コンコン...コンコン...ノミを打ちつける音が響きます。大工さんの工房ではありません。一枚の分厚い木材と格闘している竹職人。竹虎の工場で、いつもとは違う見慣れない光景、一体なにをしているのか?実は、竹の矯め木を作っているのです。木材にアールのついた切り込みを彫ります。ここにガスバーナーで熱された虎竹をいれて、まっすぐな竹に矯め直していくのです。
堅い木材に竹をいれてテコの原理を利用して曲がりを矯正する、そんな作業を、来る日も、来る日も、何本も、何本も、そう、矯め木の彫り込みの形が竹に削られて変わってしまうほど仕事は続きます。1本の矯め木に同じ彫り込みが6つもある...?実は、それぞれの彫り込みの幅が微妙にちがえてあって、どんな竹の曲がりにも対応できるように工夫されているんです。
「さあて、これで後10年ばあは使えるかにゃ」
職人手作りの矯め木は、もうすぐ完成です。
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