そうじゃねえ、ワシがもう20数年通いいうピザ屋さんがあるがです。高知のお城下にある「マンマイタリア」。イタリアで修行してきたシェフが、独特のカマドで焼き上げるピザが、こじゃんと(とても)美味いがです。そもそも一番はじめは、店の駐車場に薪を積み上げちゃあるきに、どういて?と、気になってしょうがなかったがです。ほいたら、何とピザをカマドで焼くやいかっ!?
当時、はじめて見たもんやきに、びっくりたまげて、食べたら、また、またびっくり、薪の炎で焼くきやおか、生地がパリッと焼けちゅうかと思うたら、モチモチ感もあってまっこと美味い。あれから、ずっとピザはココと決めちゃある。さて、けんど今日はピザの話やないがやきに、実は、この間一緒にいった職人さんがパスタを頼んだがやき。ほいたら、近くの日曜市で買うてきたばっかりのカニがのってきたが。
そのカニを見よったら、小学校の頃、虎竹の里の砂浜で遊んだ日のことを、いろいろ思いだしたがちや。ワシらあは、そのカニのことを「砂ガニ」と呼びよった。そんなに大きなカニやないけんど、このパスタ皿に盛られたばあのカニもたまにおったがです。
まず、近くの堤防で釣りをして、小魚を釣り上げる。ほんで、その魚の尻尾にタコ糸をしっかりくくって、波打ち際に立てた杭に縛ったら用意はOKちや。そのまま、波の動きに任せて、浅瀬をゴロゴロしゆう小魚を放っちょいて、友達としばらく遊んじょいて戻ってきたら...おる!おる!おるぜよ!砂ガニじゃあ。
ワシらあが近づいていったら、ササッと砂にもぐるがやけんど、透明度のある澄み切った海水やきに、もぐった場所はだいたい分かるがです。ほやき、そこに、手をいれてアチコチまさぐって捕まえるがぜよ。ワシらあが、ワーワー騒いで採りいうきに、どこぞ遠くから来た年配の方が道に停めた車から声をかけてきて、
「ボクらあ、ボクらあ、珍しいカニやねえ」
「売ってくれん?」
そんな事も結構あったちや。そうそう、何を隠そう、キャンプに来られちょった大学生のグループやら、家族連れやら、川でとってきた魚を買てもうた事も度々やったちや。ワシは竹屋やなかったら、たぶん魚屋やったにゃあ。
けんど、今思うたら、夏は、チャンを片手に真っ黒になるばあ、ずっと海と川。(チャン=魚を突く道具)冬は、カマを片手に、自分でも猟師かと思うばあ、ずっと山。海と山の恵みに囲まれて、まっこと幸せやったちやこんな大自然があるきにこそ、日本唯一の虎竹も育まれるがやろう。ワシを育てて、生かしてもうちゅう虎竹の里に、どんな恩返しができるがやろうか?
コメントする