親子三代

山頂より


まっことエイ街ぜよ。陽当たりが良うてぬくいし、温泉はあるし海が近うて、山の緑も最高ぜよ。「ここに、家を建てて住たいねんけどなあ...」おじいちゃんの大阪弁をいっつも思いだす、そんな別府。


渡辺先生作品


来たら立ち寄らせてもらう渡辺竹清先生のお宅。今日もいろいろ先生の作品を見せてもらいよったがです。「最近は、盛り皿をつくる事が多いんよな」まっこと、丸から四角から八角まで、見よったらため息がでるがです。芸術品のような編み込みの細さに圧倒されるちや。


渡辺竹清先生作竹皿


さすが、ニューヨークの超有名宝石店T社が認めた世界の技ぜよ。


渡辺竹清先生作竹皿


「先生、この模様は編む前に絵に描いちゅうがですか?」「いぃや...」竹清先生は頭を指さすがです。


「ここ...」


「ほいたら先生っ!最初から、この出来上がりの模様が見えちょりますか!?」


「ああ...」


先生は煙草の煙をくゆらせながら、大きく頷くがです。まっこと、凄いちや!完成した編み目模様が頭にできちゃあるち!「ううん.........。」うなる事しかできんぜよ。


渡辺竹清先生


「それ、ひとつ持って帰り」「へぇ......?」ワシが手にして見よった竹皿を、なんと、頂けるというがです!親子三代、ずっとお世話になっちゅう渡辺竹清先生の工房。ここが居心地ようて、好きながは、祖父の面影を感じるきかも知れん。ここにおったら子供の頃に帰れるような気もするがです。


「おじいちゃん、先生にこんな作品もろうたちや」「帰ったらワシにも良うに見せてな」夜空の星のあいだから、そんな声がきこえてくる気がする帰りのフェリーぜよ。


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