新春にできあがってきたばっかりの竹ざる。触ったらヒヤリ。
「お~の、ひやい、ひやい(冷たい)」
ほのかに竹の香りがただよう、みずみずしい竹ざる。まっこと、どれっぱあ美しいがやお...。手にもったまま店におったら、お客さんが入ってきたちや。
「こりゃあ綺麗なざるやねえ、いくらですか?」
これは売約済みです言うてお詫びしたけんど、びっと手放すがが惜しゅうなるばあぜよ。まあ、使う方が大事に何年、何十年、愛用してくれることを思いながら。ほんで、長い月日で、また色つやが成長する、青竹ざるの姿を思いながら。高級な果物みたいに、そっと、奥の机に置くがです。
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