虎竹の里で竹を伐る職人さんには時計がいりません。陽が昇ったら仕事がはじめられるし、暮れそうになる前には山から下りてきます。「ウ~ウ~~~~~」火事ではありません、会社のすぐ横のこうじん山の夕方5時のサイレンが今日も鳴り響きます。
久しぶりにお伺いしたお客様のお庭で数年ぶりの嬉しい再会をしました。長い時間をかけて色はすっかり落ち着いて又ちがった風合いと魅力を醸しだしています。これから、さらに風合いが変わる、コケをむす、味わいが深くなるのは人と同じかもしれません。
近くに竹林でもあれば、いえいえそれでなくても食材なんかに使われているから、もしかしたら珍しくも何ともないのかも知れませんが、実際の竹虎の竹皮ぞうりの素材を知ってほしくてサンプルを作りました。ほんの一片ですけれど消臭性、抗菌性にすぐれた竹林からの贈り物です。
大阪はキタとミナミでは違いますが、それにしてもボクの学生の頃とは随分変わりました。ひさしぶりにキタの街を歩くと青竹をつかったお洒落なオブジェにであいます。竹はどんな形でもスッーと爽やかな風を感じさせてくれるものだとつくづく思っています。
お部屋に竹炭をおかれる方がふえました。これからの湿気の季節を前に快適な毎日にすこしでもお役にたてればと思っています。新登場の黒編みかごはフタ付き、お洒落に使っていただけそうです。
藍染めのツボは底にスクモがたまわってしまわないように竹ザルを逆さにむけて入れられていました。工房で繰り返し、繰り返し藍のツボにはいって真っ黒く染まった竹ザル。頑張っています。
ふと足の立ち止まる商品があるものですが、これがそれ。アルファベットのスタンプなんですけれどよく見ると、それぞれの文字が自然の動物やら植物やらにちなんだものばかりでとても楽しいのです。高知工科大学の学生さんたちがプロデュースしたと言うことで坂本龍馬までデザインの一部になっていました。根底のテーマはエコ、そこでこのスタンプの本体は竹。もっと沢山の方の目にとまるようになればと願っています。
いつか紹介したバンブードーム、実は色々なところで組んだり、たたんだり、繰り返し活用しているようです。ジョイント部分は何度も使えるように工夫されていて感心しました。竹も炭化したものを使って虫やカビのこないように考えられています。うーん、凄い。
その実用性、丈夫さからプロ御用達のスズ竹市場かごに持ち手がビニールでない、巻き手のものが少しだけできました。このスズ竹市場かご巻き手も材料と職人さん不足のためなかなか数ができない物の一つです。
新大阪からの汽車にゆられて2時間「右手をごらんぐください…」社内放送になにかと思って身をのりだすと「雄大な太平洋です~」。毎日、見ゆうぜよ!まあそんなこんなでやってきた白浜、白いと聞いていましたが本当に白い…、和歌山はじつは高知と気候が似ていて同じように黒竹の産地でもあるのです。夕食にはチマキ、竹皮の風味がついてうまい!
ふと庭をながめると新緑のなかに白竹の垣。暑さがスッーとぬけて心地よい爽やかな風の吹く瞬間です。
昨日ご紹介させていただいた竹の帽子。現代に蘇った匠の逸品です。しかしっ!作務衣に長靴で庭の草取りにかぶっています…台無し!?
遂にできました、竹の帽子。ボクが、よくかぶっているお気に入り帽子をモデルに作ってもらったのです。布の帽子と竹とでは素材感や硬さなど違いますから、さすがにこの道数十年、竹細工の達人もかなりてこずったようですが細部まで緻密で高級感あふれる仕上がりに大満足です。
竹虎の工場から少し離れたところにある竹置き場。雨露が当たらないようにトタン屋根をつけているんですが、その柱の所にT字型の長い棒が引っかけられています。カンのよい方なら「T字」と聞いてピンとくるかも知れません、そうですサシ。ここの孟宗竹は必要に応じて色々なサイズにここで切り分けて工場まで運んで使っているのです。
杉皮を重ねた屋根には長年のうちにコケをむし、草が生え、一種の風格さえ感じられるようになってきます。十数年来のお客様のやり替えで工場にかえってきた門セットをながめながら長い月日を感じて嬉しくなりました。
何でも同じかも知れません。基礎が大事。高いビルほど基礎がしっかりしています。竹細工でいうなれば「ヒゴ取り」がこの部分かなあと思うのです。以外に目に付かないけれど一番大切、ここが全てといってもいいくらい。同じ竹でもこれだけ違う作品にしあがるのか!?ビックリするような美しさの極上スズ竹花かご。たったお一人の職人さんしか出来ない逸品、ヒゴ取りする熟練の手技にただただ見とれるばかりです。
たまたま入ったアウトドアショップで胸ポケットに「竹」と書かれたアロハシャツが目にとまりました。あれっ?と思って触ってみると竹繊維、ちょうど竹の葉をあしらったものがあったので早速買って着てたのです。ちょっと麻のような感じの生地に仕立てているせいか、とにかく軽い、そして涼しい。竹をまとっているという心持ちだけで一日中快適、快適!ところが夕方ごろになってふとボタンを見ると…ややっ!?このボタンまで竹!さすが…!
虎竹の命名の父、牧野博士ゆかりの植物園から竹を調べに調査員の方がやってきました。珍しそうに見て回ったり、写真を撮ったり…ウグイスの鳴き声が谷間に響くのどかな虎竹の里の午後でした。
意外にギフトに使って頂くことの多いのが竹皮健康草履。フローリング用の室内履きとして最高と自負している自信の商品ですが、一度試しに履かれた方があまりの履き心地のよさに、ついつい人にオススメしたくなるようなんです。特に大切なご家族や身近な方に贈られることが多い竹皮草履、最近新しい仲間が増えました。とことん天然藍にこだわり昔ながらの製法を守る染師さんにお願いした生地で鼻緒を仕上げたもの。本物のジャパンブルーの竹皮ぞうり天然藍染めです。
行李(こうり)と言っても若い世代ではご存じない方も多いのではないかと思います。強靱なスズ竹製の衣装ケースで驚くくらい長持ちしますし、通気性にすぐれているので衣類のためにもいいのです。何度か古い民家なんかで昔のものを拝見したことがあります、飴色に変色した行李を見ていると大切に使われてきた歴史すら感じるんです。
山深い庵は質素なたたずまいながらも手入れが行き届いていて訪れる人を本当に気持ちよく迎えてくれます。玄関脇には竹籠に一輪の花、白木のゆったりした廊下の天井に竹のあしらい、茶室にすわって庭をながめると矢来垣。そして、ひしゃくに抹茶をたてる茶筅まで竹が様々な形でもてなしてくれます。渓流の流れだけを聞きながら、鮮やかな新緑に囲まれてお茶を頂いていると、こんな小雨の一日も悪くないと思うのです。
毎年生えるタケノコの皮を集めて、とっても履き心地のいい竹皮健康草履を作ります。これからのジメジメする季節には本当に世界最高のフローリング履きと自信を持ってオススメする逸品中の逸品!でも、都会の皆さんには抗菌性や消臭性に優れるという竹皮自体あまりピンと来ないのかも?そこで今月から竹皮草履の材料の竹皮のはぎれをご用意することにしたのです。少しでも知っていただく機会になればいいなあと思っています。
天気がよくて絶好の施工日和でした。なんの施工って?床下調湿用竹炭のです。なので、施工といっても不織布にはいった竹炭を敷き詰めていくだけだから、はじめての方でも簡単にできるものなんです。湿気の多い日本ですがお寺や神社の床下にも昔から炭が使われいたように、住まいを長持ちさせるために色々と先人の方々も工夫をされてきたようです。
いよいよ母の日が近づいてきました。自分が履いて気にいっていただき贈り物に使うこのと多い竹皮スリッパを、今年は送料無料のギフトにしました。鼻緒が外反母趾の予防にもなるということもありますが、竹皮ならではの気持ち良さを一人でも多くの方に体感していただきたいと思っています。派手なラッピングではないですが30数年前から変わらない竹虎の包装紙は祖父がデザインした自分たちには思い入れの深いものなのです。
またひとつ、いい出会いがありました、初夏にピッタリのマガジンラックです。本体の竹ヒゴの組み合わせがとてもセンスよく気にいりました。持ち手のカズラの丁寧な仕上げも、さすがこの職人さんならではと感じさせる出来映えです。そばに置いておくだけで心が豊かになるような、こんな自然の竹細工をもっともっと沢山の方に知っていただきたいと、手にとりながらつくづく思う朝なのです。
連休で前の国道には県外ナンバーの車が数珠繋ぎになっている、ちょっと騒々しい虎竹の里ですが、一歩工場の裏手に入ればウグイスがあちらこちらで鳴き、メジロたちが遊び、ツグミがさえずる、のどかで心あらわれるような初夏の風が吹き抜けます。