鯨海酔侯

竹ランマ


NHK大河ドラマ「龍馬伝」見ゆう方は多いと思います。エイところは一杯あるがやけんど、何がエイちキャストが、こじゃんとエイが違う!主役級はもちろん、脇をかためる役者さんらあも、いったい誰がキャスティングしたがやろうか?見よって拍手したいばあ、はまり役ばっかりぜよ。


そんな一人、近藤正臣さん演じるお殿様の山内容堂。これも渋い、まっこと渋い!藩のトップの重責。時代の翻弄される城主ならではの、誰っちゃあに話すことの出来ん苦悩と緊迫感を、巧いこと表現しちょります。ほんで、それがお酒を呑むシーンによう出ちゃあるがです。鯨海酔侯(げいかいすいこう)と自分で言いよったばあな、お酒好きやき、まあそれはエイがですけんど、あのシーンの設定は高知城内ながです。実は日本唯一の虎竹は土佐藩の年貢としても上納されたという歴史がありますきに、ワシは城内が写るたびに、


「もしかしたら、虎竹が出てこんろうか?」


「近藤さん、酔うて虎竹の花かごでも投げんかよ?」


こんな事も思いながら見ゆうがやけんど、まあ、それは置いちょいて、高知城と言うたら後藤象二郎らあ部下の侍と対面する部屋は、庭も、びっくと(少し)見えちょりますように、お城の一階に面会用の立派な座敷があって、それは今も残っちょります。


たしか、その部屋にもあったような気がしますけんど、部屋のランマが特徴的で、さすが土佐の荒海というか、波を大胆にあしろうた、「ハッ」と目をひくようなデザインながです。一体誰が作ったか知りませんけんど、こりゃあ、あの昔に、これだけ洗練された形は凄いと感心したことがあるちや。高知城に来られることがあったら、ぜひ、注目して見てもらいたいがぜよ。


けんど、ここな竹のランマもなかなか凝っちょって、まっことエイにゃあ。おっと、これは高知城内にあるがじゃあ、ありませんぞね。別んくにあるがやけんど、竹を縦に割って節をそのまま活かしちょったり、小枝を巧く使うたり、竹の葉のキリッとしたシャープな感じに、これを仕上げた職人さんの心意気を感じて、しばらく見上げちょった...。ほいたら、おおの、首が痛うなったにゃあ、まっこと。


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