まっこと時間を忘れそうな至福の時ぜよ。飽きることなく眺めよりたい米ときざる。こんな逸品と熟練の匠と、こうやって出会えることが竹の仕事をしよって、最高に嬉しいひとときちや。生まれ、そして育ったもんの知っちゅうようで何ちゃあ知らん国ながやにゃあ、日本。けんど、このような昔から続いてきた伝統の手仕事を通して、また一つ、日本という国を知る事ができたような気がするがです。おおの、まっことますます好きになるちや。この国の自然、この国の人、この国のすべて。
壁竹
虎竹は虎模様のついた竹で、日本でもここでしか成育せんというていっつも自慢させてもらいゆうけんど、実は、どれも、これも、色つきのえいモノばっかりじゃあないがです。山の職人さんは、色つきのえい虎竹を伐り出しながら、あんまり色の出ていない竹も間引いちょります。そのあたりの具合が難しいところやけんど、どうしたち、色つきの悪い竹が山から出てきます。そんな竹をどうするか言うたら、びっと前やったら、この壁竹ちや。
壁竹は知っちょりませんか?土壁の家が少のうなったき、仕方ないかも知れんけんど、壁の中には、写真にあるように割竹が入っちゅうがです。竹を骨にして、土壁を作りよったがちや。ほんの10年数ばあ前までやったら、この割竹をドンドン製造して10トントラックで県外のお得意様まで運びよりました。
竹の色とりどりの青さ、竹の割れる潔いよい音、竹の束のズッシリした重み、竹の表面のヒヤリとした冷たい触り心地、竹の気持ちのえい香り、ほんのこのあいだの事やけんどにゃ。10年一昔ち、まっことよう言うちゅうちや。
のりかご
この竹かごは、海苔を採る時に使いよったようです。古いかごで実は展示されちょったと言いますが、内側の所々に、びっくと海苔のようなものが付いちょります。職人さんが高齢で編めなくなったという事で、何とか出来ないろうか?と相談いただきましたけんど、とにかく大きな篭で大変やったです。大きいという事はヒゴも丈夫ということで、年々、力の弱わくなる竹職人さんやったら、なかなか上手く編みあげる事ができません。実は、2人の職人さんが、
「よっしゃあ、やっちゃる!」
と、挑戦しましたけんど編み込みの途中で、
「こりゃあ、テコにあわん(手に負えない)」
言うて出来ませんでした。3人目の職人さんでようやっと編みあがりましたけんど、出来上がりを見て、たまげたちや。見本のかごよりもよう出来ちゅう!職人さんの腕ち凄いぜよ。みんなあが大絶賛しちょります。
背負いかご
虎竹の里の竹林は、急斜面が多くて、登っていくのがなかなか大変です。ところが帰り道の下りはどうかと言うと、実は登り以上に注意が必要。特に雨が降ったあと等は、山だしの機械が登れんばあ滑りやすうなっちょって、それは注意が必要ながです。山道の脇に生えちゅう竹を掴んだり、小枝や草を掴んで、ゆっくり、ゆっくり降りてくるがですが、こんな時にも両手がフリーになる背負いかごは便利、便利。まっこと、のうがえい。(本当に具合がよい)
この背負いかごも、こんな急な山道での生活や仕事の中で生まれ、育まれてきたがじゃおねえ。斜面で担いだり、おろしたりするのに適した形となっちょります。先人の知恵に改めて感心しながら、昔は手放せん暮らしの道具やったろうと思いをはせよります。
虎竹の山だし
虎竹の山だし、真っ盛りぜよ!!!なんせ、竹は今時分しか伐りませんきにね。えっ?どうして?そりゃあ、おまさん、竹の品質を考えての昔からの知恵ちや。自然のもんは、何でも年がら年中いつでも言うもんはそんなに多くはないがです。
ガタン、ゴトン、ガタン、ゴトン...
おっと、聞こえきた、聞こえてきたちや。汽車の音とは違いますぞね。遠うのいたり、近くに聞こえたり、谷間に音を響かせながら細い曲がりくねった山道をトラックがおりて来る音。おお~積んじゅう、積んじゅう!上等、上等!なかなか色づきのえいべっぴんさん揃いじゃあ。
「お~い、こじゃんとエイ虎竹やにゃあ!」
大声で言うち虎竹積んだ車は目の前を、ブッーーーーーーーーーー!素通りぜよ。そりゃあ年末でみんなあ忙しいきに、言うたちいかんちや。
LOVE、じゃきに
「げに、まっこと面白いアイデアちや!」
職人のおんちゃんと話をしよって思わず膝を打ったがです。この乱れ編みの作品を見とうせや。ついつい、編み込みの部分に目がいくかと思いますけんど、注目してもらいたいがは半分から下!足が二人分あるのが分かりますろうか?テーマは「LOVE」じゃきに。この足の表情でどういうシーンが思い浮かびますろうか?そうぜよ、そうぜよ。彼女が走りよって思わず抱きつくいうシーンぞね。
昨日はクリスマス・イプやったきに、街角のあちこちでこんな感じになっちょった若いしのカップルがおったろうぜよ。けんど、足のしぐさでストーリーを作るち。こりゃあ、職人のおんちゃんに一本とられたよ。
白竹バスケット
おっと、その白竹のバスケットは何やろうか?
「んっ?これやえ」
「今年の年賀状を郵便局まで持ってきたがちや」
年賀状ち、オマンのあの可笑しげながかよ?いやいや、その事やのうてその手に提げちゅうバスケット、びっと型が違うがやないが?
「あー、あー、このバスケットかえ」
「こじゃんと、しっかりしちゅう篭ぜよ」
道で聞かれたきに、こう答えましたけんど、本当に中にビッシリ葉書を入れて手を持ち替えんと、しんどいばあ重たかったけんど、このバスケットはビクともせんがです。自分がよく行きゆうスーパーのワゴンカーのサイズに合わせて作っちょりますきに、お買い物には最高の相棒じゃ。安定感のある形やき荷物を入れて、車のトランクや後部座席に置いても安心ちや。今は自分用にしかありませんけんど、来年の寅年には皆様にもご紹介させてもらいます。楽しみにしよっとうせや!
竹の新体操?
こりゃあ、なんぜよ?こじゃんと(とても)長い割竹を持ってからに踊りゆう...。割竹はあっち、こっち飛びまわってからに、
「新体操か、何かかよ?」
知らん人が見たら、こう言いそうやけんど、実は、これ竹のタガ作りながです。タガは知っちょりますろう?そうそう、漬け物樽らあの木樽に竹を巻き付けちゃあるアレじゃあちや。今の季節やったら、門松の土台にも使うことがあります。竹をアッチへくねらせ、コッチへくねらせしますきに、寒空の下、作業場の外で編み込みが続いちょります。リズミカルに全身を使いますけんど、特に、膝をこじゃんと(とても)上手く使いゆう。たまるか面白い、ひとつも飽きんちや。一本の竹を輪にしていく技は、まっこと見物ぜよ。
「龍馬伝」に負けちょらんぜよ?
「ロード・オブ・ザ・リング」いう映画がありました。覚えちゅう方もおおいかと思います。けんど、この前、竹編みしゆう、おばちゃんから頂いたこの竹リングも、なかなかのモンですろう?休憩時間に、ちょこちょこっと作ってくれたがです。まあ、言うたら、
「バンブー・オブ・ザ・リング」
出演者かよ?そう言うたらNHK大河ドラマ「龍馬伝」の撮影が土佐神社であった言うけんど、こっちのキャストも負けちょらんぜよ。主演が竹虎四代目で、ロケ地は日本唯一虎竹の里に決まっちゅうきに。
南部名久井焼きの窯元
何度か話を聞いちょって一回来たかったこの庵にようやっとやって来ることができたがです。青森県にある南部名久井焼きの窯元。ボクが毎日使いゆう「山岸」とでっかい名前入りの湯飲みはここの窯で焼かれました。陶芸家であり書家、画家でもあった、砂庭大作さんの作ぜよ。
数年前におらんなった偉大な創作家の夢のあとは、びっくりするばあ大きな登り窯だけじゃないちや。古い東北の民家を移築した、でっかいギャラリー、開放感あふれるペンション、自分で作られたと言う遊び心満点の池。アチラ、コチラ案内してもろうて最後にやってきた庵。静かな緑に囲まれた、ここでたてるお茶はどんなに美味しいろうか?ずっと、ずっと昔に送らせてもろうちょって、歳取ってすっかり白うなった虎竹袖垣が、
「おまん、待ちよった。ようやっと来たかよ」
そんなに風に話かけてくる気がしたぜよ。
迎春の竹
今年もこんな季節になったちや。毎年この時期は、工場の一角に、こうやって孟宗竹がならぶがです。正月飾りには、青竹と言われるもっと青々とした竹が使われますけんど、あれは真竹のことながです。孟宗竹は色目はびっと落ちますが太さのあるものが揃うので、迎春用の鉢植えとして花屋さんらあで使われます。先日、行っちょった県外の竹屋さんでも、日頃、孟宗竹ばっかり使うて製造しちょりますき、12月は生花市場からの注文で竹の鉢ポット作りに追われちゅう言うてました。おっと、そうこう言いよったらもうすぐちや。高知でも門松やら、しめ縄などお正月飾りばっかりの街路市がたつ季節ぜよ。
魚籠の職人
「ここが難しいところぞね」
虎竹魚籠(びく)を製作する職人さんが笑いながら話してくれます。もともとは趣味の釣りで使いたい道具を自分用に作りはじめたのが竹編みの最初やったと言います。高知は南国土佐と呼ばれちょりますが、山間部の冬は、さすがに寒いがです。いつぞやお伺いした山深い職人さんのお家には暖炉があってパチパチと火がゆらいじょりました。横のソファーで猫と一緒にくつろがれながら釣りの話をされる目はまるで少年のようなまなざしこっちまで何やらワクワクしてきた事を覚えちゅうがです。
竹の道
アスファルトの道路しか知らんかったら、びっと分からんかも知れません。土の道路は年に一回ばあは手入れしよらんと車では、とても危のうて走れんなるがです。特に南国高知のように雨でも、ガンガンとドシャ降りする土地柄やと谷間や沢から鉄砲水があふれ出して路面を削って溝はできるし、大きな大きな石もゴロゴロちや。
みなさん、車でパンクした経験らああんまり、ありませんろう?普通に国道走りよったら、まず大丈夫やけんど、ボクらあ、この道で何回パンクをしたことじゃろ?まあ、雨が降らんじゃち、草は生えるしイノシシは、たつくる(掘り返す)まっこと未舗装の道というがは大変ながです。虎竹の古里、焼坂の道も当たり前やけんど土の道路ぜよ。けんど、昔は乗り合いバスも走りよったいう道。今では竹を積んで運びだせる唯一の道。お遍路さんも歩くずっと前からの生活の道、竹の道。年に一度の、ユンボを使うた整備は恒例行事ぜよ。
工場長の腕時計
「おまん、なかなかエエ時計しちゅうにゃあ」
工場長の腕時計がふと気になって訪ねたがです。
「おっと、気がついたかえ」
工場長が誇らしげに話しだしました。竹の工場はホコリが結構舞うちょります。けんど、この時計はホコリに強い硬い竹の節にあたってもキズが付かん。衝撃らあにも平気なばあ丈夫。雨が少々降ったち外で竹を積みおろしするきに、完全防水じゃあないとイカン。おまけに薄暗い倉庫や、うっそうと茂る竹林じゃあち文字盤がハッキリ見える。話を聞きよったら、なかなかのモノじゃねえ。ほんで最後に、
「なんせ、SASが使いゆうきねえ...」
「なんつか!?SAS(サザンオールスターズ)?」
桑田さんが使いゆうかえ、そりゃあ、エイ!サザンファンのボクが言うと、
「違う、違う、SAS(イギリスの特殊部隊)やき!」
なるほど、軍用の時計かえ。それやったら、間違いないにゃあ。ブランド名は「nite」夜のナイトと、騎士のナイトとかけた造語らしいけんど、虎竹の里で働く職人にもピッタリの時計じゃあ。なんせ、山深い竹林にはいったらまわりに時計がないもんやき、自分の時計だけが頼りや。カラスがカーカー鳴き出したとか陽がだいぶかげってきたとか、だいたいの時間は分かるけんど、ボクも腕時計が壊れた時に終業1時間まちがえて、一緒に働きゆう職人さんに、こじゃんと迷惑かけたことを思いだしよりました。
「どこで買うたがで?」
「高知市内の正美堂ちや」
そんな訳で、さっそく店まで見に行っちょりました。おお、格好のえいミリタリーウォッチがいっぱいぜよ。ややっ!?これはチーフテン(イギリスの戦車)か?ガラスケースにはプラモデルもあって雰囲気もバッチリじゃ。まっこと、凝った時計屋さんがおったもんやけんど、なぬ!?この時計はワンタッチで方位磁石になる?たまげた、けんどこれやったら、竹林で迷うこともないにゃあ。
暮らしの竹かご
「イモが、いっぱい出来たきに」
そう言うて美味しそうなサツマイモを頂きました。職人さんの手には四つ目かご。竹かごが、まだまだこうやって普通に使われゆう...。最近では珍しいきのびっくと感じ入っちょりました。高知では、「こかご」とも呼ばれる、なんちゃあないような四つ目かごやけんど、みんなあ、忘れちゃあせんろうか?実は、こんな竹かごは日本国中、普通にどこにでもあったと言うこと。
竹カウンター製作
飲食店を経営されているお客様から、カウンターの足元を飾る竹編みを頼まれたちや。明るいほうがえいという事で、白竹を使いながら作っていきます。お店の雰囲気がガラリと変わるろうねえ...。ちょうど忘年会シーズン。来月は新年会らあも多いろうし、雰囲気づくりにびっとでも役立ててもらえたら嬉しいちや。たくさんのお客様の目にふれるがやおにゃあ。楽しみぜよ。
竹紙
こりゃあ、たまらんばあ大きいプラントやが、一体なんぜよ?実は、これ竹のチップやき!孟宗竹を大型機械でガンガンチップにしちょって、でっかいトレーラーでこの工場に運んできよります。それがあんまり半端な量やないもんやき、びっと竹チップにしゆう所も見てみとうなりました。ほんで、頼んで連れていってもろうたけんど、隣の人とも話が出来んばあの大きな音で、硬い竹も粉々にしよったちや。この竹チップで竹の紙を作る言うけんど、これっぱあ大がかりに竹を集めて紙にしゆうのは、国内では他にないがじゃないろうか?
この前ブログで手漉き竹和紙の事を書いたけんど、同じ竹の紙と言うたち、こじゃんと違うきに、まっことたまげたちや。けんど、竹が紙になってコピー用紙やら封筒としてもっともっと使われるようになったら、ええけんどねえ。
阿波竹人形
まっこと今にも踊りだしそうな竹人形じゃ!たまるか、竹に命を吹き込んじゅう。おじいさんから竹人形の技を引き継いだ藤田さん。けんど、これぱっあ生き生きしちゅうとは...。お隣の徳島県やし、今までも目にすることは何度となくありましたけんど、いっつもガラスケース越しにしか見よらんかったき、この躍動感のある表情をついつい見逃しちゃあせんかったろうか?
静かな面持ちの竹職人さんやけんど、阿波竹人形を編み出したおじいさんからその技と思いを引き継いだ覚悟がオーラのように漂うちょります。
「祖父の作品集の本です」
いただいた本を手にして、又たまげたぜよ。竹仙 藤田義治。えっ?「義治」うちのおじいさんと同じやいか...!なんか縁のようなもんを感じもっちゃあ、ページをめくると、おおっ!人形一体、一体が生きちゅう!グググッと引き込まれそうになって、思わずパパッと本を閉じたばあ、それほどの衝撃。そこには、凄い凄い、凄い竹の世界が広がっちょります。たまるか「竹」は奥がふかい。まだ、まだ知らん事ばっかりぜよ。
イヤシロチ
「イヤシロチ」あんまり聞きなれない言葉かも知れません。埋炭(まいたん)とも言われてちょって、直径1メートルばあの穴をほって炭を土中に埋めることがあるがです。なんぼ少のうても竹炭を200キロ程度は使いますので、穴を掘るのも大仕事。深さも1メートルは必要やきにユンボなど専用の機械を使わんと大変ちや。おおごとですけんど、関心のある方も結構おられて、工場や店舗、ご自宅などにも施工されよります。
写真は、ちょうど水を入れながら土窯で高温で焼かれた細かい細かい竹炭を、コンクリートバイブレーターでよく混ぜゆうところちや。こうやって施工したら最後には上にのっても足跡も付かんばあ、ガチガチに固まります。こうなったら土をかぶして完成ぞね。
竹材店
虎竹、黒竹、白竹、竹垣、縁台...竹ばっかりの工場。けんど、竹屋でよかったちや。なんでち?竹は、まっこと素晴らしいぜよ。いっぱいの人の役にたつことができる。最近、嬉しいことに竹材の注文が増えています。もしかしたらお客さんの近くで竹屋さんが減りゆうがやろうか?欲しいけんど、どこで買うたらいいのか分からなくなりゆうという事やろうか?そうやとしたらボクらあが、頑張らなあいかんねえ。やるぜよ!そうぜよ、やろうちや!
虎竹和紙会議
代々つづく土佐和紙職人の彼女が言うがです。
「どこの家にも普通にあると思いよった」
まあ、「どこの家」言うたち、和紙を漉きゆう家という意味なんですが、普通ないぜよ、こんな大きな機械...。銀色に輝く回転乾燥板の横で、虎竹和紙づくりについて熱い議論が交わされています?話の内容は別段なんでもないような事でしたけんど、虎竹和紙が産声をあげる工房です。和紙と竹、素材の違いはあっても、新しいモノが生まれる場所、なんとも嬉しくなってくる空間やにゃ。
ざる
すごい竹ざるに出会うたがです。竹虎でも、こじゃんとりぐって(念入りに)作ったざるは色々と扱わせてもろうちょりますが、この竹ざるは、びっと格が違うちゅうかも知れません。とにかく、美しい。青竹をつかった竹細工は「青もの」言われちょりますが、さしずめこれは青いダイヤやろうか?一本、一本のひご、編み込み、縁巻き、薄くカーブのかかったフォルム、土佐の皿鉢料理でも盛れそうなばあの大きなサイズ。どれも、これも素晴らしいぜよ。いやいや、ここまで竹にこだわれるがや。これは、どうしたち自分で使うてみたいちや。ウチの職人や社員にも見せてまわりたいぜよ。まっこと(本当に)職人の腕ち、スゴイぞね。
銘竹
「銘木」は聞くことがあるけんど、「銘竹」はどうですろうか?実は竹も、何でもかんでも同じじゃあのうて、木に銘木があるように、こじゃんと値打ちのある竹があるがです。先日、大津で竹屋さんの集まりがありましたけんど、ズラリとならんだ立派な銘竹。ん?どれどれ、この竹はなんぼばあやろうか?(いくら位だろうか)な...なんとっ...うん十万!?そうながです、竹もスゴイものがありますぞね。何百年も囲炉裏の煙にあぶられた煤竹はじめ、亀甲竹、晒竹、紋竹、図面竹など琵琶湖の風に吹かれながらまっこと、堂々としちゅうちや!
竹炭皿
竹炭を盛り皿に使う?竹炭皿?ビックリされますけんど、土窯で高温で焼かれた竹炭やきに、こじゃんと(とても)硬うて普通のお皿と同じように使えるがです。もともとは、ちょっと趣向をこらした料理屋さんの店主から、変わった皿に盛りつけたい言うことで特別に太い竹を使うて焼いたものながです。材料が竹なので、あんまり大きな皿はできませんけんど、想像はしちょった通り、やっぱり竹炭の黒は結構料理を引き立てるがです。美味しそうに並んだ色とりどりの料理を見よったら、材料を厳選せんといかんかったり、割れて歩留まりが悪かったり、そんな職人の苦労も吹き飛ぶようやちや。
飯かご
持ち手のない飯かごができましたぞね。お客様のご要望で作りましたけんど、台所で棚に収納したかったり、高さのある持ち手が邪魔になる事もあるがかも知れません。昔は、この持ち手を風通しのよい、軒先に吊したりしよりましたけんど、今の時代は飯かごも使い道いろいろやし、持ち手が無用の長物言う場合もあるみたいちや。まっこと、けんど、その通りぜよ。さっそく定番の商品にしましたきにねえ~。
あけびツル
あけび細工に使うツルは地面にはっている、まっすぐに伸びたものを使うがです。木に巻き付いた曲がりくねったものではないものの、とってきたばかりのツルは、太いモノあり、細いモノもあり、色や品質もまちまち。これを綺麗にして、あけびかごバックなど細工につかえるツルの材料取りがまず一番に大変な工程ながです。何を隠そう竹細工じゃあち。竹ヒゴ取りで編みの美しさが決まりますきに。まっこと、よう似ちょります。
花かご作り方
たまに花かご作り方の教室を頼まれてる事があって、工場長が教えに行くことがあるがです。地元の学校から商業施設までいろいろやったけんど、オーストラリアやったろうか海外からの、何十人も生徒さんに教えて行った時はにぎやかやったです。インターンシップでやってくる学生さんにも研修の一環として花かご作りにチャレンジしてもらいますが、今までまったく竹など触ったことのないような都会から高知の大学に来られているような学生さんでも、カンのいい方は、ほんの2~3時間で初めてとは思えんような立派な「作品」を作られます。みなさん自分の作ったオンリーワンの花かごなので、大事に、大事に持って帰られてご覧になったお友達や、親御さんからの評判は上々ながです!
今回製作した、花かご作り方DVDはそんな花かごの作りの楽しさや竹にもっと親しんでもらえたらいいと思うて作りました。ナレーションやアニメでもできるだけ分かりやすいようにしたつもりですけんど、一人でも多くの方に自分だけの逸品を作ってもろうて一輪の花で和んでもらえたら嬉しいがです。