弓竹

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ここは、なんと330年続いちゅう老舗やそうです。やっぱり歴史が違うぜよ。まず、入り口がこじゃんと低い。昔の家はこんながやったがですねえ。靴を脱いで通される店内はまるで、遠い親戚の家に帰ってきたような不思議な落ち着きをおぼえます。


昔のお侍さんも、こうやって来たがやろうか?そんな事を思いつつ、つくばいのある中庭をながめながら、細い廊下を音をならしながら歩きます。20数年前から一回は来たかったお店。個室に通されてからもあちこち見てまわりよったら、目に付いたがが障子の格子にはいった竹。何かの模様やろうか?格子に入れちゅう理由があるがやろうか?


実は弓竹と言うて障子の張り替えのときに、格子が歪まないように、つっぱりの役目でいれる竹やそうです。本来は貼り替えが終わったら取り除くらしいがやけんど、昔からこうやって、ところどころ残しちゅうそう。さすが、京都。目の前でグツグツ湯気をたていう。まる鍋の出汁の味みたいに奥が深いちゃ。


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