面白き竹箒

箒


まっこと、職人さんくで飲ませてもらうお茶はどこへいったち旨いぜよ。ワラで編んだゴザに茶葉を干しちょったりして、おおの、おばちゃんの手作りち、まっこと贅沢なもんやにゃあと思いながら一口。日当たりのエイ縁側にすわって、出してもろうた饅頭をほうばりもっちゃ、もう、一口。


「おおの、落ち着くちや...。」あのおばちゃんの笑顔と、あの時に裏山で鳴きよったヒヨ鳥の甲高い声が今にも聞こえてきそうぜよ。おっと、もうこんな時間じゃ。そろそろ帰ろうかにゃあと腰をあげながら、ふと横をみたら、ややっ?こんな箒を見つけることもあるがぜよ。普通、竹箒いうたら竹枝を丸く束ねただけやけんど、小さく束ねたものを幾つかあわせて束ねちゃある。たかが、箒いうたち、まっこと、箒一本にも作り手の個性や工夫があるがちや。面白いぜよ。


竹馬の友

竹馬の友


先月の終わりに、このブログで36年前のワシを見てもろうたがです。写っちゅう友達もみんなあ一緒にずっと遊びよった。まっこと、これが本当の「竹馬の友」ぜよ。


あの後、高知新聞さんにお願いして元の画像を焼き増ししてもらいましたけんど、綺麗な写真にしたら余計に当時のことが懐かしゅうなってから、昔の小学校のあった場所に来てみたがちや。車やったら、すぐ来れる近くにありすまきに、前の道はいっつも通るけんど、こんな機会でもないとなかなか中に入る事はないがです。今は幼稚園になっちょりますき、先生に許可をもろうてからグランドに入ったら、


「おおっ!一体、何十年ぶりやろうか?」
「小学校の時は、広いと思いよった校庭やけんど...狭いにゃあ」


当時の校舎はないけんど、今の建物の位置もだいたい同じ場所にありますきに。どうですろう?画像左上の山の形が分かりますろうか?ほんでから、ワシの手元の額縁の写真。左上の山の形と見比べとうせや。まっこと、ピッタリですうろ?まあ、36年前のこの場所で新聞社の人に撮ってもろうたきに当たり前やけんど、同じこの場所に、何十年も経ってから、こんな、おんちゃんになって、


帰ってきましぞね~~~~~~~~~~~~~~~!


まっこと面白いもんぜよ。


竹馬づくり


今日は、その当時とまったく同じような竹馬を作りよります。県内の小学校に頼まれて作りゆうがですけんど、こういう伝統の遊びというか、ずっと続いてきたもんは、こうやって後世に続いていくもんながやにゃあ。たまに作ることのある竹馬やけんど、あの写真でワシの小学校当時の事を思いだしたばっかりやき、何やら、思いがこみあがってきたちや。


老舗旅館垂涎

衣装かご


こういう脱衣かごを探しよった方がおらあせんろうか?塗りの風合いがまっこと渋い脱衣かごは、衣装かご、乱れかごとも言われちょって、文字通り乱雑になりがちな衣服を収めるための竹かごぜよ。けんど、見た目が風格があって、なんとも格好がエイというだけやのうて、62センチの長さがある、この大きさ。たっぷりめのサイズも嬉しいがちや。もちろん、かごの隅々には、衣類を傷めない匠の技をはじめとして、キラリッと光ちゃある竹職人の心意気がつまっちゅう。昨日は老舗鰻屋さんやったけんど、こりゃあ、これ見たら、まっこと、老舗旅館が放っちゃあおかんぜよ。


土用の丑の日

鰻


この前の丑の日は、鰻を食べましたろうか?あの鰻を焼くエイ香り。たまらんでねえ。まっこと、食欲がのうなる夏に、あれっぱあ食欲をそそる食べ物もないがです。ところで、ワシも鰻は好きやけんど、ワシの鰻好きは筋金入りぜよ。そりゃあ、そう。そりゃあ、そう。(何で、二回言う?)


みなさんは、鰻いうたら鰻屋さんか、魚屋さんか、スーパーかどっかで、「買う」もんですやろう?けんど、ワシらあは小学校の頃から鰻いうたら、「捕る」もんですきに。竹で編んだ「ウケ」を朝早うに起きて川にあげにいくがちや。ウケがズッシリ重たかったら、大量の証ぜよ!ほんでから、捕ってきた鰻を大人たちが、虎バサミでつかんで、まな板にのせた思うたら、頭をキリで打ち付けてササッとさばいていくがです。


鰻が骨だけになってもクネクネ動きよったがを、よう覚えちょります。びっくと(少し)残酷な話かも知れんけんど、鰻がジリジリ焼けて、甘うて美味しそうな香りがしてくる頃には、そんな事はさっぱり忘れてちゅう。けんど、そうやき食べ物には感謝して残こさんと食べなイカン言うことちや。さて、今日はそんな話やのうて、丑の日にびっくと思いだした話があるがです。


魚板


前にも話たろうか?高知の佐川町いうところに、大正軒いう老舗の鰻屋さんがあるがです。実は予約しちょかんと入れん店らしいけんど、そんな事は田舎者のワシは知らんきに。店先の魚板も叩くこともせんと、ズカズカと店に入っていったがです。


さすが、有名店だけあって、お昼は人がいっぱいみたいぜよ。けんど妙ながです。廊下ですれ違うひと、すれ違うひとが、みんなあ、おじきをして行くがです。こりゃあ、上品なお客さんばっかりのお店じゃちや。と思うて、ワシも、「あ、どうも、こんにちわ。」言うて挨拶しながら来たけんど、通してもろうたテーブルで考えたら、どうも、作務衣を着ちゅうきにお店の人か、もしかしたら近くのお寺の人と間違うちゃあるがぜよ。まっこと面白かったちや。


大正軒


「お客さん、ホントは予約なかったらイカンがですきに。」そう言いながら美味しい鰻を食べさせてくれたお店の人に、まっこと、おおきに、ありがとうございます。今度は予約していきますぞね。けんど、不思議なもんじゃ。土用の丑の日まえになったら、鰻を捕るウケ(鰻筌)が、ぼつぼつ売れるがです


うなぎうけ


「コロバシ」とも呼ばれる竹編みの道具やけんど、まっこと、こんな鰻ウケをまだ使う人がおるがや思うたら、びっと、安心したりもするがです。けんど、まだ日本のあちこちの川でも、天然の鰻がおるいう事ですろう?ウケ作りのおんちゃんも、「しょう、せいちゅうのう」(本当に急いでいるんだね)言いながら汗だくで編みよったけんど、嬉しそうながちや。いつまでも、このウケが、今の時期だけでもエエきに、びっと(少し)でもエエきに、人から忘れられんと残っていく、そんな自然が残っちゅう日本やったらエイにゃあ。そう思うがぜよ。


竹スプーン

竹スプーン原型


竹のスプーンらあは見たことありますろう?竹から切り抜いた原型は、毛羽立ちもあって、こんながやけんど、ひとつづつ丁寧に削りだして、元の原型が想像できんばあな綺麗なスプーンなるがぜよ。


スプーン材料竹


材料かよ?材料は、こんな風に割って置いちょります。けんど、どうぜよ。この身の厚さ、竹の元の方ばっかりですけんど、なかなか、こんな厚みのある良質な竹がないがです。「まあ、そう言われたちねえ...。」今ひとつ納得できん方は、ひとつづつ手削りしゆう。コチラの竹しゃもじの動画を見とうせや!




西峯さんの竹染め

虎竹染めハンカチ


けんど、暑いちや。まっこと暑い。知っちょりましたか?ワシの小さい頃は、朝晩は夏じゃあち涼しいもんやった。ところが、最近は朝も夜も暑い!高知は、まだマシやけんど、この前の東京は酷かったぜよ。たまるか!朝の7時前に、すでに30度あった言いますきに、まっこと、この夏も猛暑やちや。


けんど、日中の日差しがガイな(強い)がは、やっぱり、南国土佐と言われるだけあって、高知の太陽は、恐とろしいばあぜよ。カンカン照って、ジリジリ焼けて、外をびっくと歩いてきただけで、汗がダラダラなにゃあ。おっと汗をふくハンカチはアレかよ?さすが、虎竹の里じゃ。虎竹の葉で染めた虎竹染めハンカチぜよ。


西峯久美


染めてくれたがは、昔からの知り合いの染色作家、西峯久美さんぜよ。緑に囲まれて、小鳥のさえずりを聴きながら、のんびり、まったり、人柄がそのままでちゅう心地のエイ工房で、一枚、一枚手染めしちゃあるきに、こんな暑い日には、何ちゃあ用がのうたち、つい行ってみとうなる仕事場を、また、のぞきに行ってみるかにゃあ。不思議と涼しい風でも、吹き抜けちょりそうな気がするがです。


女竹

女竹


まっこと偶然やけんど、車を停めたら、目の前に何やら良さげな竹垣がずっと続いちゃあるきに、へんしも(早く)見にいってみろう、思うて来てきたら、ありゃあ、こりゃあ、珍しいよ。女竹(メンチク)をズラリとならべちゃある。メンチク言われても、どんな竹やろうか?思われるかも知れませんけんど、ボールペンらあよりびっくと太いばあな細さの竹で、川辺らあに良く生えちょります。


以前は四万十川上流域あたりまで、トラックで何台も集めに回らんとイカンばあ、全国あちこちから注文がありよりました。出荷量も結構ありましたきに、細かい細工用というよりも、壁竹やら、こんな竹垣用に使われちょったがやにゃあ。幅広に割った竹やら黒竹で、竹垣を作ることはありますけんど、女竹を使うち、この辺りでは、よう生えちょってから手に入りやすがやろうか?まっこと、竹垣ひとつ取ったち、それぞれ素材、形に特徴があって面白いがぜよ。


時が創る竹かご

飯かご


昨日は歴史を感じる写真を見てもうろたけんど、今日は、歴史を感じる飯かごちや。取手が付いちょりますろう?ご飯を入れちょいて軒先らあ、風とおしのエイところに吊るしちょったがですきに、何回も、何回も、毎日の暮らしの中で使われてきたがやろう。「あばたもホクロ」かにゃあ?取手の曲がりまで、渋いちや。まっこと、味がある。この飯かごじゃあち、いつか、こんな風格になるろうか...?いよいよ、時間が創り出すモンには、さすがの職人もかなわんがぜよ。


輝く人

1961年の社員旅行


この写真は竹虎の社員旅行で高知城へ来たときに撮ったもんながです。右下に記念写真の日付が入っちゃある。「1961年10月13日」なんと、もう50年ばあ昔のことちや。今でこそ高速道路もできて、高知市内までは40分そこそこで行けるようになったけんど、この当時は国道もろくになかったがです。なんせ虎竹の里に今のアスファルトの国道が整備されたがは、ワシが小学校の3年か4年ばあの時。よう覚えちゅうけんど、それまでは、須崎に行くにも、反対に久礼の方に行くにも、山越えの細い曲がりくねった道を、ノロリ、ノロリ走って行きよりましたきに。


そう、もちろん舗装しちゅう所もあったろうけんど、ほとんど、未舗装やったにゃあ。車の車窓から後をみたら、ほこりが舞いゆうがが当たり前やったきに。ほやき、当時の高知城はかなり遠くて、めったに行くことのできん観光地やったがです。見とせうや(ご覧ください)。みんなあネクタイやら、着物やら、一張羅を着てお洒落しちょります。まっことワシらあが東京や大阪に行くばあな、そんな気持ちやったがやろうかにゃあ?


けんど、それにしたち、懐かしい顔がおるちや。小さい頃、よう遊んでもろうたおばちゃん。山に連れていってくれた、あのおんちゃん。細工場でお菓子をくれた職人さん。近所のお兄ちゃん...。まだ若かった父。大好きな祖父。岐阜へ嫁いでいったおばちゃん。寄りそうように祖母...。みんなあ、おる。


母がこの大きな家族の一員になるがは、翌年の2月の事やけんど、まっこと、こんなにいっぱいの人がおって、そんな方のおかげで、そんな方の力で、竹虎がずっと続いてこれて、ワシらあが仕事できゆう事、まっこと、まっこと、ありがとうございます。みなさんのお陰ですちや。もう、この世におらんなった人が多いけんど、上から見てくれよりますろうか?ワシはどうやろうか?ちゃんと、やれゆうろうか?


あの時の、わがままな、何ちゃあ苦労も知らん「若さん」のまんまやけんどみなさんの足元にも及ばんけんど、みなさんが残してくれたこと、やるぜよ。ワシの命の限り。見よっとうせや。こうやって写真見よったら、ひとり、ひとりがワシにとったら、「輝く人」じゃ。この写真に誓うちや。ワシも、いつか、みなさんみたいに、「輝く人」になるぜよ。いつか、いつか、絶対ぜよ。


名入れ箸

箸箱


「名入れ箸が入っちゃあるろうか?」そう言うて手に取ってみたけんど、こりゃあ、まっこと格好のエイ虎竹箸箱ぜよ。しかも、中身は引き出し式になっちょってから、丸洗いできて、こじゃんと、のうがエイ(とても使い勝手が良い)。ありゃ、中の虎箸も専用のもんやにゃあ。名入れ箸とは違うけんど、サーーーーーッと引き出して、カチリッとしまうあたりはなんか、侍みたいやにゃあ。そう、侍ぜよ。鞘に入れちゃある刀みたいやいか...。


梅干し3キロ

きょうの料理


NHK出版さんの「きょうの料理」に掲載してもろうた、梅干し用平かご(エビラかご)小やけんど、料理研究家の方が使うてみて、梅干し用として3キロばあにちょうどのサイズやと書かれちょりました。ほいたら、倍のサイズ梅干し用平かご(エビラかご)もありますきに、こっちには6キロばあ干すことができるいうことちや。


天然生活


さすがに夏は竹のシーズンですきに、嬉しいことに色々と本にも載せてもらう事もありますけんど、「天然生活」さんには、可能性豊かな「竹」の潜在力として、虎竹茶竹酢液青竹踏みらあを取り上げてもろうちょります。


家庭画報


そうそう、忘れたらイカンがは「家庭画報」さん。夏のカタログで日本唯一の虎竹で作った縁台を掲載してもろうたがです。そう言うたら、この前、地元の高校へ行っちょりまして、「縁台を、知っちゅう人!?」言うて聞いたら、生徒さんが40人近くおるにひとつも手があがらんかって、びっくとショックやったにゃあ...。縁台を説明するがに、「路地で将棋をうったりしよりましたろう?」言うたちピンと来ん様子。いやいや、結構時間がかかったがです。こういう竹の文化も伝えていきたいにゃ、残したいにゃあ。


シュロ竹のある商家レストラン

シュロ竹


この店は、また雰囲気がエイが違う。ほのかに足元が見えるばあな暗さといい、ヒンヤリした空気感といい、ちょっと昔にタイムスリップしたみたいな気分ちや。けんど、ワシみたいな田舎モンには、まっこと似合わんにゃあ。店内の細い通路を、あっち曲がり、こっち曲がり、ようやっと腰を下ろしたテーブルに、何と、たまるか!キャンドルが揺らぎゆう。おまん(君)!ワシんくの家じゃあ、ロウソク使うがは、台風の時だけですぞね!停電したとき)


それにしたち周りのお客さんはえらい上品やにゃあ。暗うて遠くの席の人はシルエットしか見えんけんど、話し声も笑い方も妙に抑えちゃある。もしかして、ショッカー(秘密結社)か何かやろうか?まあ、そんな古い話は、どうでもエイぜよ。おっと、何やら、パリッとした白シャツに真っ黒い長い前掛けをして髪の毛をビシッとまとめあげた女の人が来ましたちや。ナイフとフォークをたまるかスマートに、かつ綺麗に並べってくれたがやけんど、「すみません、お箸もらえるろうか...?」(携帯箸持ってきたらよかったぜよ)お姉さんの目がキラッと光ったような気がするちや。


おおの、濃厚なソースがかかった魚のソテーやけんど、ひとっちゃあ、美味う感じんがぜよ。しっとりした城下町。堀をめぐらせた石垣づたいに歩いてきた店。昔は商家の船着き場やったいうけんど、柱ひとつ、窓ひとつにもまっこと重厚で風情があるにゃあ。ふと、中庭みたら、シュロ竹が天をめざしてこじゃんと伸びちゃある。こんな作務衣に、龍馬ブーツがイカンかったろうか?(それを言うたら、いっつもやいか)


周りがアベックばっかりやきやろうか?こじゃんと(とても)妙に居心地が良うない店やけんど、シュロ竹ながめよったらなんやら、ほっとするがぜよ。「竹」が付いちゃあるきか?そんな事ないろう。まあ、けんど、おおきに、おおきに。おおきに、シュロ竹。


トング

トング


久礼の大正市場は知っちょりますか?「土佐の一本釣り」いう漫画の舞台にもなった漁師町がすぐ近くにありますけんど、そこな町の台所ぜよ。小さな通りにまっこと美味い地穫れの新鮮な魚がいっぱいちや。けんど、何ちゃあそんな所まで行かんじゃあちやっぱり高知やにゃあ。太平洋の恵みやちや。その辺のスーパーで買うてきたアジの干物やけんど、たまに余所へ行って食べることのある干物の比べたら、まっこと、全然違うがやき。上等、上等。上等に美味いきに。


脂がのっちゅう、のっちゅう!こじゃんと(とても)のっちゅうが違う!海の幸、山の幸、豊かな自然に囲まれた南国土佐に感謝せなイカンぜよ。これも、プリプリした干物。エイ匂いじゃにゃあ。けんど、ご注意ぜよ。早う食べたいいうて菜箸からコロリと落としたりせんですか?おっと、そんな時は、まかしちょき!まかしちょき!こんな、ワイドな竹トングもあるがちや。


秘密兵器

秘密兵器


「秘密兵器やき。」えっ?どこの荒物屋さんでも売りゆうようなただの金属の棒みたいやけんど。ニヤリと笑うたおばちゃん。


竹皮草履


出来上がったばっかりの竹皮スリッパに使う竹皮編みを板の上において、金属の棒で、ギュ、ギュ、ギュ...。反対向けて、ギュ、ギュ、ギュ...。なるほど、こうやって形を整えるがに使うがやにゃあ。まっこと、竹皮職人の秘密兵器ぜよ。


カタツムリ

カタツムリ


高知の春野町いうところにあじさい街道があるがちや。用水路に沿うて、ずっと植えられちょって、休みの日らあには遠くからも、わざわざ見に来るばあな、まっこと、「街道」と呼ぶにふさわしいあじさいの道ぜよ。あじさい言うたら連想するもんが、「雨」「傘」「長靴」、ほんで「カタツムリ」やにゃあ。そこで今日はカタツムリを竹虎で探してみましたけんど、カタツムリ言うたちワシんくのカタツムリは、びっくと(少し)違うぜよ。


宝石箱


渡辺竹清先生作の宝石箱。前にも2つ、3つあってから、お客様にお分けさせてもろうた事がありますけんど、この作品は、姿、形は同じに見えて、使うちゃある素材の煤竹が、こじゃんとエイ。凛とした雰囲気は、どうですろう?まっこと(本当に)、しびれるちや。


夢のかご屋さん

かご屋


「こりゃあ、まっこと夢みたいな所ぜよ。」思わず、そうつぶやいた事のある籠屋さんがあるがです。昔ながらの籠、今風にアレンジした籠、小さい籠、大きな篭、良く見かける籠、何に使うか分からんような見たこともない籠。そんな籠たちと竹の材料に囲まれて、職人のおんちゃんが一人もくもくと手を動かしちょった。時間も忘れて、それを見させてもらいよった。


竹かご


おんちゃん、やりゆうろうか?今日はどういた事やろうか。梅雨空のずっと向こうの晴れ間まで、ひょっこり訪ねてみたい気分ながぜよ。


水曜どうぜよ

いろりや


「水曜どうでしょう」この番組のファンの方はおられますろうか?「水曜ロードショウ」やないちや。「水曜どうでしょう」ぜよ。ワシはあんまり見たことがないがですけんど、もともとは北海道の番組やけんど、今や全国で放映されちょって、なんやら熱烈なファンの方もおるらしいがです。


ずっと前になりますけんど、一回、たまたま大阪のデパートで、この番組のグッズか何かの販売にいきあたりました。ほいたら、「こりゃあ、今日はハリウッドスターでも来日しちゅうがかえ!?」言うたばあ、人がならんじょりました。まっこと、こじゃんと(すごい)人気やったちや。そうそう、もし「水曜どうでしょう」知らん言う方も、大河ドラマ龍馬伝にも近藤長次郎役で出演しちゅう、大泉洋さんは知っちょりますろう?大泉さんは、この番組で人気者になった俳優さんや言うことちや。


さて、なんで「水曜どうでしょう」かと言いますと、じつは、この番組の中で四国八十八カ所を車でまわるいうシリーズ(?)があったらしいがですけんど、その番組で大泉さんが、本来は回らなイカンはずの札所をとばしてまで(人づてい聞いたがやき内容は多少違うかも知れんきに)まあ、どういたち立ち寄りたかった、「いろりや」いう美味しい饂飩屋さんが高知県の黒潮町にあるがです。


いろりや言うばあやきに、店の中には立派な囲炉裏があるがですけんど、先日、たまたま通りかかったもんですきに久しぶりに入ったら、前は、板張りの床にそのまま座るスタイルやったに、机と椅子に模様替えちょってビックリしたちや。う~ん、前の感じの方がワシは好きやったにゃあ。そんな事思いながら店内見回したら、おっと、その囲炉裏の上の天井に虎竹がいっぱい並べられちゅうじゃいか。


「燻して、煤竹にするがやろうか?」そんな事思いながら、喉ごしのエイ饂飩をいただいたがです。饂飩は前とひとつも変わらず美味かったぜよ!満足、満足。えっ?そう、これだけの話ぜよ。今日が水曜日やったら「水曜どうぜよ」とでいも言うけんど、今日は火曜日やし。オチも何ちゃあないきに、ほいたら、また明日。


100%天然成分

赤ちゃんの足


こりゃあ、まっこと可愛い赤ちゃん。けんど、今時分は蒸すし、じめじめやし、なかなか、子やらい(子育て)には気を使う季節でもあるがちや。お洗濯も大変やけんど、お母さん、竹炭の洗い水を知っちょりますろうか?竹炭から生まれた100%天然成分の洗濯用洗剤やき。赤ちゃんから、お肌の乾燥しがちになるお年寄りまで、みんなあ安心して使えるがちや。そうそう、梅雨時は部屋干しすることもあるろうけんど、この匂いがせんいう声も、もろうちょります。人にも自然にもやさしいががエイにゃあ。


遍路道

遍路道


虎竹の里にある、お遍路さん用の道しるべ。赤い矢印の先には「焼坂峠」いうて書かれちょります。焼坂いうたら日本唯一の虎竹の古里いうて、いっつもワシが話しゆう山やきに。ここで竹の積み出ししよったら、「この山は竹ばっかりなんですね」と言われたりするがぜよ。けんど、峠から向こうには竹やぶがさっぱりのうなる。前に峠近くで会うたお遍路さんも、こじゃんと不思議がっちょったにゃあ。歩き遍路か...ワシもびっくとやってみちゃろうかのう。いやいや、また、言うばあ、言うばあ。言うばあやきに。


龍馬大発見

リイド社「乱」


昨日、話した竹皮草履ですけんど、リイド社の雑誌「乱」いう本の和風「涼」グッズ大プレゼントに掲載されちょりますぞね!もう、本屋さんでは売ってないろうか?8月号いうて書いちゃあるきに、まだ、買えらあせんろうか?何と、110名様に色々な和風グッズが当たるがやき、なんで、和風か不思議に思うちょったら、こりゃあ、時代劇ばっかり専門に載せちゅう雑誌やきやにゃあ。


ありゃあ!?大発見じゃあ。良う見たら、特別とじ込み付録が付いちゃある。みなもと太郎のよくわかる<坂本龍馬>やと。さすが、創刊11周年記念ぜよ。「よくわかる坂本龍馬人物相関図」「坂本龍馬検定!」龍馬検定面白そうやにゃあと思うたら、地元の坂本龍馬記念館プレゼンツやと。けんど、まあ、なかなか力が入っちゃある。こりゃあ、へんしも(急いで)今から本屋行こうちや。


国産草履

ワラ叩き機


タンタンタンタンタン......タンタンタンタンタン......


大きな音をたてゆうがは、ワラ叩き機。何ぜよ?そりゃあ?そう、聞かれそうなけんど、それも、そのはず。こんな機械は、どこまわり無いきねえ。皆さんも、初めて見たがじゃあないですろうか?さて、ワラを叩いてどうするかと言いますと、暑い季節には大人気の室内履き。ご存じ、竹皮草履を作るがに使うがぜよ!ジメジメしちゅうフローリングやち、この竹皮草履を履いたら他のスリッパは履けんなるばあ気持ちエイ!ワシらあも現場以外やったら、裸足になってから、いっつもコレばっかりじゃ。


竹皮草履いうたら竹皮だけみたいなけんど、実は、ワラも使うがちや。竹皮草履を編み込むときの芯にも使うし、鼻緒の部分らあにもワラは使います。まっこと、けんど、竹皮は竹林にはいって集めてくるし、ワラは近くの農家さんから分けてもろうちゅう。考えたら国産も国産、生粋の国産の竹皮草履ちや。値段が手頃やき思うてか知らん、「国産で作りゆうがですか?」こんな事を聞かれることもありますけんど、こじゃんと地元にこだわった商品ですぞね。あ、そうそうワラ、ワラ。ワラの話ちや。ほんで、こうやってワラは何度も叩いて、柔らかくしてから使うたら、のうがエイがぜよ。


「のうがエイ」えっ?意味が分からんろうか?「のう」ち「脳」やないぞね。頭がエイがやあないきね。自慢じゃあないけんど、頭はあんまりぜよ。使い勝手がエイいうことちや。まあ、綺麗な竹皮草履に編みあげれるゆう事やにゃあ。


古い魚籠

魚籠


高知には四万十川だけじゃあのうて、仁淀川いう、こじゃんと綺麗な川が流れちょります。雨の多い今時分じゃあち、土手からみたら、鮎釣りの太公望が竿をふりゆう。さすがに虎竹魚籠を提げちゅう人はおらんかったけんど、この魚籠もこんな川釣りに使われちょったと思うがです。とにかく竹ヒゴの色や、底に入っちゃある極太の力竹のキズを見よったら、えらく古いカゴみたいながです。雰囲気がエイきに気に入っちょりますせんど、なんと言うたち、この口。


魚籠の口


竹の皮でこしらえたビラビラを内側に付けちゅう!こりゃあ釣り上げた魚がびちくって外に飛びでたりせんためやろうか?年配のおんちゃんに聞いたら、まっこと、その通りやと教えてくれましたちや。いやいや、こんな工夫のある魚籠があるがぜよ。こりゃあ面白いちや。竹皮言うがが又エイ。昔からの先人の知恵ち、かなわんにゃあ。


昔ながらの竹炭小屋から

竹炭小屋pg


おんちゃんの炭窯は高知のずっと奥。景色がエイ、山が連なる所にあるがです。「ありゃ?」大きな水の音が聞こえゆうと思うたら、こじゃんと立派な滝があるちや。


竹炭職人


びっと見とれよったら出てきたぜよ。竹炭濾過のウィスキーで有名な酒造メーカーさんにも、竹炭を収めゆうがが自慢の竹炭職人さん。まっこと仕事師の、エイ顔やちや。昔ながらの山の小さな炭窯で、こうやって小鳥の遊ぶ声と水の音を聞きながら、ボチボチと焼いた竹炭。「消臭用らあにも、ぼっちり(ちょうど)やきに使うとうせや」竹炭小屋から、おんちゃんのメッセージぜよ。


鯨海酔侯

竹ランマ


NHK大河ドラマ「龍馬伝」見ゆう方は多いと思います。エイところは一杯あるがやけんど、何がエイちキャストが、こじゃんとエイが違う!主役級はもちろん、脇をかためる役者さんらあも、いったい誰がキャスティングしたがやろうか?見よって拍手したいばあ、はまり役ばっかりぜよ。


そんな一人、近藤正臣さん演じるお殿様の山内容堂。これも渋い、まっこと渋い!藩のトップの重責。時代の翻弄される城主ならではの、誰っちゃあに話すことの出来ん苦悩と緊迫感を、巧いこと表現しちょります。ほんで、それがお酒を呑むシーンによう出ちゃあるがです。鯨海酔侯(げいかいすいこう)と自分で言いよったばあな、お酒好きやき、まあそれはエイがですけんど、あのシーンの設定は高知城内ながです。実は日本唯一の虎竹は土佐藩の年貢としても上納されたという歴史がありますきに、ワシは城内が写るたびに、


「もしかしたら、虎竹が出てこんろうか?」


「近藤さん、酔うて虎竹の花かごでも投げんかよ?」


こんな事も思いながら見ゆうがやけんど、まあ、それは置いちょいて、高知城と言うたら後藤象二郎らあ部下の侍と対面する部屋は、庭も、びっくと(少し)見えちょりますように、お城の一階に面会用の立派な座敷があって、それは今も残っちょります。


たしか、その部屋にもあったような気がしますけんど、部屋のランマが特徴的で、さすが土佐の荒海というか、波を大胆にあしろうた、「ハッ」と目をひくようなデザインながです。一体誰が作ったか知りませんけんど、こりゃあ、あの昔に、これだけ洗練された形は凄いと感心したことがあるちや。高知城に来られることがあったら、ぜひ、注目して見てもらいたいがぜよ。


けんど、ここな竹のランマもなかなか凝っちょって、まっことエイにゃあ。おっと、これは高知城内にあるがじゃあ、ありませんぞね。別んくにあるがやけんど、竹を縦に割って節をそのまま活かしちょったり、小枝を巧く使うたり、竹の葉のキリッとしたシャープな感じに、これを仕上げた職人さんの心意気を感じて、しばらく見上げちょった...。ほいたら、おおの、首が痛うなったにゃあ、まっこと。


職人のおらん工房

職人さんの工房


「ありゃあ、今日は誰っちゃあ、おらん(いない)ろうか?」昼時やきか知らん、職人さんのおらん仕事場は、なんか静かやけんど、ほんの今まで新しいモノが生まれよったいう、ホクホクした温もりを感じるよ。


網代編みのかご


おっと、ありゃあ何やろうか?隅のほうに網代編みで作りかけの大きなカゴがあるちや。「京都のお客様からの注文かよ?」おいよ、こんなカゴに何を入れるがやお。出来上がったらさぞかし立派なもんやろうちや。まっこと楽しみやにゃあ。又、見に来なあいかんぜよ。


竹のある庭

竹のある庭


「まっこと、なかなか見違えたちや。」玄関から入ってきてから、奥まった裏庭につづく通路やったところが、室外機やら、何やら、きれいに片づけちょいてから、虎竹をあしろうて、袖垣を取り付け、つくばいらあ置いたら、ちょっとした癒しの空間になってから緑もよう映えるが違う。春、夏、秋、冬。四季折々の自然を感じて、びっくと豊かな気持ちになる。365日、毎日の事やあきに、まっこと、良いがぜよ。


あの人に似合う男箸

横綱うるし箸


ふと、こじゃんと(とても)太いお箸が欲しゅうなったがです。ほいたら虎竹やったらイカンぜよ。どういてち(どうしてかと言うと)、虎竹は種類で言うたら淡竹(はちく)の仲間やきに、あんまり身が厚うない竹ながです。極太の箸を作るやったら、何というたち孟宗竹。そうそう、みなさんが良く目にされる、直径が20センチ近くもあるような竹は、だいたい孟宗竹やったりします。まあ、東北地方より南の日本全国どこにでもあるけんど、


竹箸削り作業


この竹を粗割して、1本づつ全部熟練の職人の手の感触だけで削りだすがやき。これが、まっこと腕のみせどころやちや。しっかり持ちごたえがあって軽すぎず、重たすぎず、ぼっちり(ちょうど)の質感で削りあがりましたきに。高級感のある仕上げで漆を全体にほどこして、竹表皮部分も色目を落ちつかせた渋い、大人の男箸が完成したがです。こりゃあ、太さも使いやさすも、横綱級や思うてから、横綱うるし箸と呼ばせてもろうちょります。存在感のあるカッコエイ男性は近くにおらんかえ?そんな方に絶対使うてほしいけんどにゃあ。