、豆腐屋さんが自転車に豆腐をのせて、売りに回るという時代もあったがです。だから、今のように行楽に絶好の季節にはピクニックバスケットとして、お弁当箱などに愛用されることの多いこのような角籠は豆腐かごと呼ばれちょったがです。


ええ、もちろん、お豆腐を買いにいって持ち帰るための竹籠です。日本全国には、このような角物だけでなくて、実にいろいろな形の豆腐かごがあったがですが、今では、もうほとんど残ってはおらんがです。角物も豆腐かごとして使われる事が少なくなってからは、小物入れやら、ティシュカバーやら、色々製造されよりました。


竹小物入れ


ありゃあ、竹虎の事務所にも昔から使いゆう小物入れがありましたちや。書類を一杯詰め込んで、普通に置いちゃあるきに見過ごしちょりました。そういえば思い出したけんど、ワシの小さい頃はこのような豆腐かごと同じ技法の生活雑貨が色々あったちや。そうじゃあ、そうじゃあ、しばらく忘れられちょった感がありますが。今、また自然の竹を使うたお弁当箱やら、ピクニックバスケットやらを、見直してくれる方も少しづつ増えてきてこじゃんと(とても)嬉しく感じちゅうがです。


BSジャパンぜよ

矯め職人取材


「竹は、一節、一節こうやって、こう矯めるぞね」


職人さんの説明を、カメラ片手に熱心に聞き入るディレクターさん。ワシも人の事は言えんけんど、東京の人に、おんちゃんの、こじゃんと(とても)濃い土佐弁は分かりゆうろうか(笑)


竹虎工場


実はこんど、BSジャパン「ふるさと発 元気プロジェクト」言う番組で、日本唯一の虎竹の里を取り上げてもらう事になったがです。


30分番組やそうなき結構長いぜよ。ほんでやろうか?下調べの取材も、なかなか詳しゅうにやるちや。今日で2日目やけんど精力的にアチコチ回りよります。


山の職人


竹虎の工場や、ワシらあのやりゆう仕事はもちろん紹介してくれますけんど、日本でここにしか生育しない虎竹の山々、そして、そこで親の代から受け継いでもくもくと竹を伐る山の職人さん達を全国の方に観てもらいたいと思うちゅうがです。本格的な取材撮影は来週じゃあ、まっこと楽しみぜよ!


山科の蕎麦屋

高月


車が一台ようやっと通れる細い道はハイキングコースにもなっちょって、このまま山越しに歩いたら南禅寺まで行けるがやそうです。南禅寺と聞いたち、ここは京都山科区やきに、普通はどこかさっぱり分からんところやけんど、たまたま白川通り言うところで道に迷うて、


「困ったにゃあ......」


そう思うてキョロキョロしよったら、見知らぬ観光のお客さんが、


「あのう、南禅寺にはどう行ったらいいでしょうか?」


(ええっ!?ワシに訪ねよりますか......?)


丸刈りで作務衣やきに、てっきり近くのお寺の人と思うたみたいです。ご年配の方やし、田舎者のワシに聞いてくれてますのでこりゃあ、何とかせなあイカンぜよ。と、地図を探して探して、どうにか説明終えたら、今度は違う人が近づいてきてから


「哲学の道は、どこですか?」


「........................!」


まっこと、大変やったちや。けんど、そんな事があったお陰で、このお寺の名前と位置は、だいたい分かっていました。ありゃりゃ、結構車で走ったみたいなけんど、どうやら、京都の街からはそんなに離れちゃあせんみたいぜよ。


山科竹林


まあ、それはエイけんど、さすが京都じゃ。それにしたち竹が多い、まっこと多い。川のせせらぎを聞きながら、坂を上がっていく山側の道にも竹。ほんで、たどりついた舗装されていない駐車場。目の前にも竹林が広がっちょります。こんなに竹に囲まれながら車から降りると、なんやら、竹の積み込みに来たみたいぜよ。


天井の上の煤竹


そんな事を思いながら歩いていくと、移築された言う立派な茅葺きの民家があるがです。囲炉裏も残っちょって、ごっつい梁の上の天井には煤竹が並んじゅう。古い民家のどっしりした造りと、光を適度にさえぎっちゅう明るさ加減。窓の向こうにえみる紅葉。静かで落ち着いた雰囲気が、どうも、いつもの蕎麦屋さんと違うて緊張するけんど、まあ、たまにはエイろうか?


お品書き


何から何まで気配りのきいたお店やけんど、何と言うたち入り口の手間にあった、お品書きを書いた紙を挟んでいた竹。竹を上手に活かしちゅうと、感心するがです。そうそう、店から帰りがけに、歩いてきた見知らぬお客様に聞かれました。


「予約の時間より早う着いてしもうたけど、入ってよろしいか?」


まっこと、ワシは、お坊さんか、食べ物屋の人か、どっちかに見えるみたいながです。


鳥の巣?

黒竹照明


黒竹と言うたら色目が黒いので黒竹言うがちや。まっこと、分かりやすいですろう?小枝も当然黒っぽくて、他の竹に比べても美しく繊細なものやきに、普通の方は、あんまり気にして見る事は無いかも知れませんけんど、たとえば旅館さんや、和食屋さんの料理のちょっとした演出とか、実は色々な細工に使われちゅうがです。こんど機会があったら是非気をつけて見てみとうせや。


竹虎では黒穂いうて、この黒竹の小枝だけを素材としても、全国の職人さんにご提供させてもらいよります。ほんでウチの黒穂を使うて、こんな作品を製作したそうながですけんど、こんな球形はびっと珍しいちや。鳥の巣か何かやろうか?と思うたぜよ。おっと良う見たら、これは中に灯りが入っちゃあるきに照明やにゃあ。そうか、そうか。この中から光ったら、竹の小枝の重なりがこじゃんと(とても)面白うに灯る事ですろうちや。


虎竹の里の笑顔

竹虎四代目


まっこと(本当に)、ありがとうございます!先日のブログで「日本ドキュメンタリー動画祭」の事を書いちょったら、どんな、動画ができましたか?言うて聞いてくれるがぜよ。こじゃんと(とても)、嬉しいちや、嬉しいちや。


けんど断わっちょかんとイカンがぜよ。正直、内容はないよう。いやいや、ダジャレを言うがじゃあありませんぞね。観てもろうたち、タメになる事は何ちゃあ無いですきに。応募の締め切りがありましたきに、半日で何をするか考えて、歌を作り、振り付け(?)して...。まっこと、即席でササッと作ったもんやきに、そのつもりで観とうせや。1分16秒の動画です。お時間のある方だけご覧くださいませ。頼みますぞね!




孫の手革命?

孫の手


孫の手は昔から愛されてきた日本の竹細工のひとつやと思いますけんど、この長い歴史の中でついに新発想の孫の手が登場したがです。孫の手革命!?いやいや、そんなに大げさなことや無いけんど、もしかしたらコロンブスの卵かも知れませんちや。


それは、背中を掻く部分にあるがです。今までの孫の手は、指の先のように先端に切れ込みが入っちょりました。けんど、この一文字の孫の手を考案した社長さん曰く、「先は、切れ込みがあっても、なくても関係ない」や、そうです。持ち手のカシュー漆塗装もなかなか握りやすいし、カーブがついて掻きやすい孫の手ぞね。


紙やすり

紙やすり


紙ヤスリが、こじゃんと(とても)いっぱいじゃ。このプラスチックのケースにも...。ありゃあ、あっち棚にも...。


「いっぱい、ありますけんど、こりゃあ何ですろうか?」


不思議に思うて聞いてみたら、実は、いろいろな種類があるがは全部番手が違うちょって、番手とは、つまり紙ヤスリの目の細かさが違うがです。


スポンジ作業台


目の粗いもので荒削りしちょって、細かいもので仕上げする。もちろん手仕事ですぞね。薄いスポンジを敷きつめた作業台が品物への心配りを感じるがです。


色々な紙やすり


いろいろな種類があって、磨きをかける商品によって形もいろいろあるきに、自然と数が増えちゅうそうです。けんど、見るばあでも壮観な数の紙ヤスリぞね。これっぱあでもモノ作りしゆう職人のこだわりがガツンと来るぜよ。ガツンと来たら、ガツンの返す。こりゃあ、まっこと、腹の底から力が沸いてくるようちや。竹の現場はこれやきエイがやき。


龍馬脱藩の道

つま先履き


虎竹の里から車でものの数分も走ったら日本カワウソで有名な新荘川があるがです。その川を上流にそって檮原街道がのびちょります。昔は曲がりくねった道やったけんど、最近は、こじゃんと(とても)道の整備が進んでのうが良う(便利が良く)なりました。車やったら1時間足らずでもう檮原の町に着くがです。


ここは、龍馬が脱藩の時に通った町。龍馬の脱藩を手助けした志士の活躍した町として知られちょって、最近は脱藩の道を歩くツアーやガイドさんもなかなか充実しちゅうと言いますきに、関心のある方は、いっぺんコチラにも来られたらどうじゃろうか?さて、ワシが感激したがはここの町の資料館にたまたま立ち寄らせてもろうたがですけんど、ワラで編まれた防寒用のつま先履きと、それを作りよった木型を見つけたきです。


木型


鼻緒の履き物を履きよったら分かりますけんど、冬はつま先が寒い、寒い。たまに靴を履いたら、「お~の、まっこと(本当に)ぬくい、ぬくい。」と改めて靴の暖かさを見直すこともあるばあです。ほんで、昔の人は寒さ対策どうしよったろう、と思いよりましたら。こんな、工夫をしちょったがです!まあ、竹虎にたとえたら竹皮草履を素足で履くのは寒いきに五本指ソックスで履くようなもんぜよ。


龍馬が脱藩するために檮原に到着したのは3月25日。もう寒さもゆるんだ頃やったろうけんど、標高の高い檮原のことやき、まだ雪も残っちょったかも知れん。こんなんを使うたりしたがやろうか?いやいや、もっとエイもんがあったろうか?いずれにしても檮原の志士の道案内で、龍馬は脱藩の道を駆け抜けていったがです。


日本ドキュメンタリー動画祭

日本ドキュメンタリー動画祭


「日本ドキュメンタリー動画祭」というのがあるよ...。いつもお世話になる社長さんから教えてもろうたがは、締め切りの2、3週間前やったろうか。日本財団が主催?なんか立派な団体みたいやにゃあ。ワシらあみたいな小さい所が応募したちイカンろうにゃあ。かなりレベルが高そうやきにゃあ。んなこと考えながら、けんど、一回チャレンジしてみろう。そう思いつつ、一日、二日、三日...時間は流れ、ありゃあ!!!気がついたら締め切りが明日じゃがあ!!!!!


と、いう事で、半日で筋を考え(筋などないですが)、音楽をつくり(唄などと言えば笑われますが)、振り付けをして(ダンスの先生がおったら怒られるますが)、仕事の合間をぬって撮影を完了したぜよ~~~~~~~~~~~~!


ほんでから、夜中までかかって編集ちや。実は、ここが一番時間がかかりますぞね。びっくと(少し)のタイミングじゃあち見逃せん。なんと言うたち芸術作品やきににゃあ(ウソに決まっちゅうぜよ)。けんど、まっこと(本当に)、日本唯一の虎竹の里の元気をひとりでも多くの方に伝えたい。全国で、ひとりの人が笑うてくれたらそれで大成功ぜよ。


超メガ級!三段ピクニックバスケット

別注ピクニックバスケット


それにしたち大きさぜよ!お客様からのご要望で特別に作ったこんな超メガ級の三段ピクニックバスケットのながです。最初にサイズをお聞きした時にも、こりゃあ、何ぼか大きなにゃあ...と思いよりましたが、実際にこうして出来上がってみて、通常の三段ピクニックバスケットと比べてみてもこの通りぜよ!


普通のものでも、結構な品数の料理が入れられる容量がありますけんど、こんなビックサイズのピクニックバスケットに一体何人分のお弁当を詰められるがやおか!?さぞ、にぎやかなワイワイ楽しい大宴会になるがやおにゃあ。宴席に座って、美味しそうな食べ物をいっぱい詰めた、このピクニックバスケットをはじめてご覧になられた方は、一体どんな顔するろうか?いっぱいの笑顔に囲まれたこの大きな弁当箱の姿を想像しよったら、こじゃんと(とても)わくわくしてくるぞね。