「美食界のハーバード」名門フェランディ・パリの教材に竹虎の竹炭パウダー

竹炭ハンバーガー


ある日、突然に知人から真っ黒なハンバーガーの画像が送られてきました。中に挟まっているのはサーモンでしょうか?真っ黒なバンズに、赤い色合いと緑の野菜、そして白いソースがチラリと見えていて思わず食欲をそそられます。実は、この画像の送り主は地元高知県の古い知人で、全くの異業種から食の世界に入りクロワッサンのお店を始めたハンサムボーイです。今回は、新たな高みを目指して、パン作りを学び直すために単身パリに渡ったというのは聞いていました。


フェランディ・パリ


ところが、知らなかったのですが、彼の入学しているのは100年以上の歴史を誇り、「美食界のハーバード」とも言われる、最高峰の教育機関である名門フェランディ・パリという料理学校だそうです。料理、製菓、パンなど幅広い分野で、基礎技術と革新性を重視した教育に魅かれて世界中から才能ある若者が集まる、国際的な学びの場から届いた真っ黒ハンバーガー。「黒」の正体は予想通り竹炭パウダー(bamboo charcoal powder)でした。


竹炭パウダー


しかし、驚くのはこれからです。何と、この世界一と言ってもよい美食の街で、次世代を担うシェフたちが教材として使っている竹炭パウダーが、何を隠そう竹虎からお届けさせてもらったものだったのです!彼も、最初は出てきた竹炭のパッケージを見たら「虎斑竹専門店 竹虎」と書かれているのでビックリ仰天だったそう!それは、そうです、遠い異国の地で、まさか日本、しかも高知の片田舎の竹炭パウダーが登場なんて!?思わず手にして教室で叫んだのでないだろうか(笑)なんて勝手に想像しています。でも、一人で頑張っている中で、同郷の食用竹炭を見て興奮したのは間違いありません!


国産竹炭パウダー


竹炭パウダーの最大の特徴は、その驚くべき細かさです。粒子径はわずか15ミクロン(0.015ミリメートル)しかありません。この微細な粒子のおかげで、食品に混ぜてもザラつきを感じさせず、滑らかな舌触りなのです。そして、もう一つシェフやパティシエの方々から支持されている重要な特性が、無味無臭であること。イカスミのように独特の風味を持たないため、素材本来の味を邪魔することなく、料理や菓子に深い黒色だけを加えることができます。この特性から「モノクロスイーツ」など、見た目のインパクトも大切にする現代的な料理やデザート作りに重宝されています。


パリの竹炭スイーツ


さらに、竹が地中から吸い上げたカルシウム、カリウム、ナトリウム、鉄分などの天然ミネラル分を含んでいる点も注目されます。日本では古くから「炭職人に胃腸の悪い者はいない」と言われるなど、炭の持つ吸着性から健康維持に利用されてきた歴史があり、現代でも「チャコールクレンズ」や「デトックス」といったウェルネスという形で期待されています。


孟宗竹


竹炭パウダーは、厳選された原料を使い伝統的な製法によって生み出されています。地元四国産の竹を使い、昔ながらの土窯を改良した竹炭専用窯で、熟練の職人が季節により、気温により、湿度により、積み重ねてきたカンと五感をフルに使って1000℃を越える高温で微妙に調整しながら焼き上げているのです。


竹炭パウダー、パリのお菓子工房


そんな竹炭が、海外の食の世界に受け入れられ出したのはいつの頃だったでしょうか。若きパティシエの方が、様々な新しい試みをされている実験的な工房にお伺いさせてもらった事もありました。


竹炭パウダー、パリのお菓子工房、竹虎四代目(山岸義浩)


以来、日本の高品質な竹炭パウダーは、そのユニークな特性から海外でも注目され食材に活用されています。ボク自身も現地に何度も足を運び、多くのシェフが竹炭を使ったバラエティ豊かな料理やスイーツを頂きました。竹虎のウェブサイトでも、それらのレストランでの使用実績を一部ご紹介していますが、日本の伝統素材が海外の食文化と融合し、新たな価値を生み出しているのは予想外の喜びでもあります。


クロワッサンにも竹炭?


料理の世界で「黒」、特に竹炭が注目される最大の理由は、やはりその圧倒的な視覚的インパクトです。深くマットな黒色は、料理やデザートにモダンで洗練された印象を与えます。そして無味無臭という特性が、料理の味や香りを変えずに色彩だけを加えられるため、料理をされる方にとっては価値ある素材なのです。フェランディ・パリで学んだ彼も、帰国したらクロワッサンも更に進化して真っ黒なパンも誕生しそうで楽しみにしています。


竹炭ハンバーガー


日本唯一の虎竹を守り続けてきた竹虎。今年で創業131年となる、竹への思いと取組みから始まった食用竹炭パウダーが、遠くパリの名門校で新たな創造のお手伝いができている。この話を聞いたとき、ボクは伝統と革新、食を通じた文化交流の繋がりに胸が熱くなりました。


パリの夕日


今回のフェランディ・パリでの活用は、美しい日本の自然と、伝統の竹炭職人の技とがメイドイン・ジャパンの品質となり、少し大げさかも知れませんが世界最高峰の料理界で認められたのだと思います。古来より日本人の生活に寄り添ってきた竹の計り知れない可能性と、それを未来へ繋ぐ人々の営みに、改めて思いを馳せて頂けたら嬉しいです。





国産竹ざる編んでます!梅仕事を心待ちにされる皆様、今年からはじめられる皆様へ

国産竹ざる、竹虎四代目(山岸義浩)


ニュースキャスターの方が「梅雨入り」なんて言葉を話ものだから、ええっ!?本当に...何かの間違いでは?なんて思いましたが、沖縄では統計を取り出した、この70数年間で最も早い梅雨入りは1980年の4月20日頃だそうです。だから、沖縄で来週あたりに梅雨入りするかも、なんて驚くことでもないようです。


日本製竹ざる、青竹踏み天日干し


本州、九州、四国に梅雨前線がかかるのは、もう少し先のことではありますが、「梅雨」となればボクたちが思い浮かべるのは一つしかありません。そうです、土用干し用につかう網代(あじろ)編みの竹ざるや、エビラの事です。


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毎年、梅雨明けの空が待ちかねて、ジメジメとした雨の合間に顔をのぞかせる力強い太陽の日差しの下が行われる土用干し。今から、お客様が梅干し作りを楽しまれている様子を思い浮かべると本当に嬉しくなります。


梅干し作り、梅仕事、土用干し


自分たちが心を込めてお届けする竹ざるが、皆様の梅仕事のお供になれることを、心から誇りに思っています。


国産竹網代ざる


特にボクたちの竹虎では、昔ながらの「網代編み」の竹ざるの製造を続けています。高知県では、この網代編みされた竹ざるのことを親しみを込めて「サツマ」と呼んできました。。これは、かつて孟宗竹の竹林面積が日本一で竹産業が盛んだった鹿児島県との間に、深い技術交流があったことの名残です。


国産竹ざる製作


昔は、高知から腕利きの竹職人が鹿児島の産地に赴く事もあり、行った先で竹の技術を磨いて帰ってくることがよくありました。その際に、働いていた竹工房での優れた技を持ち帰ると共に、中には鹿児島でお嫁さんを見つけて高知へ帰ってくる若い職人さんもいたそうです。ですから、高知の竹細工が盛んな地域では、奥様が鹿児島出身という方も多かったと聞いています。人と人との繋がりが、技術と共に土地に根付いていったのです。


古老の竹職人


竹細工というと、一般的にはしなやかな真竹を使うことが多いのですが、ここ高知では、より丈夫で手に入りやすい孟宗竹や淡竹が伝統的に使われてきました。竹虎でも、そうした先人たちの知恵と伝統をしっかりと受け継ぎ、昔ながらの竹材を使い、熟練職人だった先人たちの伝統の技をそのままに、一つひとつ丁寧に竹ざるを編み上げています。




父や祖父から受け継がれて続いてきた昔ながらの竹ざるが、現在まで繋がり国産の梅干しざるとして、土用干しに大活躍するのです。


国産竹ざるヒゴ


青物細工と言うのですが、自然の竹をそのまま編みこんだ竹ざるや、竹籠類は海外からの安価な製品が沢山輸入されています。日本国内の青物細工は、こういう影響もあり衰退して無くなったものも多数あります。しかし、そんな中でも、環境意識や食の安全に対する意識の高い方々が、あえて竹虎の作る国産の竹ざるを選んで下さっています。そんな全国の皆様からの応援が、ボクたちの伝統の継承を力強く後押ししてくれる、唯一の頼みです。


竹製エビラ


また、皆様は「エビラ」という竹編みの平ざるをご存じでしょうか?農家さんでは、昔から干し大根や干し椎茸といった自家製の干し野菜を作るのに普通に使われてきた道具です。田園地帯を歩けば、庭先で見かける竹製品ですが、製作されなくなっていました。でも、きっと都会に暮らす皆様のお役にたてるはずとの思いで、随分前に復刻して現在に至っている製品です。


養蚕、蚕棚


エビラは、元々は養蚕が盛んだった時代に、蚕棚(かいこだな)として使われていたものです。蚕を飼う事がなくなり、大量にあったエビラを干し笊として転用していたのが始まりで、その機能性や便利さは折り紙付きです。ただ、このような伝統的な竹細工を製作し続けている所は、今の日本ではほとんど無くなってしまっています。だからこそ、この最後に残されたかもしれない貴重な技を未来へ繋いでいくことが、ボクたちの大きな使命だとも感じているのです。


梅干し作り、梅仕事、土用干し


今年もぜひ、竹虎の国産竹ざる、そして梅干しざるを使って、愛情たっぷりの美味しい梅干しを漬けてお楽しみください。手仕事の温もりが、きっと皆様の食卓を豊かに彩ってくれるはずです。虎竹の里から皆様にお届けさせて頂く竹ざるが、健康で明るい暮らしと、楽しい土用干しのお手伝いができれば幸いです。





竹虎スタッフ愛用!小さ目のスズ竹市場籠で感じる、毎日の暮らしに竹細工

スズ竹市場籠でピクニック


さて、皆様ゴールデンウィークもいよいよ本日限りとなりました。今回の連休は少し短かったこともあり、また航空機運賃も高めだったそうで、近場で楽しまれる方が多いと新聞に書かれています。そこで、もしかしたら身近に行けるピクニックやキャンプ等にお出かけになられた方も多かったのではないでしょうか。


車積スズ竹市場籠


なにも、黄金週間に限ったことではありません。たまの休日には、自然の中でリラックスされたいと思って、海や川あるいは山に向かわれる事でしょう。そんな屋外での行楽に活躍するのが、スズ竹市場籠です。この手提げ籠が活躍するのはお買い物だけではありません、幅広いフォルムは車に乗せても安定感があり、荷物の出し入れがしやすい上に、とにかく丈夫なのでアレコレ何でも放り込めるから使い勝手も最高です。青空の下、スズ竹市場籠が活躍している光景は、ボクたち竹虎としても本当に嬉しいものなのです。


竹虎スタッフの使う市場籠バッグ


でも、皆さんが市場でご愛用されたり、行楽に連れて行ったりするスズ竹市場籠と、竹虎のスタッフが毎日使っている籠とは、実はちょっとサイズが違ったりします。そうなのです、確かに荷物が沢山入れられる大きなものが人気ですが、竹虎社員が毎日通勤に使っているサイズは(小)だったり(特小)だったりします。なぜかと言うと、日常使いには、あまり荷物が入り過ぎても重たくなってしまうから。毎日使うものだからこそ、これくらいのサイズが本当に手ごろなのです。


小さめスス竹市場籠


通勤やお買い物など、日々の暮らしの中では、ピクニックほど多くの荷物を入れることは少ないと思います。お財布、スマートフォン、手帳、小さなポーチ、お弁当箱、ハンカチ...。そんな「いつもの荷物」には、大きな籠よりも(小)や(特小)サイズの方が、使い勝手が良い場面が多いんです。籠自体が軽い上に、必要以上に物を詰め込みすぎることもないので、一日中持ち歩いても負担になりにくいと言います。


スズ竹


スズ竹は、東北など寒い地域に自生する、非常に粘り強い性質を持った竹です。竹と名前がつくものの、ボールペン程度の太さしかない笹の仲間ですが、厳しい自然環境が育んだその強靭さとしなやかさがあるからこそ、毎日使ってもへたれない、頼りになる市場籠が生まれます。


スズ竹市場籠ピクニック


自然素材である竹の籠が、いつも隣にあることは単に便利なだけでなく、どこか心に豊かさをもたらしてくれる気がします。豊かな日本の自然と、編み込みから伝わる職人の手仕事の温もり、使い込むほどに増す風合いは、ささやかだけれど、かけがえの無い価値です。環境に配慮した暮らしや、本物の素材を大切にしたいと考える方々にも、きっと共感していただけるのではないかと思っています。


スズ竹市場籠


大きなサイズのスズ竹市場籠はもちろん魅力的ですが、もし「毎日使える竹籠や竹バッグを探している」「普段使いできる竹の手提げ籠が欲しい」と探されているのでしたら(小)や(特小)サイズのスズ竹市場籠にも目を向けてみてください。買い物籠としてだけでなく、日々の生活の相棒として、竹ならではの心地よさと彩りを添えてくれるはずです。



五月晴れの鯉のぼりと真竹

青空に鯉のぼり


本日、五月五日は子供の日です。あちらこちらに鯉のぼりが泳ぐ季節でもあります。この連休の高知は、天気に恵まれています。五月晴れの青いそらに元気に泳ぐ鯉のぼりを見つけると清々しい気持ちです。高知県では、鯉のぼりと一緒に英語のフラッグから、その名前が付いた「フラフ」と呼ばれる大きな旗を揚げます。日本各地、それぞれの地方により、鯉のぼりの習慣も微妙に異なっているのだろうと思います。




フラフと聞きましても、どんなものかご覧になられた事のない方も多いと思います。南国土佐らしい鮮やかな色合いのフラフは、このように製作されています、動画がありますのでよかったらご覧ください。


鯉のぼりと真竹


さて、このような鯉のぼりなのですが、近年の鯉のぼりを立てるポールの多くは、アルミ合金製だと聞きいて少し驚きました。軽くて、丈夫な上に、使わない時には短くして収納しておけて便利だからだそうですが、鯉のぼりを立てるのなら、の他には考えた事のなかったボクなどは、かなり寂しく感じています(笑)。子供たちの健やかな成長と立身出世を願う大切な鯉のぼりのポールだからこそ、竹ほど、ふさわしい物は他にないと思うのです。


鯉のぼりを支える真竹


なぜなら、今までも何度となくお話していますように、竹は驚異的な生命力と成長力を持っているからです。竹は、筍として顔を出したかと思うと、グングンと伸びて、わずか三カ月で20数メートルもの高さにまで大きくなります。天を目指して真っ直ぐに伸びるその姿は、子供たちの健やかな成長と立身出世を願う親心そのものではないでしょうか。


海風


だからこそ、日本では「松竹梅」と縁起の良い植物にも数えられている竹、これほど鯉のぼりを立てるのにふさわしい素材はありません。


遠くに鯉のぼり


それにしても、この高台は心が洗われるような落ち着いた長閑な景色が広がっています。強い海風に鯉のぼりが元気に大空に泳いでます、お子さんの健やかな成長を心から願う大切な飾りには、やはり生命力あふれる本物の竹が似合います。



蘇るスズ竹市場籠、世代を超えて人に寄り添い続けるために

スズ竹市場籠


竹手提げ籠の中でも、一番日常的に皆様がお使いいただいてるのはスズ竹市場籠かも知れません。何と言っても抜群の丈夫さと使いやすさ、しなやかで軽いのに、重たい荷物を入れてもびくともしない。だから、毎日のお買い物や野外へのお出かけはもちろん、かつての築地市場や現在の豊洲市場でも、プロの料理人の方々が買い出しに愛用するほど、実用性に優れた竹籠なのです。


使い込まれたスズ竹市場籠


これだけ日々活躍してくれる籠ですから、どうしても傷みやすい部分が出てきます。実際、市場が移転する前には、東京の出張の際に何度か早朝の築地を歩いた事がありますが、本当にかなりの高い確率で、使い古したスズ竹市場籠の壊れた部分にガムテープで補強した強者の籠に出くわしました(笑)。


手提籠持ち手


「手にされている、その籠!写真に撮らせてもらえませんか?」何度、そう言いかけた事か...(笑)。


スズ竹行李


スズ竹は、主に東北などの寒い地方で育つ、細くしなやかでありながら非常に丈夫な竹です。その強さと柔軟性から、かつては市場籠だけでなく、衣類を入れる行李も大量に製造されていた時代があります。




しかし、このスズ竹もプラスチック製品の登場により活躍の場を段々と失くしていきます。そして、他の竹細工と同じように職人の高齢化と共に編まれる量が激減し、更には近年の120年に一度の開花時期を迎え、その後一斉に枯れてしまうという大自然のサイクルで材料が手に入りにくくなり、スズ竹製品の減少に拍車がかかってしまっているのです。だからこそ、せっかくの市場籠は、修理して使い続ける価値があると、ボクは強く思っています。


スズ竹市場籠経年変色


先日も、長年大切に使われてきたスズ竹市場籠の修理をお預かりしました。編みあがった時には、少し青みかがっている竹肌が、籠全体に渡って美しい飴色に変化し、深いツヤを放っているのを見ると、どれだけ持ち主の方に愛され日々の暮らしに寄り添ってきたかが伝わってきます。


市場籠四隅の穴


竹細工の素晴らしいところは、たとえ傷んだり壊れたりしても、修理によって再び命を吹き込むことができる点です。特にスズ竹市場籠は丈夫なため、部分的な手直しをすれば、まるで新品のようになり、生まれ変わった籠となって何十年も使えることが多いのです。


輸入手提籠底四隅を籐補強


なので、これからも末永く使っていただきたいという想いで、傷んだ部分を丁寧に補修させていただきます。持ち手を取り換え、穴の開いた四隅はスズ竹素材を持っていないため真竹で代用して補強し、その上を籐でかがっています。


市場籠の縁巻


また、縁巻も場合によっては内側に使われている芯竹が古くて弱っていたり、折れたりしている場合には、全て新しい竹でやり替え、新しくして籐で巻き直すと、籠はまた新しい輝きを放ち始めます。


スズ竹買い物籠修理完了、竹虎四代目


修理を施した箇所は、最初は新しい竹の色合いですが、古い素材と真新しい素材のコントラストは良いものです。これが、使い込むうちに周りの色合いと馴染んで、さらに味わい深い表情になっていくのも、たまらない魅力です。


スズ竹市場籠ハイキング、キャンプ、お花見


それぞれのお客様がご愛用されてきた籠は、同じ修理でも実はひとつひとつ程度が異なり別注品の竹細工を製作するようなものでもあります。そのため、時にはお客様が想像されているよりも修理費用がかかってしまうこともあります。でも、若干の出費はありますものの、出来あがったお品をご覧なられた皆様は、こちらのお客様のようなご感想を言っていただきます。


市場籠経年変色


(お客様のお声)

お直しの竹かご受け取りました!丁寧にしっかりとお直ししていただきありがとうございました、また使用できるの楽しみです!さすがの技術に感動してます。竹虎さんの、カゴも欲しくてSサイズも購入させていただき使っています、まわりから素敵と褒められます、両方とも大切に使います。どうぞ皆様によろしくお願いします。インスタストーリーにお直しカゴがでてきて、感動してました。ほかの商品も魅力的で竹製品、気になります。


野外の行楽に竹手提バッグ


こうして喜んでいただけることが、職人たちにとっても何よの励みです。愛着のある籠を、再びお客様の元へお返しできた時の感激は、言葉になりません。


新品手提籠


竹製品を修理して世代を超えて使い続けることは、まさにSDGsやサステナビリティを目指す現代社会に合った、昔から日本にある、素晴らしい伝統文化だとボクは思います。プラスチック製品なら捨ててしまうような状態でも、竹細工なら修理して使い続けることができる。これは、日本の「もったいない精神」であり、物やひいてはコトや人を大切にする心そのものではないかと感じるのです。


クルミ手提げ籠バッグ


YouTube動画やインスタグラムで情報発信するせいもあって、竹籠修理のお問い合わせが増えています。竹編みだけではなくて、時には山葡萄やクルミ、アケビの籠などのご相談もいただきます。お客様の物を大切に使い続けたいと言う気持ちがある限り、できるだけの対応をさせて頂いています。




この30年ブログ「竹虎四代目がゆく!」をご覧の皆様の中でも、もし、ご愛用のスズ竹市場籠や、その他の竹籠、竹細工の傷みでお困りでしたら、諦めるのは早いです(笑)。その前にぜひ一度、創業131年となりました竹虎にご相談ください。心を込めて、大切な籠を蘇らせるお手伝いをさせて頂きます。





アトピーの方におすすめ!匂わない液体洗濯洗剤、竹炭の洗い水

アトピー、敏感肌の方に匂わない液体洗剤「竹炭の洗い水」


洗濯物の臭い、特に部屋干ししたときの、あのなんとも言えない嫌な臭いに悩まされている方は少なくないのではないでしょうか。無臭をうたう市販の洗剤を使っても、なぜか臭いが残ってしまったり、強い香りでごまかしているように感じたりもします。


自然派洗濯洗剤


先日、竹虎にお客様であるK様から、まさにそんなお悩みを解決できたという、嬉しいお声をいただきました。「カミサンが早々洗濯に使い、全然匂わないと喜んでます」とのこと。以前、有名メーカーの部屋干し洗剤で気分が悪くなるほどの経験をされた後、竹虎の「竹炭の洗い水」に辿り着かれたとの事でした。そこで今回は、K様に喜んでいただけている竹炭の洗い水が、なぜ多くの方に選ばれているのか、その秘密をお話しさせていただきます。


アトピー、敏感肌の方に匂わない液体洗剤・竹炭の洗い水


冬場だけでなく、これからの梅雨時などには特に部屋干しをする機会は多いものです。そんな時、一番気になるのが生乾き臭。竹炭の洗い水はそんな悩みに応える匂わない洗濯洗剤として、多くのお客様にご愛用いただいています。K様のお声にもあったように、「本当に全然匂わないし、良いですね」という率直なご感想は、竹炭の洗い水が持つ、驚きの消臭力のおかげです。


孟宗竹


他のお客様からも、「臭かった息子の靴下の臭いやタオルの生乾きの臭いが気にならなくなりました」 、「動物独特の匂いも消臭されて、しかも香料等はもちろん入っていないので、とても安心して使っております」といった喜びの声が寄せられています。化学的なものではなく、自然の力で臭いの悩みが解消されるのは、アトピー体質で季節の変わり目には、たびたび喘息が起こってしまうボク自身も嬉しく思っているところです。


国産土窯作り竹炭バラ


竹炭の洗い水の成分は、驚くほどシンプル。竹炭、竹炭灰、そして水だけです 。ちなみに、ボクや家族も愛用する虎竹の里竹炭石鹸の成分は石鹸素地と竹炭と水だけなので、竹虎の製品には本当に無駄なものは入れていません。竹炭の消臭力は、目に見えない無数の孔(あな)が開いていて、その孔が臭いの原因物質を吸着してくれるのです。真っ黒な竹炭で透明の洗剤が出来て、汚れを落とすとは不思議に思われる方もおられるかも知れません(笑)。竹炭の洗い水は、竹炭や竹炭灰から溶け出したミネラル分、カリウムが水中に電子イオンを発生させて汚れを衣類から引き離します。昔の人が灰を使って洗濯していた知恵と同じ、まさに自然の恵みそのものです。


アトピー、敏感肌の方に匂わない液体洗剤・竹炭の洗い水


部屋干しの嫌な臭いの主な原因は、湿った洗濯物で雑菌が繁殖することです。竹炭の洗い水は、竹炭が持つ天然の力で、この雑菌の繁殖を抑える働きも期待できます。殺菌作用などはありませんが、臭いの元となる菌が増えにくい環境を作る手助けをしてくれるのです。実際に「部屋干ししたときに生乾き臭がしない」「タオルの生乾きの臭いが気にならなくなった」というお声を多数いただいており、室内干しが多いご家庭でも安心してお使いいただけます。


アトピー、敏感肌の方に匂わない液体洗剤「竹炭の洗い水」

市販の洗剤には、強い香りで臭いをマスキングするものも多いですが、竹炭の洗い水は香料などを一切使用していません 。香りでごまかすのではなく、汚れと臭いを元からしっかり落とすことによる「本物の無臭」です。K様のように化学的な香りが苦手な方や、強い匂いに敏感な方にも、「無臭です。無臭に感動します」と大変喜んで頂けています。使い続けるうちに合成香料の強さをかえって不快に感じるようになった、という方もおられます。


アトピー、敏感肌の方に匂わない液体洗剤・竹炭の洗い水


「自然由来の洗剤って、使いにくかったり、値段が高かったりするのでは?」と思われるかもしれません。でも、竹炭の洗い水は、液体洗濯洗剤としての使いやすさやコストパフォーマンス、そして環境への配慮も兼ね備えています。竹炭の洗い水は、一見すると少しお値段が高く感じるかもしれませんが、実はとても経済的なのです。


アトピー、敏感肌の方に匂わない液体洗剤・竹炭の洗い水


まず、使う量が非常に少ないという事があります、水30リットルに対して、わずか10ミリリットルで十分な効果を発揮します。そして、泡立ちがほとんどなく洗剤成分が衣類に残りにくいため、すすぎは1回で大丈夫です。これにより、水道代や電気代、そして洗濯時間も大きく節約できるのです。さらに、柔軟剤を使わなくても衣類がふんわり仕上がるため柔軟剤代も不要ですから、トータルで見ると優れたコストパフォーマンスを発揮するのです。


アトピー、敏感肌の方に匂わない液体洗剤・竹炭の洗い水


なぜ柔軟剤がいらないのか?それは、竹炭の洗い水に含まれる天然ミネラル成分が、洗濯物の繊維を優しくほぐし、ふんわりと仕上げてくれるからです 。お客様からも「柔軟剤いらずでふんわりと仕上がりました」「洗った後のごわごわ感がないところがいい」と、その仕上がりに満足の声をいただいています。余計な化学成分を使わずに、自然な柔らかさを実感できるのは嬉しいところです。


アトピー、敏感肌の方に匂わない液体洗剤・竹炭の洗い水


液体洗濯洗剤であることも使いやすさのポイントかと思います。計量が簡単で、洗濯機への投入もスムーズ。ボクのように子供の頃からアトピー体質で敏感肌ですと、粉末洗剤の溶け残りがあって襟首部分や袖口など痒みの原因になる事がありましたが、そんな心配も無用です。寒い時期や水温が低い場合でも、サッと水に溶けて洗浄力を発揮してくれるのは毎日の洗濯が随分と楽になるように思います。


アトピー、敏感肌の方に匂わない液体洗剤・竹炭の洗い水


繰り返しになりますが、竹炭の洗い水の原料は、竹炭、竹炭灰、水だけです。界面活性剤、蛍光剤、漂白剤、香料などは一切使用していません。ですから、デリケートな赤ちゃんの肌着洗いや、アトピー体質の方、敏感肌の方、あるいはお年寄りの乾燥肌でスキンケアが必要な方にも安心してご愛用いただける洗濯洗剤です。


アトピー、敏感肌の方に匂わない液体洗剤・竹炭の洗い水

この30年ブログ「竹虎四代目がゆく!」では何度もお伝えしていますように、竹は、わずか3ヶ月ほどで親竹と同じ高さまで成長し、3~4年もすれば資源として利用できる、非常に成長の早い植物です 。まさに持続可能な自然の恵みであり、その竹を使った竹炭の洗い水は、使用後の排水も自然に還りやすく、環境への負荷が少ない洗剤です。竹虎が1985年から言い続けてきた「21世紀は竹の時代」という想いを製品を通じて皆様と共有できると嬉しいです。


アトピー、敏感肌の方に匂わない液体洗剤・竹炭の洗い水お試しサイズ


この、アトピー、敏感肌の方にも自信をもっておすすめできる、匂わない液体洗剤、竹炭の洗い水を一人でも多くの方にお役に立てるように、送料無料にて300ミリリットルのお試しサイズをご用意いたしました。クロネコヤマトのメール便にてポストまでの配送です。ご興味のあられる方は、本当にぜひ一度お使いいただきたいと心から願っています。
敏感肌の方へ送料無料でお試しいただける洗濯洗剤「竹炭の洗い水」





竹網代ドリッパーで淹れる一杯の驚きと竹細工の新たな魅力

竹網代コーヒードリッパー


「竹でコーヒーを淹れる」と聞いて、すぐにイメージが湧きますでしょうか?30年ブログ「竹虎四代目がゆく!」のご購読者の皆様は、ある程度はどのようなものかお分かりになられている方もおられるでしょうか。しかし、多くの方は、竹といえば籠やザル、あるいは花器などが思い浮かべは良い方で、竹でコーヒーと言われてもサッパリなのかも知れません。竹虎では、以前から日本唯一の虎斑竹(とらふだけ)を使ったゴザ目編みと六ツ目編みの二種類の虎竹コーヒードリッパーをご提供しており、お陰様でご好評をいただいています 。  


虎竹コーヒードリッパー


さて今回、ボクはゴザ目編みでもない、六ツ目編みでもない、もうひとつの竹網代(あじろ)編みタイプの竹製ドリッパーで淹れたコーヒーを味わう機会に恵まれました。


竹網代コーヒードリッパーの職人の工房


竹網代ドリッパーと同じ網代編みされたお盆で出していただく一杯は、驚くほど口当たりがまろやかで、雑味がなくボクの好きなスッキリした味わい。


竹コー!フィルター


緻密な網代編みなので、紙のフィルターは必要ないのでは?と思っていましたが、職人さん宅では手間を考えて使用されていました。


塩取りかご


竹網代ドリッパーは、実は目新しいものではありません。昔は、塩取り籠と呼ばれて海水を煮詰めて塩をとる際に使われてきた円錐形の竹籠がありました。


竹コーヒーフィルター


その籠を応用して、一本の竹を割り、薄く剥ぎ、ミリ単位で厚みを揃え、寸分の狂いなく繊細な編み目の工芸品と呼べるほどの美しい竹編みにされています。


竹網代コーヒードリッパー


網代編みの竹ドリッパーが、竹職人の手仕事の素晴らしさを伝えると同時に、更にその元となった塩取り籠を知っていただくキッカケになればと思います。工房で作られている籠を眺めながら、日本人の暮らしに無くてはならない存在だった竹を改めて知る思いです。





鰻筌の季節に考える竹の多様性

国分川


土手を車で走っていると、あまりの天気の良さに川べりに下りてみたくなりました。ちょうど堤防があり、流れ落ちる水の音も心地よく、遠くまで眺められる空と雲を見ていると、他には何もいらないような幸福感を覚えます。しかしこの時期、清らかな水面を見ていると決まって思い出すのは子供の頃の記憶です。当時から早起きが得意ではありましたが、川へ鰻を捕りに行く日には朝日が昇と共に起きていたように思います(笑)。


竹製鰻筌


ボクたちが鰻を捕るのは(ウケ)と呼ばれている竹編みの筒状の道具でした。中には餌になるミミズを一塊入れて栓をすれば準備完了です。前日の夕方に鰻の通り道とおぼしき川底に、ブクブクと鰻筌を沈めて浮き上がらないように川石を上に積み重ねておきます。翌朝、早くにその鰻筌を上げにいくのです、漁を教えてもらった小学の先輩からは「明るくなると、中の鰻が逃げてしまう事がある」と聞いていたので、友人たちも皆早朝に河原に集合していました。


竹、エギ


当時は、まさか竹虎で鰻筌を編むようになるなんて考えもしなかったのですが、実際に製作するようになりエギという竹の弾力を活かした鰻の入り口は、一度入ると外には出られないようになっていて実際は必ずしも朝早く行く必要はなかったです。ただ、やはり、鰻が入っているかなあ?とドキドキしながら夜を過ごしていましたから、言われなくとも早起きしていたと思います。なにせ、学校に行くまでには帰らねばなりませんでしたので。


田園


さて、釣果のほどですが、すぐ近くの川に仕掛ける事が多かったのですが、当時は稲作も盛んで小さな用水路にも勢いよく水が流れていました。本当にそんな深さが20センチ程度の用水路に仕掛けた鰻筌にはも10数匹もの鰻が入る事もありましたので、それだけ川が綺麗で、鰻がたくさん生息できる豊かな自然が身近にあったということでしょう。あの頃の川の賑わい、生命力あふれる光景は、今も鮮明に心に残っています。この原体験があるからこそ、この文化を繋いでいきたいという想いが強くなり、地元で編まれていた鰻筌への復刻へと繋がるのです。


古いタガ、米研ぎざる


ちなみに、捕った鰻はすべて自宅で食していました。当時はどこの家庭にも鰻をまな板に打ち付けるキリが常備されていた程です。それで、鰻は店で食べるものではなく、川で捕まえて食卓にならぶものと、ずっと思っていました。前にも書いたように思いますが、はじめて鰻を店で食べたのは祖父に連れられて来た大阪千日前の今はなき「いづもや」さんです。学生時代は、その味が懐かしくてアルバイトして何度も通った覚えがあります。


竹虎四代目(山岸義浩)、鰻釣り用竹ヒゴ


現代では、天然鰻は高知でもあまり見かけなくなりました。鰻筌を仕掛けている方は、1シーズンに一人見かけるかどうかくらいなので川は昔と変わらずありますものの、獲物の鰻の数が少ないのです。そう言えば、昨年だったか鰻釣り用の竹ヒゴを十数本だったか作ったことがあったので、全くいなくなったという事ではないようです。しかし、鰻は養殖ばかりで、実際に鰻筌の最後の職人が仕事ができなくなってから暫くは製造できない状態でしたが困る事はありせん、でも、丈夫な孟宗竹を使い豪快に作り上げる鰻筌の伝統を少しでも繋ぎたい思いは消えません。


鰻筌、ころばし


そこで、何とか技術継承して復刻することにしたのですが、昔のように大量に安価に作るということではなく、竹の一番外側の竹表皮部分だけを使うことにしています。竹材は沢山使うので(竹が沢山あるから安いというような考えは、皆様どうが捨ててください、伐採にどれだれの技と苦労があるか)、コストはかかりますがより堅牢で付加価値の高い製品になります。


孟宗竹


ボクたちの鰻筌には、孟宗竹(もうそうちく)を使います。竹細工というと、マダケやハチクなどが使われることが多くて、孟宗竹を使って編組細工をするなど全国的にも皆無と言っていいほどです。けれど、孟宗竹はその太さや丈夫さから、鰻筌のようなある程度の強度と大きさが求められる籠作りには適した素材です。地域に根差した伝統の技を伝えていくには、地元高知で手に入りやすい孟宗竹しかないのです。


鰻魚籠


正直なところ、昔に比べて鰻が捕れる川が減り、鰻筌自体を知らない方も増えました。「今さら鰻筌を作っても...」と思われるかもしれません。ただそれでもボクたちは、この伝統の技法を受け継ぎ、鰻筌を製造し続けています。それは、単に昔を懐かしむだけではなく、この漁具に込められた知恵や、竹という素材の素晴らしさ、そして高知の川と共にあった文化そのものを、形として残し伝えたいからです。幸い、今でも鰻漁ができるような川が若干残っていているようです。この技が生きる場所がある限り、作り続ける意味があると考えています。


今日は、鰻筌という多くの方には、あまり身近でない竹細工のお話になってしまいました。でも、鰻筌は竹の多様な可能性を示すほんの一例にすぎません。竹は、竹籠やザルといった日用品から、インテリア、家具、建築材、楽器や庭園装飾さらには竹炭といった健康・環境分野、タオルや衣類などにする竹繊維、メンマや筍という食材、家畜の餌などへの活用など驚くほど幅広い用途を持つ、持続可能な天然資源です。皆様が、竹の持つ無限の可能性と、暮らしや文化を豊かにしてきたその魅力に、少しでも触れていただけるよう、これからも頑張ります。





イカスミと炭(タケスミ)との違いとは何か?

竹炭パスタ


最近、ちまたで「黒い」食べ物を見かけることが増えたと思われるの事はないでしょうか。真っ黒なパン、うどん、ギョーザやカレーさらにはスイーツまで、その印象的な見た目は多くの人の目を引きます。この黒色の立役者が本日お話させていただく竹炭パウダーです。古くから黒い食材といえばイカスミがお馴染みですが、竹炭パウダーーにはイカスミとは異なる、独特の特徴と可能性があります。


竹炭パウダーを使った料理

ボクたち竹虎が創業以来こだわり続ける竹、その竹から生まれる竹炭パウダーと、伝統的な黒い食材であるイカスミを比較しながら、それぞれの魅力や使い方、そして竹という素材そのものの素晴らしさについて考えてみたいと思います。


竹炭パウダー、bamboo charcoal


竹炭パウダーは、その名の通り、日本の豊かな自然が育んだ竹を原料として作られた、炭の微粉末です。古来より日本人の生活に深く関わってきた竹が、今、現代の食文化の中で新しい価値を生み出しています。竹炭パウダーが持つ最大の特徴は、まず無味無臭であることです 。これが、独特の風味を持つイカスミとの決定的な違いと言えます。料理やデザート、あるいは飲み物に深い黒色だけを加えたい、素材本来の繊細な風味を損なわずに見た目のインパクトを高めたい、そういった場合に竹炭パウダーは理想的な素材なのです。


竹炭パン


特筆すべきは、その粒子の細かさです。竹虎の竹炭パウダーは15ミクロン(0.015ミリメートル)という、非常に微細な粉末状になっています 。


竹炭猫クッキー


この細かさにより、液体にも混ざりやすく、また食した際の舌触りも滑らかで、ザラつきを感じさせません。パンやクッキー、麺類の生地に練り込んでも食感を損なうことなく、美しい黒色を表現できるのです。


竹炭の孔


竹炭には電子顕微鏡で見ないと分からないような無数の微細な孔が空いています。実は、この多孔質な構造が竹炭の優れた吸着力の秘密なのです。様々な物質を吸着する性質があるため、水の浄化や臭いの吸着などに利用されてきました。原料は竹炭ばかりではないものの、世に出回っている消臭剤には、この炭の特性を活かしたものが多数あります。竹炭パウダーに関しても、この吸着力によって体内の不要な物質を吸着し、排出を助ける、いわゆるデトックス効果への期待が言われているのです。現代の健康志向の高まりの中で、チャコールクレンズ(Charcoal Cleanse)として最近では海外でも注目されています。


竹炭パスタ


竹炭パウダーは無味無臭と申し上げましたけれど、その特性から現在では食材への活用は思う以上に進んでいます。ボクが前に頂いた竹炭パスタは、その真っ黒な見た目のインパクト、トマトソースとのコントラストが忘れられません(笑)。同じ黒いパスタと言っても、イカスミパスタとは全く異なります。イカスミは独特の風味、味、香があるのに対し、竹炭パウダーは黒の色素のみをプラスできるので色々なソースとの組み合わせができるのも面白いところです。この違いが、食材活用の幅広さに繋がっているようです。和食、洋食、中華、エスニックといったジャンルを問わず、また、主食からデザート、飲み物に至るまで、あらゆるメニューに使われています。


竹炭スイーツ


繊細な和菓子や、フルーツを使った爽やかなデザートにも、黒という色彩のアクセントを加えることができるのです。まさに、自由自在な黒!作り手の創造性を刺激するのではないかと思います。


竹炭を使うパリのシェフ


そんな自由な発想に刺激を受けたのでしょうか?竹虎の竹炭パウダーの品質と使いやすさは、海を越えて食の都フランス・パリのパティシエの皆様にも愛用されています。


bamboo charcoal、竹炭パウダーを使うパリのシェフ


繊細な味覚と美しい見た目が極めて重要視されるフランス菓子の世界において、素材の風味に一切影響を与えることなく、深く鮮やかな黒色を表現できる竹炭パウダーは、もしかしたらパティシエの方々が待ち望んだ理想的な着色料だったかも知れません。


竹炭ムース


パリ市内のあるお店でランチをいただきました。あまりの美味しさにモグモグ食べていると、シェフが一皿手にして厨房から出てきました。「食べてみて」と言われても、お皿の上にはスプーンが二本...いったい何だろうか?


竹炭ムース、bamboo charcoal


実はスプーンにのせて出していただいのは竹炭のムースでした。口に入れると、すぐに溶けてなくなる淡雪のような感じ!そして竹炭パウダーが本当に入っているのかと思うような後味で下にザラつきが全くありません。シェフは、このことを伝えたかったようです。ヨーロッパでは、スプーンは幸せをすくうラッキーアイテムとされているようですけれど、まさにボクにとっては、このスプーンは幸せそのものとなりました。


bamboo charcoal、竹炭パウダーを使うパリのパティシエ


竹炭パウダーはその自然さゆえに、フルーツやチョコレート、クリームなど、あらゆる素材と組み合わせることが可能です。お伺いしたパリのスイーツ店やレストランでは、皆様に喜んでいただけている様子で本当に嬉しく思いました。


竹炭パウダー、竹炭微粉末


竹虎がお届けする竹炭パウダーは、その原料となる竹の選定から、製造方法に至るまで、一貫したこだわりを持って作られます。原料には、地元四国産の良質な孟宗竹(もうそうちく)のみを使用しますが、最も重要な竹炭作りには、効率を優先した機械窯ではなく、昔ながらの土窯を用いた伝統的な製法を守り続けています 。


国産竹炭窯


熟練の炭焼き職人が経験と勘を頼りに、最高級品質の竹炭を800度から1000度の高温でじっくりと焼き上げます。土窯は、温度管理が難しく季節や天候によって焼き上がりが違う上、一窯に2週間もの時間がかかるのです。


孟宗竹


竹は、「継続利用可能な唯一の天然資源」と言われるほど成長が早い植物です。その貴重な資源が日本国内では放置され、ほとんどが活用されずにいます。竹は竹林で人の役に立ちたがっているのです、安価な海外産の竹炭も多いように聞きますが、美しい自然と四季のある日本の竹の品質は世界一だと思います。海外からは竹の国とも見られている国産の竹に親しみ、愛用することが竹を明日に繋ぎます。竹炭パウダーも、竹という数千年来日本人に寄り添ってきた親友のような存在だと、その価値を再認識させてくれます。





国産竹製茶漉しが倉庫の片隅から

国産茶漉し


国内の竹細工や竹製品は高齢化が進み、お客様のご要望があっても製造できなかったり、形はできても満足な品質でなかったりするものも多くなりました。熟練職人の仕事が見られなくなりつつあるのは寂しい事ではありますが、そんな中でも時折、思いがけない出来事に出会うことがあります。


国産竹製茶漉し


この日もそうでした、懇意にしてもらっているメーカーさんの倉庫を訪問していた時、談笑しながらふと何気なく視線を棚の下段奥に向けると、少し埃をかぶった箱が目に入りました。そこには、長らく欠品が続いていた竹茶漉しが、ひとつ置かれていたのです。そこで、その箱を取り出して中を確認してみたら、何と現れたのが編んでいた職人がいなくなり姿を消していた国産竹茶漉しでした。


国産竹製茶漉し


いつから置かれているのか分からないものの、竹虎の店舗に置いてあったものと全く遜色ない状態のようだったので、ひとつひとつ確認してみる事にしました。すると、やはり細く取った竹ヒゴが弾いていたりするものもありましたが、そのままお客様がお使いいただける良品もあります。そこで、それぞれ選り分けて皆様にご紹介させていただく事にしたのです。


国産竹製茶漉し


そう言えば、もう最後だと言うことで、YouTube特別販売としてお一人様一点限りとして無料でお譲りさせていただいた事がありました。あれから2年になります、メーカーさんの倉庫を訪れる事もありませんでしたが、何と再びデッドストックの状態になっていた茶漉しがあったとの連絡をもらい、今回改めて皆様にご紹介できることになりました。


国産竹編み茶漉し


もともと熟練職人が丁寧に編み上げた茶濃しなので、わずかな折れが見受けられるものも、日常使いには支障なくお使いいただけそうなので、前回同様にお買い得としてご用意しています。