脱藩むすび

脱藩むすび


脱藩むすびなるものが、近くスーパーで売られちょったがです。「脱藩むすび?なんぼ、龍馬さんのブーム言うたち...。」それでも手がのびたがは、きれいな竹皮で包まれたちょったきです。おおっ、中には3個のオニギリが入っちゅう。普通の海苔オニギリに並んで、四万十川の青のりにちなんでやろうか?青のりのオニギリ、ほんでから、土佐らしいカツオのオニギリ。


まあ中身も美味しくいただきましたけんど、何というたち包みに使われちょった竹皮ちや。その昔、ものを包むもんの何ちゃあなかった時代。これっぱあ身近にあって、なんぼでもある豊富な素材で、しかも、びっと(少し)の事では破れない丈夫さ。水にも強くて、おまけに、抗菌性まである。


ええ、もちろん、当時は抗菌性らあは、科学的に分かっちょった訳やないですけんど、経験的に古人の皆さんは知っちょったがです。まっことスグレモノの素材ぜよ、竹皮。ほんで、この大自然の恵みを、竹皮草履に編んで、現代の室内履きとして沢山の方にご愛用いただきよります。今の季節は足が涼しゅうて最高やけんど、冬じゃあち自然な温もりがあるきに、一年中エイがです。


今までに残るお声だけじゃあち、1000通を越える嬉しいお便りいただいちゅう。まっこと、ありがとうございます。年配の竹職人さんが小学校に通いゆう頃には、竹皮草履は高級品で教室で履けるがはお金持ちだけやったいいますが、今は、お求めやすいお値段にして、この履き心地のよさを、現代人の皆様にこそお伝えせなあイカンと思うちゅうがです。ワシは脱藩しませんけんど、この竹皮草履にはドンドン脱藩してもろうて、全国で活躍させたいがです。この草履をとおして、日本の伝統のすばらしさや山の大切さ、環境への考え方、みんなあが気づきはじめたら、まっこと日本の夜明けが来るかも知れんちや。


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