シダで編まれた食器かご。一昔前には普通に使われいた記憶がうっすらと残るボクにとっても懐かしい一品なのです。
偶然みつけた本に載っていたその方の作る竹垣といったら、それはボクなんかの想像を遙にこえた竹の宇宙。いちど会いたくてお忙しい中お時間をつくっていただいてお話を聞かせていただくと竹の世界があんまり広くって、深くって、自分がいかに小さくて、何も知らないかを知らされます。天才などと呼んだら失礼かもしれません、でも誰も見たことのない新しい価値を生みせる偉大な芸術家。夢は竹林の中の庵で思い思いの竹を創作して遊ぶこと…こんな凄い方を魅了しつづける竹の力とは底知れません。人の心をふるわせる竹、心に響く竹、この方の言葉がまだ耳から離れません。
大きさが1メートル以上もありそうな根曲がり竹のかご、もともとは農作物を運ぶためのものだったそうです。今ではもくもくと竹を割り、竹を編む職人さんのかたわらで端材入れとして活躍していました。あまりに良い色つやになっているので一体何年前くらいのものだろう?仕事をじゃましないように、そっと聞いてみるとポツリと一言「50年…。」
とにかく信濃路は「そば」。なので、通常はうどん好きのボクも毎食おそば。高知でいつも食べる蕎麦とちがって細くてちょっと硬めなのがツルツル小気味よくノドを通っていくからいくらでも食べられそうです。ワサビもいい。そして竹ザルがいい。写真に写っているのは違うのですが、根曲がり竹といって高い山など少し寒い地方に多く生える細い竹なのです。雪の重さに耐えて根が曲がって強度をますという独特の竹。この竹でつくられた竹ざるは美しさもさることながら、その耐久性と実用性から広く愛されているザルです。「ぼっち盛り」なる戸隠特有のそばの盛り方があることを知りました。そばを5玉にわけて規則正しく盛りつけているのですけれど、20年前からあこがれていた山間で、日本もまだまだ広い、知らないことも多い、そんな事を思う夜明けです。
夏の音、竹風鈴。竹炭風鈴は不思議で素朴な自然の音色ですが、こちらは夏の定番の音。ムシムシと不快指数の高い日には心地よい竹とチリリンとゆれる風鈴が涼風を運びます。
新しいサイズで塗りの脱衣かごができました。もともとは衣類を入れるための四角いかごなんですが、アイデア次第で色々な日頃の小物類の収納にお役にたてそうな竹かごです。
丈夫で人気の市場かごはエンピツくらいの細さのスズ竹を割って写真のように一本、一本ヒゴの幅や厚みをととのえる材料取りにもかなりの時間と労力がさかれます。どんなに熟練した職人さんでも、いい材料でないと、良い商品は作ることができません。カゴ作りは、この材料取りで出来上がりの良し悪しが決まるくらい大切な工程です。
昨日の竹は立派でしたが、先日東京のお店で見かけたこの看板も質のよいスス竹を使っていました。スス竹って囲炉裏の煙で数十年…長いものだと百五十年とか燻されて自然に色づいた竹なので、材料は少なくなる一方のとても貴重な材料なんです。竹の色目の濃淡がありますが色の薄いところは縄でくくれられいた部分、そんな事を考えながら見ると1本の竹にも長い風雪を感じてきます。
ここの和菓子屋さんは美味しいので県外へのお土産なんかにもよく使わせてもらいます。有名店の人気商品、予約しておかないと買うとこのできないカステラを受け取りにいくと、いつも気になる美しい店内のスス竹たちが出迎えてくれるのです。一流のお店には本物がよく似合います。
そのお店の部屋は奥まった黒壁の細い通路をとおりぬけて階段をトコトコと二階にあがった場所にありました。座ってすぐ目に付くのが大きな窓からみえるベランダと一気に爽快な風が吹き抜けるような竹垣。竹の涼を感じながら楽しい時間を過ごせるのです。
虎竹で作った本物そっくりの昆虫たち。随分前になりますが東京のデパートで展示したときにはあまりにリアルだったので「ひぇ~飛びたちそう!」と驚かれるお客様もおられました。お庭にある新緑の葉っぱなんぞ一輪さして、こんな虫を一匹あわせると風流な玄関飾りが出来上がります。
根元のところがコブになっていて杖にするとちょうど持ちやすくなる竹があります。あまりご存じない方でも水戸黄門様がいつも持って旅しているアレといえば、だいたいお分かりかと思います。高知ではお遍路さんのための遍路杖と呼ばれることもありますが今回は遠く北海道に送られていきます。長距離を歩かれるみなさんの少しでも助けとなればと思います。
涼しげな音色がにぎやかな都会の通り。夏ならではの光景に心なごみます。風鈴かあ...うちにはこんな澄んだ音色の竹炭風鈴があるのです。
梅雨がやってきました。中国、四国、九州...そして、竹虎の足元にも。今年の夏は暑くなるそうですが長雨の時期もいっそうムシムシするのでしょうか?でも、こんな竹皮で編み込んだ竹皮草履を事務所でもスリッパとして履いているなら足裏サラリ、涼風が吹き抜けるようです。仕事もはかどる!
黒竹とは書いて字のごとく、黒い竹。あまり背の高くならない竹林に入ると緑の笹の生い茂る中に黒竹がスッーと立ち並んでいて、その姿は色のコントラストも美しく又ちがった心地よさがあります。黒潮の流れる温暖な地によく育つ黒竹もあたたかな南国の自然の贈り物です。
前々からリクエストのあった高さ調節のできる竹炭枕がようやく出来ました。座布団のような形から一つ折り、二つ折りして三つ折りにすると一番高い使用感になります。名付けて竹炭まくら「三ツおり君」夏のどうにも寝苦しい熱帯夜にもお役にたてるといいのですが。
フローリングに竹を使っているのは書きましたが、建物の内外の植え込みに竹を多用しています。一年通して青々とした竹は繁栄の象徴としても縁起がいいと言われますが都会の喧噪にあってそばにあるだけで心安らいできます。
この週末はとてもハッピーな気分に包まれていました。それは、こんなカードをもらったからでは決してありません!
ミッドタウンの地下で道に迷いました。案内の係の方にきくと丁寧に教えてくれただけでなく、何と忘れないようにと紙に東京駅までの乗り継ぎの仕方まで書いてくれたのです。感動しました。ここでは、それぞれの仕事に誇りと自信を持っています。見習いたいものです。
席に案内されて出されたコースターに感激!はじめて訪れたこの地、この店でも、虎竹の古里からやってきた虎竹が活躍しているんです。嬉しくてついつい食もすすみます、ステーキとご飯をおかわりしました。
ぶらり、山形県。のどかで最高です米沢。米沢牛をいただきに日本庭園の美しい吉亭にやってきました。
ここは素晴らしいです!床、壁、竹が沢山使われています。よく見ると竹の節の部分があるので分かります、今度ミッドタウンにお出かけの際には是非お確かめください~
細かい編み目の御所箱ができあがりました。虎竹ならではの風合いに時間を忘れて魅入ります(大袈裟)、あとは内側の仕上げだけ。
高知県下の昔ながらの竹の生活用品を一同にあつめて4月から開催されていたバンブースタイルがもうすぐ閉会します。中には実際の暮らしの中でビックリするくらい使い込まれたカゴたちもありました。自分たちが最近復刻させたモノもありますが、見ているだけで竹が昔から生活の中でどれだけ親しまれ愛され、重用されてきたのか分かるのです。
孟宗竹の竹皮が軽四トラック一杯に積み込まれてきました。夏場のフローリング履きに今年も大活躍の竹皮健康ぞうりの材料なんです。毎年どんどんできて、他にあまり使われることのない竹皮、すばらしい天然素材なのにもったいない!竹皮草履はそんな自然の資源を大切に有効活用するエコな商品でもあります。
見た目は普通のスズ竹文庫。でもフタを開けてよく見ると内側にも細やかな編み込みの竹の表皮が...!同じ大きさのアジロ編みを合わせて作った普通の数倍の手間暇かけた極みのスズ竹文庫なのです。
ちょっと気どった弁当箱ができました。ちょっと洒落ていて、イイ感じですがどちらかと言うとお店用かと思っています。
バリ島の自然の中で自然素材の草木染めをされているキルト作家・秦泉寺由子さんの講演を聞きました。日本の草木染めと又ちがって熱帯特有の植物ならではの発色があるようで様々な取り組みをされていますが、その中でも「竹」を使った、なんともいえない優しい素朴な白には感動しました。青々とした竹からあんな白が生まれるとは不思議です、いちど染めにもチャレンジしてみたいものです。
竹製の「うけ」でウナギを捕る話は昨日したのですが、その続き。地元でもうけを作る職人さんはほとんどいなくなりました、たまに大型店に置いてあるソレと違って職人手作りのうけはゴツゴツ無骨で形も不揃いで、でも何ともいえない味があります。ところが、不思議なことにうけが新品のうちはウナギがなかなか捕れないのです。きっと新竹の香りが強すぎて餌のミミズのニオイが弱くなるのかなあ…なんて子どもの頃から思っています。本当によくウナギの捕れるうけは数年使い込んだ色のあせた「うけ」なんです。そしたら当時ウチで働いてくれていた職人さんがいいました
「田んぼに浸けちょきや」
ええ?と思いましたが何と田植え前の田んぼのドロドロとした土の中にうけをズッポリ沈めておくのです、そうしたら新竹の香りが弱まりウナギがよく捕れる。アドバイスをもらってさっそく近くの田んぼに行ったボクですが、後日談があるんです…。が、今日はここまで。
ところで写真をご覧になって、こんな渓谷みたいなところでウナギ捕っているのか?と思われた方。スミマセンこれは四国のずっと山奥の谷間の川です。
蒲焼きのいい香りをかぐと食欲100倍になってしまいます、やっぱり暑くなってくるとウナギでスタミナつけたいです~ところでボクの小学校の頃は会社横の川や田んぼに引かれた小さな小川でもウナギは本当によく取れました。どうやって取るかというと写真にあるような竹製の「うけ」、「ころがし」とも言われるようですがコレにミミズを入れて夕方川底に沈めておくのです。次の日早朝上げに行くのですがウナギがいっぱい入ってずっしりとした「うけ」を上げたときの嬉しさは今でもはっきり覚えているんです。